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情報収集のお楽しみ

ネタバレを禁止する(テスト版)
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 FF8世界の住人はお喋りが大好き

FF8世界の住人はお喋りが大好きだ。例えば、
「またガルバディアが攻めてくることはあるんですかねぇ、おじいさん」
「あるかもしれんのぉ…。電波塔を手に入れるだけで満足する奴らじゃあるまいし…」
こんな他愛もないことを言うエキストラにもう1度話しかけてみよう。すると、
「もし、ガルバディアが、また攻めてきたら、どうするんですかねぇ、おじいさん。」
「どうせドール兵は役に立たんから、前みたいにSeeDに頼むんじゃないかのぉ」
さっきとは別の発言をする。さらに話しかけると、
SeeDさんとやらは高いお金が掛かるだけだって聞きましたよ、おじいさん」
「あそこでボケ〜っとしとるドール兵に比べりゃマシじゃろう…なぁ、ばあさん」
話の続きが聞ける。

FF8にはこのように、繰り返し尋ねると色々なことを喋ってくれるエキストラが意外にたくさん存在する。もし、エキストラとの会話を楽しみたければ、台詞が繰り返しになるまで同じエキストラに話しかけてみよう。

 エキストラ

FF8の主人公は学生。仲間たちも同世代。そのため、だから物事の考えかたや捉えかたに偏りが出てくる。主人公たちと立場や境遇の違う人間が自分たちの住む社会や一連の大事件をどのように受け止めているのか知りたければエキストラの言葉に耳を傾けるといい。

例えば、軍事関係に疎い一般人はSeeDのことをどのように捉えているのだろう?
SeeDを雇うとまた税金が高くなるのぉ…。その時は、いいかげんカード集めをやめんといかんかのぉ…」
SeeDさんとやらは高いお金が掛かるだけだって聞きましたよ、おじいさん」
実はあんまり歓迎されていない。どうも『SeeDはぼったくり』みたいなイメージが定着しているみたいだ。…まあ、あのとき莫大な金を払ったのに正SeeDがたった9名しか来なかったんだから、SeeDの強さを知らない人がぼったくりだと思うのも無理ないね。


様々な人間の発言がFF8の世界に厚みを与えてくれる。他人の話に耳を傾ければ、自分の視点からは見えないものが見えてくる。

 エピソードを探せ

よくFFシリーズは映画や小説に近いRPGだと言われる。確かに映画を意識した演出手法が盛んに取り入れられているが、FFシリーズは決して映画ではない。
  •  RPGにあって映画にないもの…それはプレイヤーが自分の手で情報を集める過程
  •  昔のRPGでは次の目的や謎解きの答えを知るために情報収集は必須だった
  •  最近のFFにはそれほど難しい謎解きはないし次の目的は話の流れで分かる
では最近のFFでは情報収集なんて必要ないのか? そんなことはない。例えば、下記の発言は情報収集しなければ得られない。
カーウェイ「東の大国エスタは最大の驚異だよ。かつて魔女アデルとともに世界中を侵攻した国。突然の終戦以来、エスタ沈黙を続けてきた。魔女アデルの消息は未だ分からない。エスタの実態は今も昔も厚いベールの向こうだ。エスタが再び攻めてくる可能性は大きい。我々はを蓄えるために他国を占領していった。だが、その頃から何かが狂いはじめてしまった」
F.H.の住人「あんたがそれっぽくないから聞くんだが…何故あんなのとつるんでんだ?」
アーヴァイン「あんなの?」
F.H.の住人「バトル野郎さ」
アーヴァイン「狙撃手は一人ぼっちなんだ…。その瞬間のプレッシャー。その瞬間の緊張感…。それに耐えなくちゃならない。『あんなの』は、そこから助けてくれる。それって仲間って呼ばない?」
F.H.の住人「あんたもバトル野郎か…」
アーヴァイン「そうかもね〜。でも…あんたは何野郎なんだい?」
カーウェイはなぜデリングの野心を支え続けたのか。アーヴァインはドドンナ失脚後もどうしてスコールたちと旅を続けているのか。寄り道して情報収集に勤しめば各人の裏の事情や本音を知ることができる。

FF8は、
システム面 頑張って探し回ったプレイヤーにはレアな魔法G.F.の御褒美
シナリオ面 頑張って探し回ったプレイヤーには興味深い情報の御褒美
システムとシナリオの両面において一貫した姿勢を採用しているわけだ。

 解説・映画のシナリオとゲームのシナリオ

FFはよく映画に喩えられるけど、どんなに演出が強化されても、映画とゲームのシナリオには決定的な違いがある。
映画 メインストーリーが全て
ゲーム メインストーリーだけでは完結せず情報収集の余がある
メインストーリーを追っていくだけでストーリーの全てが分かってしまう、そういうシナリオをやりたいのであれば、それこそ映画にしてしまえばいい。そうではない、メインストーリーだけでは分からない疑問や謎を情報収集によって補完していくというスタイルは、映画や小説では不可能なTVゲームの特性を活かしたものだ。

ただ、FF8はそれを徹底的にやりすぎてしまった傾向が強いので、プレイヤーによって好みがはっきり分かれると思う。一気にエンディングまで行きたい人はそういう工夫をうざいと感じるだろうし、あれこれ探したり掘り下げたりするのが好きな人にはFF8は遊び甲斐のあるゲームに感じるだろうね。


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