FF8の真実(詳細解説)
このページではFF8の方向性を体系的にまとめてみたい。
システム
FF8の新システムには今までのRPGの常識が殆ど通じない。そのため、
| RPG初心者 | とうぜん手探り状態 |
| RPGベテラン | 今までの常識が通じないのでベテランの人も手探り状態 |
FF8はRPG初心者もRPGベテランも
手探り状態でゲームを進めていくことになる。
- 遊びはじめた頃は右も左も分からない
- 試行錯誤を積み重ねて色々なことを学んでいく
- 最終的に効率よいスタイルに辿り着く
|
FF8は一般的なRPGとは経験を積む主体が違う。
| 一般 | キャラクターが戦闘を繰り返して経験を積んでいく傾向が強い |
| FF8 | プレイヤーが試行錯誤を繰り返して経験を積んでいく傾向が強い |
例えば、単純にモンスターを倒しまくってレベル100になっても、それはプレイヤーが経験を積んだ訳じゃないからFF8では弱い。逆に、キャラクターのレベルが10でも色々と考えたり工夫したりすると、とても強くなれる。
FF8のキャラクターは、
こういう最弱な状態から始まる。その最弱な状態を、
| 魔法とアビリティを集める | → | 物理攻撃がパワーアップ |
| 魔法とアビリティを集める | 魔法攻撃がパワーアップ |
| アイテムとアビリティを集める | 魔法の補充が簡単になる |
魔法、アイテム、アビリティなどを集めて
覆していくのが醍醐味だ。
この構造は、
- 貧弱なキャラクターが強くなっていくというRPGの王道に合致
- ただし経験値やお金を“蓄積”して強くなっていく傾向は薄い
- アイテムや魔法やアビリティを“収集”して強くなっていく傾向が強い
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もともとRPGには蓄積と収集という2つの強化要素があったが、
| 従来 | 経験値やお金の蓄積>アイテムの収集 |
| FF8 | 経験値やお金の蓄積<アイテムや魔法の収集 |
FF8では立場が逆転しているわけだ。
もともとゲームって、
- 適当に遊んでいてもクリアできない。
- だから頑張る。頑張ったプレイヤーに対する御褒美がゲームクリア。
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こういう構図だったのだけど、最近のFFは、
- 戦闘が簡単になったので頑張らなくてもクリアできる。
- 逆に言うとプレイヤーが頑張る甲斐がない。
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戦闘が簡単すぎてプレイヤーが頑張る甲斐がないというのは、FF6の頃に言われはじめ、FF7で顕著になってきた。そういうプレイヤーの声を反映してか、FF8では、
- 普通に遊んでいてもクリアはできる。
- 精製に辿り着けば快適にクリアできる。
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同じようにクリアできるけど、その過程で差が出る構成になっている。
ポイントは、
- 精製の存在に最後まで気づかなくてもクリアには支障がない
- 予備知識や攻略本がなくても、丁寧に考えていけば自力で精製に辿り着ける
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といったところ。
『精製』はFF8の肝とも言えるアビリティだが、前述のように、
- ストレートな答えがゲーム中にあるわけじゃない
- しかし予備知識や攻略情報を必要としない
- 丁寧に考えていけば自力で辿り着ける
- しかも複数のルート(手掛かり)が用意されている
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このような構成になっている。
一番ストレートなのはドローを物足りなく感じて代替手段を探すルートだろう。
- そろそろドローに飽きてきたな。
- もっと強力で効率のいい魔法集めのアビリティはないのか?
- 精製ってアビリティを見つけたけどAP溜めて覚える価値はあるだろうか?
