FF8の真実(シナリオ編)

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 経験不足

ゲーム序盤、サイファーはスコールにこんなことを言う。
サイファー「お前、本物の戦場ははじめてだろ? 怖いか?」
スコール「…わからない。でも、考えると怖くなりそうだ」
(Disc1序盤-SeeD実地試験中の会話より引用)
ところが、はじめての戦場とは思えないほどの勢いでスコールはガルバディア軍を蹴散らしていく。その後もスコールたちの活躍は続き、ついには世界を救う。

このスコールたちの信じられない活躍の裏にあるものはG.F.だ。
  •  頑張ってレベル100まで育ててもHPは約4000。
  •  レベル10でもアルテマを集めてHPに装着すれば約6500。
  •  強くなりたいなら、レベル上げよりも魔法集めのほうが有効。
魔法を集めるだけで、人間の努力を超えた力が手に入ってしまうG.F.。スコールたちの強さはそのG.F.に依存したものであり、自らもそのことを自覚している。
スコール「戦い続けるかぎり、G.F.が与えてくれる力は必要だ。その代わりに何かを差し出せというなら、俺は構わない」
だが、G.F.のお陰で強化できるのは戦闘力だけだ。“こころ”まで強化できる訳ではない。
ゼル・放送局でうっかり自分たちの所属をばらしてしまう。 
アーヴァイン・イデアを撃てない。 
キスティス・リノアの姿を見てついカッとなってしまう。
・勝手に持ち場を離れてしまい、あやうく作戦が失敗しかける。 
リノア・いい加減な作戦を立ててスコールたちに怒られる。
・一人でイデアのもとに乗り込み返り討ちにあう。
・一人で勝手な行動をした隙を突かれてサイファーにさらわれる。
つい数日前まで訓練生にすぎなかったゼルやアーヴァイン、教員資格を剥奪されて自信を失ってしまっているキスティス、スコールたちと共に行動するまで普通の少女だったリノアは、いざというときに適切な判断力を発揮できず、それぞれ致命的な失敗を冒している。幸いスコールはそのような失敗を冒さなかったが、
スコール(今は1人で大丈夫。生きていく手段も身につけている。もう子供じゃないから何でも知っている…。ウソだ。俺はなにも知らなくて混乱してる。誰にも頼らず生きていきたい。それにはどうしたらいいんだ? 教えてくれ…誰か教えてくれ。誰か? 結局…俺も誰かに頼るのか?)
(Disc2中盤-ガーデン漂流中のワンシーンより引用)
ぎりぎり一歩寸前まで追い詰められていた。あのままの心理状態が続いていたら、重圧に耐えられず精神的にダメになっていたかもしれない。

FF8の物語を味わううえで有益な1番最初のキーワードは、

世界最強の軍人であると同時に年相応の少年少女にすぎないという二面性

主人公たちの性格的な欠陥がそのままFF8の物語の特徴といってよいだろう。まだ精神面でムラのある少年少女が力を合わせて大きな困難をなんとか乗り越える。それがFF8だ。

