FF8の真実(システム編)※草案3

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 ドローの真相

FF8のシステムの不満としてよく挙げられるのがドローだ。
  •  ドローは戦闘中に何回も使えるのが便利。
  •  だけど魔法を集めるのに時間が掛かって面倒。
なぜ、ドローは痒いところに手の届かない仕様になっているのか?

答えは簡単だ。
  •  FF8には魔法を手に入れるためのアビリティが11種類も存在する。
  •  ドローはその中でも一番最初に覚える初期アビリティにすぎない。
  •  初期アビリティだから大した性能じゃない。
魔法集めの効率を上げたいなら、APを溜めて新たなアビリティを覚えよう。

例えば、ディアボロス(Disc1)のST魔法精製(30AP)を使えば、市販アイテムを魔法に変えることができる。
毒消しバイオ
目薬ブライン2個
山彦草サイレス2個
金の針ブレイク3個
お店に行けば好きなだけ補充できるので、これらの魔法はドローする必要がないのだ。

また、セイレーン(Disc1)の生命魔法精製(30AP)を使えば、
聖水ゾンビー2個
テントケアルガ10個
なんと、シリーズお馴染みのテントからケアルガを作れる! 実質的に回復魔法使い放題なうえに、ジャンクションすれば最大HP+2200。笑いが止まらない。

他にも、
  1.  ティンバーのペットショップで魔法の書を購入。
  2.  セイレーン(Disc1)の道具精製(30AP)で魔法の書→魔導石10個
  3.  イフリート(Disc1)の炎魔法精製(30AP)で魔導石10個→ファイガ50個
複数のアビリティを組み合わせれば、Disc1のあいだにファイガやブリザガなどの攻撃魔法を入手することもできる。

ここで挙げたのは一例にすぎない。新しいアビリティを覚えるほど魔法集めが快適になっていく。

 レベルシステムの実態

FF8はこちらのレベルに合わせて敵のレベルも上がるシステムを採用している。
  •  こちらの平均レベルが10ならば敵のレベルは8或いは12。
  •  こちらの平均レベルが20ならば敵のレベルは16或いは24。
だからといって「FF8ではレベルを上げる意味がない」と考えるのは早計だ。
  •  レベルが高くなると変わるのは敵の強さだけじゃない。
  •  レベルが高くなるとドローできる魔法や戦利品も変わる。
例えば、
ケダチクレベル1〜19蜘蛛の糸×1(→スロウ20個の材料)
レベル20〜29蜘蛛の糸×2(→スロウ40個の材料)
レベル30〜100蜘蛛の糸×4(→スロウ80個の材料)
レベルが上がれば魔法の材料を豪快に入手できる。つまり、
低レベル敵が弱いコース
高レベル魔法集めが楽なコース
FF8のレベルはプレイヤーの好みをゲームに反映させるための要素だと解釈すると理解し易い。

低レベルと高レベル。どちらを選ぶのもプレイヤーの自由だが、どうやら「有利か不利か」よりも「楽しいかどうか」で判断したほうが満足できる結果に繋がるようだ。
  •  モンスターを瞬殺するのが楽しいか? それなりの歯応えがほしいか?
  •  時間を掛けて魔法を集めるのが楽しいか? 豪快に集めるのが楽しいか?
  •  アイテム集めには興味がない? 色々なアイテムを集めてみたい?
例えば、
  •  豪快な成長
  •  爽快な収集
  •  戦闘での歯応え
こういうRPGのなつかしい楽しさに価値を見出すプレイヤーは高レベルで遊んだほうが幸せになれる。

 エンカウントバトルの位置付け

FF8にはエンカウントバトルを回避する方法がたくさんある。
  •  レンタカー
  •  列車
  •  道路
  •  エンカウント半減
  •  エンカウントなし
だからといって、エンカウントバトルを完全回避してしまうのは勿体ない。

FF8のエンカウントバトルは魔法やアイテムの宝庫だからだ。
  •  ドローすれば魔法が手に入る。
  •  倒せば戦利品が手に入る。
  •  ぶんどれば盗品が手に入る。
  •  弱ったところで『カード』コマンドを使えばカードが手に入る。
こういう通常モンスターがもたらしてくれる利益を逃すのはもったいない。

FF8で重要なのはエンカウントのコントロールだ。
  •  新しく訪れた場所では「エンカウントなし」を外して、どんな敵が出現するのか調べる。
  •  ひととおり調べたら「エンカウントなし」を装着し快適に前進。
  •  暫くして、以前戦った敵の魔法や戦利品が必要になったら戻って収集。
大まかな方針をまとめると、
従来敵が襲ってくる
FF8欲しいものがあるときにこちらから襲う
FF8は主人公と通常モンスターの立場が逆転したゲームだったりする。