- ドローは0AP、精製は30AP。少なくとも、精製がドローより役に立たないことはないだろう。
- それほど高いコストじゃないし、いっちょ試しに精製覚えてみるか。
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FF8には魔法の補充手段がドローと精製しかないので、ドローの代わりを探すと自然と精製に行き着く。精製がドローよりも役に立つことは必要APから自明。
余ったアイテムの扱いから精製に辿り着くルートもある。
- FF8ではモンスターを倒すと高い確率でアイテムが手に入る。
- せっかく手に入れたアイテムを余らしておくのは勿体ない。
- なにか使い道を探そう。
- 精製というアビリティはアイテムから魔法を作り出せるのか。
- たった30APだし、試しに覚えてみるかな。
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FF8の戦利品の入手率は異常。雑魚ですら50%や75%ぐらいの確率でどんどんアイテムを落としていく。武器改造に利用しても山ほど余ってしまうし、そもそも精製以外に使い道のないアイテムもある。せっかく手に入れたアイテムを無駄にしないように…と思ったしっかり者のプレイヤーも精製に辿り着ける。
上記のような発想ができなくても、最低限の慎重さがあれば大丈夫。
- 精製という見慣れないアビリティがあるな。シリーズ初登場か。
- 精製がどれぐらい役に立つのか分からない。
- 使ったことのない未知のアビリティに役に立たないってレッテル貼るわけにもいかないな。
- 今は無理だけど、いずれ余裕があるときに試しに覚えてみるか。
- たった30APで覚えられるから負担にもならないし。
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精製に限らず一般論として、実体の掴めないアビリティを「よく分からないから後回し」すると実は強かったとき損することになる。弱いという確証がない以上、万全を期すなら、できるだけ早いうちに自分の目で強いのか弱いのか確認したほうがいい。覚えるのにAPが100も200も必要なら、試しに覚えることは難しいが、精製はたった30APで覚えられるので、労せず試しに覚えてみることができる。
精製は隠しアビリティではないので、APを稼いでアビリティを覚えまくればいつか必ず精製に辿り着ける。ちょうど、
| 一般 | どんなに戦闘が苦手なプレイヤーでもレベルを上げまくればラスボスに勝てる |
| FF8 | とことん精製に気づかないプレイヤーでもアビリティを覚えまくれば精製に辿り着ける |
ちなみに、
- APを稼ぐ過程で戦利品がいっぱい手に入る
- だから精製アビリティを覚えてすぐ精製の旨味を堪能できる
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FF8はいわゆるDQ型とFF型の折衷に当たるRPGだと思うと分かり易いかもしれない。
| DQ型 | 育成に時間を掛けないと先に進めない |
| FF型 | 育成に時間を掛けなくても先に進める |
| FF8 | 基本的にはDQ型だけど上手くやるとFF型になる |
ちなみに、
- FF8の魔法は50種類。
- 一般的なRPGのクリアレベルは40〜60程度。
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なので、
FF8における魔法1種類の収集=他のRPGの1レベルアップに相当すると思ってよい。
| ドロー | DQでいうと普通のモンスターを倒して時間を掛けて経験値を溜めるようなもの |
| 精製 | DQでいうとメタル系の出現地帯を発見して一気にレベルを上げまくるようなもの |
こう喩えても分かり易いかな?
シナリオ
FF8のシナリオは、
| メイン | スコールにとって興味があること。 |
| サブ | スコールにとって興味のないこと。 |
こういう
二重構成になっており、
| メイン | 本編でしっかり描かれる。 |
| サブ | 本編以外の部分で描かれたり示唆されたりしている。 |
このように差別化されている。
例えば、
- スコールはアーヴァインが一緒に戦いの旅を続ける動機なんて興味ないので本編で描かれない。
- その代わり、スコールに代わって真実を知りたいプレイヤーのために隠しイベントが用意されている。
- 具体的にはF.H.のアーヴァイン単独行動時に“見たことある男”と話すと動機が判明する。
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或いは、
- スコールは、サイファーが魔女の騎士に憧れた理由なんて興味ないので本編では描かれない。
- その代わり、スコールに代わって真実を知りたいプレイヤーのために手掛かりが用意されている。
- 手掛かりは2つ。Bガーデンの3人組の女生徒の発言とラグナの映画でのガンブレードの構え。
- その2つを組み合わせると、サイファーはラグナの映画を見て魔女の騎士に憧れたと推測できる。
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FF8がこのような構成を採用しているのは何故だろう? 手抜き? いやいや、メインストーリーのどこか1箇所で動機を説明させるのと、何箇所かに分けて手掛かりを分割配置するのは、労力的に同じか、場合によっては後者のほうが大変だろう。どちらかというと、
| システム | 寄り道すると魔法やアイテムなどが手に入る |
| シナリオ | 寄り道すると意外な事実や背景が楽しめる |
システムとシナリオの双方で“寄り道”がすごく意識されていることが大きいのでは?
