エアポートリンク乗車日記 |
みつお隊長捜査レポート
<はじめに> 表題の通りである。本年度より、やっと開通したエアポートリンクの乗車記録である。 「何を今さら」というお叱りを受けそうである。そう、すでに開通して3ヶ月以上が経過し、以前より体験乗車などが多く実施され、すでに軌道に乗った感じで、かなりの方々が乗車経験をされたと思われるからである。しかし、まだ「乗り方が良くわからないから」「タクシーのほうが早いだろ」「電車は面倒くさい」等、多くの理由で興味もなく乗車経験のない方が多いのには驚いた。そういう私もそうであり、この12月に初めて乗車したのである。まだ乗車経験のない人のために簡単な乗車記録を特捜として、ここに書き込ませて頂くことにする。 尚、細かいことは各自調べてくれ。あくまで体験乗車記録である。細かい調査はしていない。 <簡単な説明> エアポートリンクとは何か?タイ国鉄が運営するバンコクへの国際線。国内線の殆どが乗り入れるスワンナプーム国際空港と市内を結ぶ鉄道である。ほぼ同じ路線ではあるが2種類が運行されている。青い色のシティラインと赤い色のエクスプレスである。どちらも改札もホームも違うので乗り間違えることはないだろう。 今までは空港からタクシー利用が殆どの個人旅行者であったが、この市内へ渋滞知らずの高速鉄道が開通したおかげでアクセス方法も増えたということになる。どちらのラインも15分くらいで発車して行くので頻繁とまでは言わないが、それほど待たされることもないようである。 <路線はどこを走る> スワンナプーム空港よりBTSパヤタイ駅に直結のパタヤイ駅まで。途中のマッカサン駅はMRT駅も近い。 青いシティラインは終点のパタヤイ駅まで行くのに反してエクスプレスはマッカサン駅までである。だが、シティラインは各駅停車でほぼ通勤列車と同様なのに対し、エクスプレスはマッカサン駅までノンストップの特急列車である。エクスプレスがBTS直結のマッカサン駅までつながっていたら便利なのだが?何故か荒野のような駅のマッカサンまでである。 シティラインの車内に掲示されているエアポートリンクの路線図。乗り換えも一応書いてある。 <エクスプレス乗車> 今回は試しにマッカサン駅から1回だけ乗って見た。このマッカサン駅自体は不気味に広く周りに何もない荒野のようで、まるで上越新幹線のローカル駅みたいだ。駅自体は立派であったようなないような。駅に関しては別項にて。 さすがにマッカサン駅からノンストップでスワンナプーム空港まで行くので早かった。車内も綺麗でJRの特急列車と変わりない。乗り心地も車窓さえタイでなければ、最新型のJRの特急列車と遜色はない。 そして早い。公式には空港駅まで15分とのことだが、13分くらいで到着した。これでパタヤまで行ければ・・・・ 鉄道マニアの私としては、久々にワクワクしてしまった。 マッカサン駅に停車中のエクスプレス車両。MRTと同じホームの造りにて全景撮影出来ない。 エクスプレスの座席。ちょっと狭いかな?そうは思ったが、座り心地は悪くない。 車内は旅行者が多く旅の列車の雰囲気そのままである。13〜15分で終わってしまうのはもったいない。 <シティライン乗車> こちらはチェンマイに行くときにパヤタイ駅→スワンナプーム間を1往復と、スワンナプーム→マッカサン駅間を1回の計3回乗車した。エクスプレスがJR特急と車内は遜色がないのに対してこちらの車内はMRT車内と似ている。つまり、普通の電車?通勤列車同様に庶民の足のようである。乗車している方々も、まったくもって空港に行くのとは関係ない方々が多く、MRT並みに込んでいたりする。エクスプレスラインと車両は同じようであるが。こちらのほうがBTS駅に完全直結のパヤタイ駅が利用出来、エクスプレスの終点駅のマッカサンのようにMRT駅までチンタラチンタラ外の普通のガタガタの道路を長々と歩くこともなく利用するには便利と思えるのだが、車内がうっとおしい。 パヤタイ駅に停車中のシティライン。エクスプレスと車両は同じでも車内は普通の庶民の足? とても綺麗な車両である。このまま日本の地下鉄に走らせても問題ないくらいだと思う。 シティラインの車内。まるでMRTの車内と変わらない。旅行者が発見出来ない・・・・ <料金> 現在は(特捜時点の2010年12月)プロモ中であり、エクスプレスがスワンナプーム→マッカサン駅間をノンストップで100バーツ(いずれ150バーツに値上げ)。シティラインはスワンナプーム→パヤタイ駅を各駅に停車してどの駅から乗って降りても一律15バーツと激安!(いずれ15〜45バーツに値上げ)。シティラインは現在バス並みに安いので、ちょっとそこまでの足に使われてるようである。 <乗り方> 乗り方が問題視されていたようであるが行って見て見ればいたって簡単。MRTとほぼ同じようにトークンを購入する。