 ジャンクション制の本質

一般的なRPGではキャラクターを強くするには敵をたくさん倒すのが常識だが、FF8の場合、
  •  トルネドをHPに装着するだけでHP+3000
  •  アレイズをHPに装着するだけでHP+4800
  •  参考までにレベル100スコールのHPは4187
FF8では強い魔法を手に入れればレベル100に匹敵、或いはそれ以上の強さが手に入る。

そのうえ、
  •  アレイズをドローできるボスを見つけてドローする。
  •  アレイズの材料を落とすモンスターを見つけて狩りまくる。
  •  アレイズのドローポイントを発見してドローする。
  •  市販アイテムを精製してアレイズを作り出す。
  •  カードを集めてアレイズの材料に変化させる。
FF8では1つの魔法を入手する方法が複数用意されている。

ジャンクションは成長のバリエーションを増やすためのシステムだと考えてかまわない。
  •  高レベルで進みたいプレイヤーはモンスターを倒して経験値と一緒に材料を集めればいい。
  •  低レベルで進みたいプレイヤーは『ぶんどる→逃げる』で材料だけ奪えばいい。
  •  『エンカウントなし』で通常戦闘を完全回避したいプレイヤーはボスからドローすればいい。
  •  カードゲームが好きなプレイヤーはカードを集めまくってアレイズを作り出してもいい。
  •  探索が好きなプレイヤーは世界のどこかにある上位魔法ドローし放題の島を探すのも面白い。
  •  お金がたくさんあれば市販アイテムを精製してアレイズを作り出してもいい。
筆者はバトル好きなので1番上の方法を愛用しているが、プレイヤーが望むなら他の手段でアレイズを集めてもいいわけだ。

 アビリティの習得で違う世界が見えてくる

今まで大したことがないと思っていたものが、アビリティの習得で一気に重要性が増してくる……そんなパターンがFF8には多い。

例えば、序盤によく遭遇するグヘイスアイ(レベル1〜19)の場合、
グヘイスアイの戦利品主に魔石のかけらが手に入る 
グヘイスアイの盗品主に吸血の牙南極の風が手に入る 
普通に倒した場合はあまり旨味のないモンスターだが、『ぶんどる』を覚えたあとは貴重な吸血の牙(ドレインの材料になる)を手軽に奪える相手として重宝する。

また、シリーズお馴染みのハイポーションは『薬レベルアップ』というアビリティで、
ハイポーション1個500ギル。
ハイポーション改ハイポーション3個を薬レベルアップ。実質1500ギル。
エクスポーションハイポーション改3個を薬レベルアップ。実質4500ギル。
なんとHPを完全回復させるエクスポーションの材料になってしまう。

FF8の通常攻撃は特殊技の影に隠れがちだが、『ST攻撃J』というアビリティを覚えると、
  •  ST攻撃Jデスで即死攻撃が使い放題。対雑魚戦で鬼のような威力を発揮する。
  •  ST攻撃Jドレインを付ければ攻防一体の技になる。バーサク状態にすれば完璧。
普通にST魔法を唱えた場合と異なり、魔法が減らないので、とても使い易い。

そういう意外性がFF8の楽しみの1つだったりする。

 参加自由の要素

FF8はシナリオは一本道だが、システムは寄り道を推奨している。というのも、
  •  新たなG.F.を手に入れれば新たなアビリティを覚えられる。
  •  強い魔法を手に入れれば能力値が上昇。
ジャンクション制ではG.F.や魔法を集めることが戦力アップの王道だからだ。例えば、
某森すごく使い勝手のいい魔法の材料を落とすモンスターが頻繁に出現する。
某丘陵序盤では手に入りにくいドレインやヘイストといった補助魔法の宝庫。
某村最強魔法アルテマのドローポイントあり。時間さえ掛ければ誰でも最強になれる。
某遺跡トリプル入手の絶好のチャンス。トリプルは時空魔法最高のジャンクション性能。
某島上位魔法のドローポイントが密集。敵はとても強いが訪れる価値あり。
某調査島ちから+60%、魔力+60%といった最強アビリティが手に入るチャンス。
また、そういうあからさまな寄り道以外にも、
ディアボロスG.F.。プレイヤーが望めばいつでも戦える。勝てなければ後回しにしてもいい。
アルケオダイノス倒す必要は全くないが、頑張って倒せばクエイクの材料が手に入る。
こういう変則的なパターンも存在する。

 攻撃力の真相

一見矛盾するFF8に対する2つの感想。
  •  「FF8はレベル100になっても通常攻撃で500ダメージぐらいしか与えられない。弱すぎ」
  •  「FF8はたったレベル10でも通常攻撃で8000ダメージも与えられる。強い」
実はどちらも嘘じゃない。

