アーヴァインは記憶障害に陥っていない。だから、
ママ先生のことを覚えている。そのことを踏まえて彼の台詞を思い出すのも面白い。
アーヴァイン「あのさ…。SeeDは任務に関して『なぜ』って質問しないって本当か?」
スコール(知りたくなるときだってある。例えば…今がそうだ。でも…)「知ってどうする?」
アーヴァイン「例えばさ、敵がすっげぇ悪い奴だと分かれば、バトルにも弾みがつくだろ?」
アーヴァインは必死に
イデアと
戦う理由を探していた。兵士としての責務と私情のあいだで揺れ動く
アーヴァインの心。彼の気持ちは
Disc2終盤まで揺れ続ける。
F.H.で
アーヴァインは言う。
アーヴァイン「セルフィが落ち込んでいるんだよね〜。あんた、みんなのリーダーだから、勇気づけてやるのも役目のうちだろ? そういうの苦手そうだからさー。僕が力を貸しましょーってわけ」
素直に、
セルフィを勇気づけたいから
力を貸してくれと言えないところが、いかにも
アーヴァインらしい。
セルフィ「落ち込んでても、しっかたないか〜」
アーヴァイン「そうだぜ、セルフィ。楽しいことしようぜ〜」
セルフィ「楽しいこと? なになに?」
アーヴァイン(がんばれ、僕)「彼らに頼もうよ、F.H.の人たちに。彼らがガーデンを直してるだろ? だったら、これぐらいのステージ直すぐらい朝飯前だろ?」
セルフィ「そうかな? やってくれるかな〜?」
アーヴァイン「心配するなって。彼らを説得するのに、俺も力になってやるよ」
アーヴァインの一人称に注目してみよう。普段は“僕”なのに、好きな人の前では“俺”。彼なりの強がりが垣間見れて面白い。
F.H.の
アーヴァイン単独行動時、部外者である
アーヴァインが
スコールたちと行動を共にする本音を語る。
「あんたがそれっぽくないから聞くんだが…何故あんなのとつるんでんだ?」
アーヴァイン「あんなの?」
「バトル野郎さ」
アーヴァイン「狙撃手は一人ぼっちなんだ…。その瞬間のプレッシャー。その瞬間の緊張感…。それに耐えなくちゃならない。『あんなの』は、そこから助けてくれる。それって仲間って呼ばない?」
「あんたもバトル野郎か…」
アーヴァイン「そうかもね〜。でも…あんたは何野郎なんだい?」
アーヴァインが
戦う動機は2つある。1つは愛しの
セルフィ。もう1つは素晴らしい
仲間たち。
アーヴァインは、
ちょうど、
スコールたち
SeeDと
リノアの中間に位置するキャラクターだ。そんな彼が両者の架け橋になってくれる。
リノア「…怖くなった、かな。私、みんなと一緒にいてときどき感じることがあるんだ。あ、今、私たちの呼吸のテンポが合っている…そう感じることがあるの。でもね、戦いが始まると違うんだ。みんなのテンポがどんどん速くなっていく。私は置いて行かれて、なんとか追いつこうとして、でもやっぱり駄目で…。(中略) みんな無事だろうか。みんな笑顔で迎えてくれるだろうか。…みんな倒れていないだろうか。みんな一緒に帰れるだろうか。そう考えると…」
アーヴァイン「分かるよ、リノア。誰かいなくなるかもしれない。好きな相手が自分の前から消えるかもしれない。そう考えながら暮らすのってツライんだよね〜。…だから僕は戦うんだ」
※Disc2-トラビアガーデンでの幼馴染イベント
アーヴァインは言う。
アーヴァイン「僕が言いたいのは、こういうこと。(中略) もう黙って離れ離れにされるのは嫌だから…。だから僕は戦う。少しでも長く一緒にいるために。それが僕にできる精一杯のことだから」
ゼル「俺もだぜ! 戦うぜ! 脅えて隠れるなんて嫌だからな!」
一見きれいにまとまっているけど…、
スコール「キスティス、ゼル、セルフィ! ブリッジに集合してくれ!」
(中略)
アーヴァイン「おいおいおい! なんで僕は呼ばれないんだ〜?」
アーヴァイン「僕だって仲間だろ?」
スコール「ああ、悪かった」
アーヴァイン「頼むよ〜、もう」
きっちりオチがついてるところが、なんというかもう。
なぜ、
アーヴァインは狙撃手になったのだろう?
アーヴァイン「ここ、ゼルの部屋なのか。ま、男の部屋なんか入れても、嬉しくともなんともないけど〜」
アーヴァイン「…っと! なんだなんだ!? ずいぶん旧式の銃が飾ってあるじゃん!」
ゼル「それはオレのじいちゃんのだぜ! 汚ねぇ手でさわんなよ〜」
アーヴァイン「いいなぁ、いいなぁ! すごいよなぁ!」
ゼル「…へへへ。そんなに言うなら少しくらいは触ってもいいけどよ〜!」
…単なる銃マニア? というか、お前らノリが小学生だぞ。最高。