券売機もMRTと似ている。券売機がないところは、窓口で普通に並んで買える。券売機があっても窓口に並んで買ってる人が多くいた。普通にバンコクのBTSやMRTに乗りなれている人ならば問題はなく。それでもわからない人は?背後から係員が寄って来て親切丁寧に教えてくれるようである。初めだけかもしれないが。 スワンナプーム駅の自動改札。まるでMRTと変わらない。 スワンナプーム駅のシティライン券売機(左)とマッカサン駅のエクスプレスの券売機(右)。 <所要時間> エクスプレスはスワンナプーム→マッカサン駅間をノンストップで15分である。車内、座席もゆったりなので、あっという間に到着してしまう。シティラインは私が乗ったときであるが、スワンナプーム→マッカサン駅間は各駅に停車しながら22分くらい。スワンナプーム→パヤタイ駅間が各駅に停車しながら25〜26分くらいであった。どちらに乗るとしても(エクスプレスでもシティラインでも)我々の良く宿泊するスクンビットやシーロムのホテルからスワンナプーム空港のチェックインカウンターまで1時間はみておけば大丈夫なようである。1時間10分みてればまず大丈夫のようだ(BTS、MRT乗り継ぎの場合)。 <スワンナプーム空港駅> そこで我々が良く、というか殆どここだけかも?利用するであろうメイン駅3駅を画像入りで説明しよう。 まずはスワンナプーム空港駅。 この駅は空港の地下にある。やたら深い地下に「本当に鉄道駅だけのためにか?」と思われるくらい広い地下階である。そして乗車口まで到着階より体感的に遠く感じる。実際には時間が多少かかる。その点は成田空港、関西空港なども同様で、これらの日本の空港の鉄道アクセスに慣れていれば問題ない範囲かと思われる。 スワンナプーム空港の国内線側の到着階。まずはここに出なければ始まらない。 これは我慢しよう。エアポートリンクに乗るのだ! こちら側からは、まるでウルトラ警備隊の基地のような長いエレベーターで地下に降りて行く。 案内板や目印などはわかりやすく発見しやすくなっているので、鉄道駅に行くのに迷うことはない。 さっさと地下を歩くと「電車はこちら奥ですよ」という案内板がある。まず迷わないだろう。 こんなところにも両替所がある。 この先が鉄道駅である。手前側がシティライン、奥がエクスプレス乗車口とわかれている。 シティライン駅の改札口の前。MRT駅に似てますが、広さはそれの比ではない。 案内板はたくさんあるので、ちょっとわからなくなったら上を見よう。 このエレベーターを降りるとホームである。 ホームである。あとは電車に乗り込み目的の駅へ。 <マッカサン駅> こちらの駅は唯一、エクスプレスが停車する駅である。やたらだだっ広く、周りには何もない荒野のようで、本当にこれはエアポートリンクの市内中央駅か?と思わせる。これからホテルが出来たりビルが出来たり整備されていくのであろうが、現在は駅ビルだけ荒野にガラ〜ンとそびえ立っているようである。とても寂しく感じる駅である。 いずれはここに各航空会社のチェックインカウンターなども出来て賑やかになるのであろうと思うが。 我々にはMRTペッブリー駅が近いので我々には利用価値のある駅かと思われる。 まずは地下鉄ペッブリー駅からマッカサン駅まで歩いて言ってみよう。 マッカサン駅までは普通に外のでこぼこ道を歩く。踏切まで渡るわ信号渡るわ・・・・・ 重い荷物をゴロゴロ転がして行くのはたいへんである。雨なんか降ったら最悪な状況に。 この駅では、素直にタクシー利用がお勧めかもしれない。 表の悪路を歩いて踏み切り渡って、左の方に駅があるはずだが・・・・・・ とてもすぐそこに駅があるとは思えない。見た感じ、工事中の道路? ここで仮面ライダーとショッカーが戦い出しそうなムードあり。 ちょっと歩いても最新式の駅があるように思えない。 踏み切りを渡って左側を暫く高架に沿って歩いて行くと、駅があると実感出来た。これが駅? 歩く途中、案内板も殆どなくあてずっぽでたどり着いたのであった。 殺風景な駅前には、一応バス乗り場があるようだ。ただ、停車してるのは普通の路線バスのみ。 案内板があるので駅だということがわかる。なけりゃ、この建物はなんだかわからない。 ウルトラ警備隊のポインター基地に思えるエクスプレス乗り場の入り口。 駅の中はガラ〜ンとしてそうだぞ? マッカサン駅であることを再確認(笑) やはり・・・ 駅の中はだだっ広くガラ〜ンとしていた。うん、ウルトラ警備隊の基地しか連想出来ない。 ひとつ良かったのと感動したのは、駅内に綺麗な無料のトイレがあったということ。タイでは珍しい? 反対側にはタクシー乗り場があった。 ペッブリー駅まで歩くにはたいへんなので、これを利用することが多いと思われる。 タクシー乗り場側(北側)は本当に荒野としか思えない。何もない・・・・・ ちなみに、ここからラマ9世駅まで歩いたが、かなり遠いのでやめておこう。 