 リノア 

リノアは面白いキャラクターだ。「はぐはぐ」や「好きにな〜る」などの彼女特有の発言も面白いが、それ以上に彼女の位置付けが物語的に面白い。

リノア以外の仲間たちは、兵士としての訓練をもう何年も受けている(キスティスで8年、スコールに至っては12年)。それに対してリノアは、そのような特別な訓練は何も受けていない。そんな彼女が、いつの間にか、スコールたちガーデン生と一緒に行動しはじめる。
(より引用)
もちろん、兵士としての訓練を積んだことのないリノアが、スコールたちの真似事をするには限度がある。
リノア「私、みんなと一緒にいてときどき感じることがあるんだ。あ、今、私たちの呼吸のテンポが合っている…そう感じることがあるの。でもね、戦いが始まると違うんだ。みんなのテンポがどんどん速くなっていく。私は置いて行かれて、なんとか追いつこうとして、でもやっぱり駄目で…」|(Disc2終盤-トラビアガーデンの幼馴染イベントより引用)
(より引用)
みんなに追いつきたいけど追いつけないと弱音を吐くリノア。そんなリノアに対し、今まで共に戦ってきた仲間たちはどのような反応を示したのか。
アーヴァイン「分かるよ、リノア」|(Disc2-トラビアガーデンでの幼馴染イベントより引用)
リノアに最初に声を掛けたのは、5人のガーデン生の中で唯一SeeDではない、魔女暗殺作戦や収容所でみんなに情けない姿を見せてしまったアーヴァインだった。
アーヴァイン「誰かいなくなるかもしれない。好きな相手が自分の前から消えるかもしれない。そう考えながら暮らすのってツライんだよね〜。…だから僕は戦うんだ」
ガーデン生だからスコールたちの気持ちも分かるし、スコールたちほど意志が強くないからリノアの気持ちも分かる。そんなアーヴァインがリノアを励ますために語りはじめたこととは……。


FF8をSeeDの活躍物語として見た場合、リノアとアーヴァインには存在理由がない。だが実際のFF8は、ヒーローたちの活躍に胸躍らせる物語ではなく、子供と大人の狭間で揺れる少年少女の紆余曲折を描いた物語だ。その象徴ともいえる、この2人を受け入れられるかどうかでFF8全体の印象はずいぶん変わってくるだろうね。

 愛

製作スタッフの発言によるとFF8のテーマは『愛』だという。
  •  FFの前提であるバトル中心主義
  •  FF8のテーマである『愛』
一見すると水と油なこの2つの要素をFF8は“愛するものを守るために戦う”という形でまとめた。
「私がアルティミシアに操られて暴れたら…。SeeDは、私を倒しに来るでしょ? SeeDのリーダーはスコール…。そして…。そしてスコールの剣が私の胸を…。でも、スコールならいいかな。スコール以外ならやだな。ね、スコール、もし、そうなった時は…」
「やめろ! 俺はそんなことしない。俺が倒す魔女はリノアじゃない。リノアを怯えさせる魔女アルティミシアだ」
スコールは世界の平和のためにアルティミシアを倒そうとしたわけではない。リノアを守るたいからアルティミシアと戦ったのだ。

ただし、この“愛する人を守る”という構図は、スコールとリノア特有のものではない。直接的なバトルをしたわけではないが、
イデアは大事な子供たちを守るために魔女の力を継承し、
エルオーネを守るために大きな犠牲を払った。

また、18年前のエスタは魔女アデルに支配された恐怖の国だったが、
ラグナは実の娘のように愛しいエルオーネを救うため、臆することなくエスタへと向かう。
彼がエルオーネを助けたあとウィンヒルに戻らず、アデルを倒す作戦に参加したのは、エスタの人々を見捨てておけないという義侠心と、エルオーネを再び誘拐されないようにという2つの気持ちからだった。

さらに、ゲームの進めかたによっては、
アーヴァインのこんな台詞を読むこともできる。

要するにFF8で描かれている『愛』はスコールとリノアのエピソードだけじゃないのだ。愛する人を守るため、恐怖に臆することなく魔女に立ち向かった人々の物語。それがFF8だと言えるだろう。

 魔女の騎士

イデアは言う。
イデア「騎士がいない魔女は多くの場合、力を悪しき道のために使ってしまうのです」
これは一体どういうことだろう?
イデア「あのね、リノア。魔女でいることの不安を取り除いてくれる方法を教えましょう。それは…魔女の騎士を見つけることです。いつでも貴方のそばにいて、あなたを守ってくれる騎士」
イデア「騎士はあなたに安らぎを与えます。あなたの心を守ります。だからリノア。あなたの心の騎士を見つけなさい」
魔女は強大な魔法の力を持っている。自分の身を守るだけならば他人の力を借りる必要はない。だが、魔女の精神的な強さは普通の人間と変わらない。
  •  正体がばれたら今までとおりの生活を送れないという不安
  •  他人に相談できない孤独
こういった気持ちが魔女の心を蝕んでいく。そんなとき、魔女になってしまった女性をしっかりと受け止め、不安や孤独を取り除いてくれるのが“魔女の騎士”なのだ。