FFはよく映画に喩えられるが、どんなに演出が強化されても、映画とゲームのシナリオには決定的な違いがある。
| 映画 | メインストーリーが全て。 |
| ゲーム | 情報収集という余地がある。メインストーリー単独では完結しない。 |
必須イベントだけでストーリーの全てが分かってしまう、そういうシナリオをやりたいのであれば、それこそ映画を作ればいい。そうではない、メインストーリーだけでは分からない疑問や謎を情報収集によって補完していくというスタイルは、映画や小説では不可能なTVゲームの特性を活かしたものだ。
昔のFFにはそういう配慮がなかったけど、最近は、
| FF9 | ガーネットの意外な本名(マダイン・サリ) |
| FF10 | エンディングの謎の海を泳ぐティーダの姿の伏線(各地の祈り子の部屋) |
こういうゲームでしか出来ないこと、ゲームだから出来ることを積極的に盛り込んでいる。FF8も同様だ。
ただ、FF8はそれを徹底的にやりすぎてしまった傾向が強いので、プレイヤーによって好みがはっきり分かれると思う。一気にエンディングまで行きたい人にはそういう工夫は邪魔に感じるだろうし、サブエピソードを探すのが好きな人にはFF8は遊び甲斐のあるゲームに感じるだろう。
FF8はよく恋愛SLGと揶揄されるけど、
- プレイヤーに恋愛の疑似体験を楽しませることが目的というわけじゃない
- どちらかというとプレイヤーは主人公の観察者になっている
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プレイヤーと主人公の分離はFF8に限らず、FF11を除いたSFC以降のFF全てに共通して見られる傾向だ。
シナリオ編でも書いたけど、FF8における「愛」って、
- 単純に男女間の恋愛感情だけを指す言葉ではなくて。
- 自分の命を危険に晒してでも大事な人を守ろうとする感情が「愛」。
- スコールがリノアを守ったように、ラグナはエルオーネを守り、イデアは孤児を守り…etc。
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FFシリーズは戦いの物語なんだけど、主人公の戦う動機が作品ごとに違う。FF1や3のようにクリスタルの啓示が戦う動機になっていることもあれば、FF2の復讐や、FF5の父親たちの意志を継いで、のようにもっと個人的な動機から戦うこともある。FF8のテーマ『愛』もそのバリエーションなわけだ。
FF8はあくまでFFシリーズの一員。そのことを忘れて恋愛ゲームとしてみてしまうと、
- 「リノアは好みじゃないんで別のヒロインを選びたいんですけど…」
- 「スコールの性格が極端すぎて感情移入できないんですけど…」
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こういう不満だらけになって逆に楽しめないんじゃないかな。
FF8には、
- 17歳の学生という設定
- リノアとカーウェイの喧嘩
- 魔女と騎士の存在
- G.F.の存在
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こういう様々な要素があるけど、そのどれもメインストーリーと密接に結びついている。
- スコールがもうちょっと大人なら精神的な重圧に耐えることができただろう。そうなるとリノアの助力が必要なくなり、スコールがリノアに好意を抱くきっかけもなくなる。
- リノアはラグナロクでスコールを、大好きだった両親に代わって安心を与えてくれる人だと語っている。現在のリノアは父親と喧嘩しているけど、まだまだ誰かに甘えたい頼りたいって気持ちがあって、ちょうどスコールがその代償的な存在になっているわけだ。
- 魔女はその強大な魔力ゆえに人々から疎まれ孤独に苦しめられる。魔女を孤独の苦しみから救い、精神的に支えてくれるのが魔女の騎士。魔女と騎士の関係は、終盤のスコールとリノアの関係と完全に一致する。
- 若干17歳の未熟な少年少女が大人顔負けの活躍ができるのはG.F.のお陰。だがG.F.では心理面までは強化できない。G.F.が与えてくれない戦う目的や勇気を与えてくれたのが仲間やパートナーの存在だった。
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FF8のシナリオは意外なほど無駄のない構造になっている。ただ、それゆえの悲劇もあって、
- シナリオに無駄がない、ということは一見どうでもいいエピソードも実は重要で。
- まだ前半だし、さして重要じゃないだろうと適当に流してしまうとやばい。
- 後半の展開は前半の展開を踏まえたものなので、話の流れが理解できなくなる。
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例えばスコールの暴走ってDisc3で唐突に始まったように見えるけど、Disc1でサイファーが処刑されたと聞いて「俺は思い出にされたくない!」といきなり叫んでしまうとか、Disc2でセルフィと再会したときに思わず「お帰り」と言ってしまうとか、身近な人の生死に関わるような状況になると自分の感情がコントロールできなくなるスコールの姿がしっかりと描かれている。そういうエピソードを記憶の中に留めているかどうかでDisc3以降の展開に対する印象がだいぶ変わってしまうだろうね。