元が転がり込んできてから二ヶ月が過ぎ、クリクリ坊主だった頭は今では随分 髪が伸びていた。 相変わらず職安には熱心に通っていたが、この不況だしキャリアも無いから元の就職先は中々決まらないようだ。 この間、家に帰ると気分転換だと言って晃一が元の伸び始めた髪の毛を染めていた。 毎日嬉しそうに鏡の前で髪の毛をセットしている元を見ていると微笑ましい気持になるので、調子に乗って茶髪にしたくらいは見逃してやろうと思う。 だけどそのヒゲは何なんだ? 毎月少ない貯金の中から生活費を渡してくるし、好きでやってるんだから構わないが就職する気が無くなったのかと年寄臭い心配をしてしまう。 別に元を養うくらいどうって事無いのだが、まだ世間知らずの元がロクデナシの晃一に毒されているようで少しだけ気分が悪い。 「元、お前そのヒゲどうした?」 「はいっ、井原さんが好きって聞いたんで生やしてみたんですけど、変っすか?」 俺が気付いた事がよっぽど嬉しいのか、「変ですか?」と聞く割には満面の笑みを浮かべている。 コイツに尻尾が生えてたら千切れそうに振っていただろうと想像して笑いを噛み殺した。 「いや、変じゃ無いけどね…。」 本人は自覚して無いだろうが、コイツは時々もの凄く誘うような顔をする。 どう見ても今時な若者らしい格好になっている元をからかうように、 手を伸ばして顎を持ち上げると薄いヒゲがキレイに整えられている。 くすぐったそうに逃げる元の肩を抱いて頬をすり寄せて唇を重ねた。 「悪くない。」 「へへっ、もっとイイコトも出来るんっすよ。」 得意下な顔をした元の唇が首筋をなぞると、柔らかいヒゲが触れてくすぐったさに身を引いた。 「動かないで下さいね…。」 そのまま元は俺の服を脱がせて敏感な部分を次々に刺激していく。 「んっ……。」 男にしか出来ない愛撫に少し興奮しながら身を任せた。 日頃、俺や晃一に鍛えられているからだろうか、どちらかと言うと攻める方が好きな俺が、抵抗もせずにされるがままになってしまう程に元の愛撫は上手くなっている。 「……っ。」 口に含んだそれが限界に達しそうに膨らむと、元は苦しそうに唇を離して手を使って強く扱く。 適当な所で上に乗っかって、元の中で終わらせようと思っていたのに油断した。 「…ぁっ……。」 俺は予告も無いままに先週から溜め込んでいた濃いものを元に向かって放出してしまった。 「ぁぁ…ごめん……。」 勢いよく飛び散って白く汚れた元の顔を指で拭って誤魔化すようにヘラヘラと笑った。 「えへへ…気持良かったっすか?」 「うん、まぁ。」 「あ、照れてる。」 元はムっとした俺の頬を面白そうに突ついて喜んでいる。 その憎たらしい表情によく似合っているヒゲも意外と悪く無いもんだと思いながら俺は元を押し倒した。 Top -- Index -- Next === 最近になってやっとペンタブにも馴れ、自分のイメージに近いイラストが描けるようになってきました。 とはいえ、まだまだ目指している所には遠く及ばずなので、デッサンなどもさらに勉強しなければ…。 マイナーなソフトを使って仕上げているので仕様がイマイチ分らないままなのが当面の課題ですが。 |