エクスプレスの改札前。何か誰もいないので乗りにくい。 隣のシティラインのほうもガラ〜ンとはしてるものの、もう少し人はいたし賑わいも感じたが、こちらは? エクスプレスのホーム。ここから乗り込むとスワンナプーム駅までノンストップで15分以内で到着。 MRTペッブリー駅からここまで15分はかかりそう。歩きにくい道と時間がかかるのがネックである。 <パヤタイ駅> こちらの駅は、エアポートリンクの終点であり、BTSパヤタイ駅と直結している。それもすぐに滑らかな連絡橋を渡ってBTS駅にたどり着ける。マッカサン駅のように遠くもなく雨にぬれる心配もない。とても便利で利用価値は間違いなくマッカサンよりはるか上。何故にここまでノンストップで快適なエクスプレスをつなげていないのか不思議なくらいである。残念ながらこの駅は、各駅停車の庶民型シティラインしかない。本当に残念でたまらない。 この駅の難点は、タクシー乗り場がないことやバス乗り場がないことくらいであろう。あ、もうひとつあった。駅の改札に向かうのに上りのエスカレーターはあっても下りはなかったようだ。探せばエレベーターはあるかもしれないが(私は探してない)、重い荷物を持って空港から来た場合は注意が必要と思った。 行って見ればわかるが、本当にBTSへの乗り換えは「スムーズ」の一言につきる。 まずはスワンナプーム駅からパヤタイ駅に到着したところからはじめよう。 向こうの奥の改札から出てきた。ホームはこの上である。ホームから改札階までは階段にて。 荷物が軽かったので、階段を降りるのは問題なかったが、重い荷物だったらたいへんだ。 エレベーターはあるはず、どこかにあるはず。探してもどこにあるのかわからない?探してくれ。 改札階の真ん中に切符?売り場とインフォメーションらしきものがある。 反対側にも改札がある。この階は改札と切符売り場の階。ホームはこの上、BTS連絡橋はこの下。 こんな長い階段を降りてBTS連絡橋に。やはり、エレベーターはないような・・・・・・ 反対側も・・・ エスカレーターは登りだけ?各画像を見る限りでも、エレベーターは見当たらない。 改札階から降りてくると、連絡橋の先はBTSパヤタイ駅。もう、すぐ目の前に駅がある。 BTSパヤタイ駅に直結!スクンビット線なので乗り換えなしでナナ、アソーク、プロンポンへ。 BTSパヤタイ駅のホームからエアポートリンク駅を撮影。乗換えがスムーズなのがわかるであろう。
<最後に> 「俺はタクシー派だ、電車なんていちいち料金的にも100B〜150B程度しか違わないのだから乗らない」という方には、エアポートリンクはこんなもんだ、参照程度にして頂ければ良い。「タクシー派ではるが、新しいもの好き」とか「タクシー派だけど、電車もたまにはいいかも」なんて方にはまあ良い特捜であろう。「これから乗ろう」という方は、とても参考になったであろう?たぶん・・・・ その前に・・・ その前にかなりの方がすでに体験済みか? マッカサン駅では、エクスプレスからシティラインに乗り換えるには、わざわざホームを降りて改札抜けて別錬のシティライン専用ホームにまた切符買いなおして乗らなければならない。そんなに頻繁にエアポートリンクは走ってるわけでなく(15分おき?)マッカサン駅で乗り換えるのは現実的ではない。乗り換えはなしで考えると、エクスプレスでマッカサン利用、シティラインでパヤタイ利用にしても、市内のホテルまで空港到着階から1時間くらいはみておかねばなるまい。2往復した私が時間を計ったら、どちらのラインを利用してもそんなもんだった。 では、タクシーで行くとする。空いていればスクンビットなら25分くらいでホテルまで到着することになるだろうか?空いていれば。断然にタクシーが早いし、いちいち荷物ゴロゴロしたり乗り換えたりする必要もなくドアtoドアで楽チンである。ほんの100B〜150B程度の料金差で面倒なエアポートリンクを乗るのもどうなのだろう?そうも思う。 しかし、雨が降ってて空港のタクシースタンドにタクシーがいないとき「取り合えず市内まで行こう」とか、日中や夕方などの道路が渋滞してどうにもならないとき(この場合は逆に電車のほうが早いかもしれない)には、とても利用価値は高いと思った。 さて、皆さんはタクシー派?それともエアポートリンク派? 私はタクシーだと「メーターまともに押さないのが多くて不愉快」「タクシー車内での運転手との密室空間の暗い雰囲気がどうも」という理由もあり、もっともっと便利であれば、断然にエアポートリンク派なのだが、今の段階では、アクセス面でやや難があるエアポートリンクよりタクシーなのだろうか? 「ごちゃごちゃ言ってないでリムジンタクシー利用しろ」そう言われたらどうにもこうにもならないのだが。 隊長 みつお 発行日 2010年12月15日 |