彼の太陽 4
2005.01.11
=男のプライド(2/2)=

「んぁぁっ…哲也…哲也っ…やぁっ…。」

中を広げているオイルが絡んだ指の音と、友紀が微かに漏らす声が暗い部屋に混ざり合って哲也の中心を熱くさせる。
年下男のプライド…。
どんなに友紀を抱いても、哲也の腕の中で小さく震えている姿を見ても絶対的に埋められない溝に時々切なくなる。
全てを包みたいのに仕事でも収入でも友紀には敵わない。
会社の中では遠くに感じる大人の男が、自分の下で甘い悲鳴を上げている事でしか満たされぬ想いを埋められない。
限界まで硬く勃ち上がったモノを友紀の中に埋め込んだ時、友紀の流す涙に気付いた。

「ごめん友紀っ…痛かった…?」
驚いて入口を塞いでいるモノを抜こうとすると友紀は苦しそうに首を振って哲也にしがみつく。
「ちがっ…んっ気持良過ぎて……おかしくなりそう…。」
友紀の熱が全身を通して哲也に伝わってくる。
仕草ひとつでこんなにも夢中になるなんて自分でも意外だった。
「友紀…俺もおかしくなりそう…。」
「くぅっ……哲也っ…だめ……だめぇっ…。」
熱にうなされるように腰を動かしながら唇で涙を拭うと、腹に擦れる小さなモノからビクビクと白濁した液体が噴き出した。
哲也を包む熱くなった壁が痙攣して中心を締め付ける。

突き上げる度に友紀の瞳から涙が溢れ、哲也の背中にしがみ付いた指先が爪を立てる。
激しくぶつかる腰の音が友紀のかすれた声に掻き消されていく。
乱暴に中を掻き回すと友紀は二度目の絶頂を迎え、飛び散った液体は哲也の顔を汚した。
徐々に目が暗闇に慣れてくると、眉間に皺を寄せ口を開いて唸る友紀の表情に興奮して狂ったように腰ぶつける。

「んっ…友紀…出るよ……。」
込み上げる快楽が中心に集まって中に入れたモノが重たくなっていく。
先端へと向かう情熱は制御出来ない程に育っていった。

「ぁっ…ぁぁっ…出るっ…。」

堪えきれずに哲也が中に放つと友紀は訳の分らない叫び声を上げて気を失った。


真っ白な静寂の後、二人の荒い呼吸が部屋中を満たした。
言葉も無いままお互いの体温を分け合うように抱き合っていると徐々に意識が戻ってくる。
「友紀、ごめんな旅行に行けなくて…。」
自分の所為で旅行に行けず、友紀の機嫌が悪かった事に気付いていた。
もっと素直に自分の気持を友紀に打ち明けられていたら、友紀は笑って許してくれた筈なのに上手く言えずに友紀を怒らせた。

「俺も大人気無かったし…ごめん。」
哲也の髪を撫でると友紀は悪戯が見つかった子供のようにクシャっと笑う。
友紀に惚れたきっかけとなったこの笑顔に、熱くなった哲也は痛がるくらいに力強く抱き締めて友紀の頭に何度もキスを繰り返した。
「いてぇよ、哲也っ。」
「許してくれた?」
くすぐったそうに身体をくねらせてる友紀を羽交い締めにして哲也はクスクスと笑った。
二人でふざけ合っていると忘れていた空腹感が蘇って哲也の腹が鳴る。
「友紀もう許してよ、腹減ったから。」
降参したように抱き締めた手を離すと今度は友紀が哲也の上に乗って嬉しそうに笑う。


「駄目、もう一回。」
「えっ?」
「そしたら許してやるよ。」
友紀の舌が哲也の唇を割って入ってくると、精液とオイルでベタベタになった股間に指が絡まった。
「んっ…友紀……俺もう…。」
自分よりも多く出してる筈なのに……。
友紀は言葉とは裏腹に硬くなりはじめた哲也の股間を楽しそうに撫でている。
若さでしか友紀に勝てないと思っていたが、それすらも危うくなり哲也は空腹に悲鳴を上げている胃を抑えて再び友紀を押し倒した。


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今回はそれぞれの視点で『男のプライド』をテーマにページ毎に友紀、哲也と視点を入れ替えてみました。
サブタイトルは毎回とても悩むんですが、今回はすんなり決まってお気に入りのサブタイトルです。
それにしても友紀は回を追う毎に子供っぽくなってる気が…。
28歳なのに連続で3回もするなんて元気なお兄さん。