 スコールがリノアに はまっていく過程

幼い頃のスコールは甘えん坊だった。
(より引用)
だが、
(より引用)
親代わりだったエルオーネの突然の失踪でスコールは変わってしまう。
(より引用)
一人で生きたいと願うスコール。
(より引用)
だが、数日前まで候補生にすぎなかった17歳の少年には荷が重すぎた。藁にも縋りたい心境のスコール。そんな、精神的にダメダメになっていくスコールに手を差し伸べる人間がいた。
(より引用)
でも、スコールはリノアの好意を素直に受け取れない。ここで他人に甘えれば楽になれる。でも、またいつか、エルオーネのときのように、つらい別れを味合わなければならないのではないか。過去のトラウマがスコールに二の足を踏ませた。
(より引用)
そんなスコールの不安を取り除いたのがアーヴァインだ。
(より引用)
アーヴァインは自分の戦う動機を語ったにすぎない。だが、それはスコールにとっても、とても参考になるものだった。
(より引用)
つらい別れが嫌だったら戦えばいい。いま手元にある力を、一人で生きていくためではなく、仲間を護るために使えばいい。だから、他人と親しくなることに不安を感じる必要はない。アーヴァインの言葉がきっかけで、スコールはようやくエルオーネ失踪のトラウマから脱出することができた。スコールの中で他人の好意を受け入れる準備が整ったわけだ。

 スコールが抱えるトラウマ

Disc3でリノアを失ったスコールは激しく取り乱す。
このとき、スコールの胸の中にあった感情はなんだろう? リノアへの大きな愛情? もちろん、それもある。だが、それ以上に大きいのはエルオーネ失踪のトラウマだ。
もともと、スコールは親しい人を失うのがイヤで、12年間、誰にも気を許さなかったのである。しかし、アーヴァインに感化される形で、
ところが、それから大して時間の経たないうちに、
いきなり仲間が大きな危機に陥った。このまま彼女の意識が戻らなかったら、スコールは12年前エルオーネ失踪で味わった悲しみを再び味わうことになるのだ。

要するにスコールがディスク3で激しく取り乱したのは、
  •  リノアに対する想いの強さ
  •  エルオーネ失踪のときに味わった悲しみをもう1度味わいたくないという必死さ
  •  仲間を守るために戦うと決意したのに仲間を守れなかったことに対するショック
こういう様々な感情が一気に爆発した結果だ。

ディスク3でスコールが起こす数々の常軌を逸した行動は、人生の半分以上を孤独に怯えながら生きていたという、普通の人間ではまず味わえない特殊な境遇に起因するものだ。

 リノアがスコールに はまっていく過程 

幼い頃のリノアはスコール同様、甘えん坊だった。
(より引用)
だが、
(より引用)
母親は死に、父親とは喧嘩中。それでも普段は元気でやっていた彼女だが、
(より引用)
シュメルケに襲われたリノアは恐怖のあまり激しく気が動転してしまう。彼女が今まで平然と戦えたのは、
(より引用)
戦闘のプロが近くにいるという安心感とG.F.による戦闘力の強化のお陰であり、一人ではシュメルケのような下等な魔物にすら満足に立ち向かえないことを、リノアは直接体験したのである。
そんなリノアに、スコールが声を掛ける。
(より引用)
スコールは傭兵としての責任感からそのような発言をしただけだ。そのことは当然リノアも分かっている。だが、それでもリノアは嬉しかった。スコールが一緒にいれば魔物なんて怖くない。
(より引用)
その後、紆余曲折を経てスコールとリノアの仲はどんどん近くなっていく。
(より引用)
リノアはスコールの容姿に惚れたわけじゃない。彼の容姿に好感を抱いていたのは確かだが、決定打になったのは、スコールと一緒にいてくれれば不安や心配に耐えることができるということだ。リノアがスコールに抱いている特別な感情がそのまま魔女の騎士の定義にぴったり当てはまるわけだ。スコールの存在がリノアの勇気の源、と表現するとかっこいいかもしれない。

