序章 | |||||||
作者:
D
2006年06月04日(日) 15時06分17秒公開
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それは、いつもどおりに店を開き、いつもどおりに愛想よく作り笑いし、金を稼ぐ。 そう、いつもどおりに進んでいた。アイツが来るまでは。 都合のいい夢(序章) 僕の名前は星影夜空。バー『睦月』のオーナーだ。今日も普通に時間が過ぎて退屈に過ぎていく。ボーっとしていれば大体時間も過ぎていき客が来れば少し遅くなる。そんな感じだった。 そんな退屈なある日久々に懐かしい友人が現れた。 カランカラン 「あっ、いらっしゃ・・・なんだ波高か。」 「なんだとはなんだ。なんだとは。」 「だって君、去年分のツケ払わずに一年間雲隠れしてたじゃん。」 「まっ、まだ覚えてたのかよ。」(汗) 「当たり前だろ。まったく、どうせ忘れたと思ってノコノコ出てきたんだろ。 「ギクッ!」 この男は僕の友人の波高。毎回変な発明ばかりする。そのせいかどうかは知らないが金運が全くない。さっきも話した通り去年ツケを残したまま雲隠れしていたが、多分僕が忘れたと思ってきたんだろ。 「まっ、友人のよしみで待ってあげるよ。」 「おおっ!心の友よ!」 「ジャイアン?」 「ひどっ!」 「で?今日は何飲むの?」 「・・・・・・。」 「ん?どうしたの?」 「やっぱ、ツケ払わずに飲むのはなんか悪いわ。」 「今更?」 「うっ!そっ、それはともかくツケの代わりといっちゃあ何だがこいつをやる。」 そういうと波高はジャケットの下から妙な液体の入ったフラスコをだした。 「なにさ?それ?」 指を指して言うと、フフン!っと笑いフラスコをカウンターの上において腕を組み自慢げに 「名づけて!時空移動薬NO.2だ!」 「今すぐ捨てて来い。」 「ひっ!ひでぇ!」 「又君は性懲りも無くそんなもの作ったの?」 「今度のは自信作だ!!」(笑顔+自信満々な顔) 嘘だ!(某ヒロイン風に)絶対嘘だ!2年位前もそんな名前の物作ってきて。飲んでみたらポ○○ョンみたいな味だったし!移動するときも気持ち悪かったし!すぐ隣町に行くはずだったのに北海道までいっちゃったし!帰るの大変だったんだぞ!? 「まーまー、そーいわずっにっ!!」 「むぐっ?!!」 いきなり鼻を塞がれフラスコの先端を口に入れられてしまい飲まざるおえなくなった。 「むがっ!うぶっ!うぶぶむがぁぁぁぁ!!(ちょっ!おまっ!なにしてるんだぁぁぁぁ!!)」 「心配するなっ!今度こそ上手くいくはず!!....タブン」 「むっぶぅぅぅぅ!!むがぶふふう!!(まってぇぇぇぇ!!小声でなんか聞こえたぞ!!)」 (やっ!やばい!!息がそろそろできない!!くそっ!こうなったらやけだっ!!) そう思った僕は意を決してその液体を飲んだ。すると想像していた味と違ってそれは少し甘かった。全部飲んだことを確認してやっと息をさせてもらえた。 「ぷはっ!!」 「ワクワク!」 「はー、はー、わっ、ワクワクっ、すんなっ!」(憤怒) その内僕の体が光りだした。が前の様に気持ち悪くない。 「おおっ?!!ひょっとしてマジで成功ですか?!!」 「ほらみろっ!いったべ!おれいったべ!おれいったべ!おれいったべ!おれい(しつこい) 「所でコレ座標何処に設定したの?」 「心配スンナ!すぐそこの隣町だ!!」 「ということは俺が消えたら ブンッ!! という音を立てて消えた。 「そう、隣町に行ってお前が居たら今度こそ・・・・億万長者だぜ!!」 そういって隣町へと移動を開始した波高。しかし彼らは気づいていなかった。彼らは根本的なところから間違えていたそれは。 残されたフラスコ。貼ってあるラベルがペラリッとはがれその下から出てきたラベルには『危ねーから使用禁止!絶対飲むんじゃネェ!』 それにきずかなかった二人。果たしてどうなるのやら。 |
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