FF8は攻撃手段の育てかたが違う。
物理攻撃ちからが高いほど強い。強い魔法の収集でパワーアップ
魔法攻撃魔力が高いほど強い。
召喚魔法レベルが高いほど強い。経験値稼ぎでパワーアップ

 攻撃手段について

FF8は2つのコースを用意してプレイヤーにどちらかを選択させるのが好きだ。前述の『低レベル』『高レベル』の選択のほかにも、
召喚魔法安全だけど小回りが効かない。
特殊技リスクは大きいけど破壊力が抜群。
こんな2択がある。

召喚魔法は安全重視のコマンド。
  •  発動準備中はダメージを肩代わりしてくれる。
  •  G.F.のHPが残っているかぎりは何回でも使える。
  •  そのうえG.F.のHPは走れば少しずつ回復していく。
はっきり言って召喚魔法を連発していれば全滅の危険性は殆どない。その代わり、
  •  ダメージ効率が悪い(レベル100で6000〜20000以上)。
  •  演出に時間が掛かる。
  •  威力がレベル依存なので低レベルコースでは使い物にならない。
  •  終盤のボスは召喚魔法への対抗手段を持っているので工夫が必要。
このような欠点がある。

特殊技はハイリスク&ハイリターンのコマンド。
  •  ピンチにならないと使えない。特殊技メインで戦う場合はピンチを維持しないといけない。
  •  その代わりダメージ効率が圧倒的(ちから255の連続剣で32000〜64000以上)。
特殊技メインの戦闘は召喚メインの戦闘に比べて遥かに過激なものになる。
  •  敵は1ターンにどれぐらいのダメージを与えてくるか?
  •  どれぐらいのHPを保てば全滅しない程度に特殊技を発動できるか?
  •  仲間がHP0になったとき、レイズ→特殊技を狙うか、一旦アレイズで完全回復させるか?
  •  仲間が傷ついたとき、ケアルで少しだけ回復させるか、ケアルガで一気に回復させるか?
ちなみに、特殊技メインで戦う場合、召喚魔法は特殊技スロットでの時間稼ぎに威力を発揮する。

召喚と特殊技のどちらを選ぶのもプレイヤーの自由だ。筆者はスピード感あふれるバトルが好きなので特殊技を愛用しているが、プレイヤーが望むならば応援しながら召喚魔法を活用するのも一興。レベルの項での説明の繰り返しになるが「有利か不利か」で選ぶよりも「楽しいかどうか」で選ぶといい。昔のFFは「攻略するもの」だったけど、今のFFは「楽しむもの」になっているからね。

 FF8の個性

FF8の個性は人によって長所にも短所にもなる。

例えば、
  •  FF8ではモンスターを倒してもお金はもらえない。
  •  その代わり戦利品の入手率が大幅に上がっている。
そのため、
従来モンスターを倒す→お金を溜める→アイテムを買う
FF8モンスターを倒す→アイテムを直接もらう
この両者を比較すると、
  •  従来のシステムでは最も効率よくお金を稼げる相手を見つけて繰り返し倒すのがベスト。
  •  FF8のシステムでは『ケダチクを倒して蜘蛛の糸を集めたら、次はアルケオダイノスから恐竜の骨を集めて、その次は…』という風に色々なモンスターと戦っていくのがベスト。
方向性がぜんぜん違う。色々なモンスターと戦いたいプレイヤーにとってはFF8のほうが楽しいし、繰り返し作業に充実感を感じるプレイヤーにとっては従来のほうが楽しいだろう。

また、成長システムだが、
  •  FF8ではキャラクターを鍛えるためにレベルを上げる必要がない。
  •  ボスからドローしてもいいし、雑魚から『ぶんどる→逃げる』でもいいし、カードでもいい。
そのため、
  •  戦闘の繰り返しに興味がないプレイヤーには、FF8は戦闘を繰り返さなくていいゲーム。
  •  強敵と戦いたいプレイヤーには、敵も成長するFF8は刺激的なゲーム。
その代わり、「キャラクターの強化は経験値稼ぎじゃなきゃ嫌だ」というこだわりのあるプレイヤーにはつらい。

装備の概念が廃止されて、新たにジャンクションがサポートされたことにしても、
  •  装備制では難しかった『HPの大幅アップ』が可能になった。FF5は1.6倍、FF6は2.25倍、FF7は2倍が限度だったが、FF8では5倍も10倍もHPを増やせる。
  •  魔法は誰でも装備できるので『控えのキャラクターの装備を集めていないので、控えのキャラクターの出番がますます無くなる』という悲劇を防げる。
その代わり、武器や防具が好きだったプレイヤーには物足りないだろう。

とりあえず、
  •  昔ながらのRPGのスタイルにこだわるならFF8はやらないほうがいい。
  •  昔ながらのRPGのスタイルにこだわらないならFF8を遊んでみるのも一興。
こんなところかな。



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