 スコールとリノアの関係のまとめ

このように、スコールもリノアも、両親との関係の欠損が出発点になっている。
  •  スコールにとってリノアは、エルオーネに代わって自分と一緒にいてくれる人。 
  •  リノアにとってスコールは、カーウェイに代わって安心を与えてくれる人。 
スコールもリノアも、相手の存在なしでは現状を維持できないというのが面白い。スコールはリノアを失うとエルオーネが失踪してショックを受けていた頃に逆戻りだし、リノアはスコールがいないと怖くてモンスターと戦えない。要するに互いに心の支えになっているわけだ。

FF8のメインストーリーは、
  •  スコールもリノアも両親との縁が薄い
  •  スコールがエルオーネ失踪のトラウマを12年間抱えていた
  •  魔女と魔女の騎士の設定
  •  17歳という、もう子供ではないが、かといって大人とも言えない年齢
こういった要素が全て密接に繋がっている。

 スコールとリノアを支える仲間たち

※あとで書く

 ハインの末裔 

魔女とは一体なんなのか。
(より引用)
(より引用)
では、ハインとは一体なんなのか。
(より引用)
(より引用)
この神話は興味深い示唆を色々と与えてくれる。

まず、ハインが人類の敵として描かれている点。魔女は、人類の敵であるハインの末裔あるいは後継者だと信じられていたというのだから、魔女迫害のきっかけは、
×圧倒的な魔女の力に対する危惧 
魔女が人類への復讐を企んでいるのではないかという不安 
人々は魔女を怖れ迫害する。迫害された魔女は人類に恨みを抱き悪事を企む。魔女があばれたせいで人々の偏見はますます強まる…。悪循環が何百年と続き、何時の間にか、人々の魔女への不信感と魔女の人々への憎しみだけが残ったわけか。

次に、ハインが創造主(神さま)として描かれている点。魔女の力がイコール神の力なのであれば、世界の法則を好き勝手に捻じ曲げることだって不可能ではないだろう。時間圧縮という大技にハイン神話というバックホーンで説得力を持たせようという試みが面白い。まさにファイナル“ファンタジー”だね。FF8は“もしも科学の発達した世界に神さまがいたら”という話だと解釈することもできそう。

続いて、人間は子供を護るためにハインに反旗を翻したというエピソード。
FF8では、
  •  リノアを守ろうとするカーウェイ。 
  •  エルオーネを救うためにエスタに乗り込んだラグナ。 
  •  孤児を護るために自らの意志で魔女の力を継承したイデア。 
子供を守ろうとする大人たちの姿が幾度となく描かれているが、その描写に厚みを与えてくれるのがハイン神話だ。FF8世界の人類の歴史は子供を護るための戦いから始まっている。大人が子供を護り、子供はやがて大人になり、かつて子供だった大人がまた子供を護る。そういう愛情の連鎖が神話の時代から現代に至るまで続いているわけだ。

最後に、ハインには仲間も友人もいない点。ハインは人知を超えた特殊な存在なので孤独を苦痛に感じなかったかもしれないが、人間はそうではない。ハインの力を継承した魔女は、周囲の偏見や迫害を受けて、どんどん精神的に壊れていく。
FF8において、魔女は、世界の法則さえも好き勝手にいじることができる万能の存在として描かれているが、そんな万能の存在にとって唯一にして最大の脅威が“孤独”だったというわけだ。仲間も友人も必要としないハインの力を、仲間や友人を必要とする人間が継承してしまうことの悲劇とも言えるだろうね。

 子供から大人へ

製作スタッフによればFF8のテーマは“愛”だが、実はFF8には、もう1つ大事なキーワードがある。それは、

※構想中

 メインシナリオのまとめ

※傭兵、子供、魔女、愛など。
※傭兵は大した要素ではない。一方、他の3要素は密接に絡み合っている。





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