もともとゲームとは、
- 野球などのスポーツの試合
- トランプなどのカードゲーム
- ボードゲーム
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こういう、参加者の
能力や運を競うものだった。
- 勝ち負けがはっきり出る
- 敗者に残された道は諦めてやめるか勝利を目指して腕を磨くか2つに1つ
- 敗者への救済策や配慮なんて発想はない
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例えば「野球の試合で負けたほうにも救済策や配慮を」なんて言ったら、首を傾げる人が多いだろう。救済策や配慮がないからこそゲームの参加者は“本気”で勝利を掴もうとするわけだ。
TVゲームが“ゲーム”と呼ばれるそもそもの所以は、
- 初期のゲームはプレイヤーの能力や運を競う“ゲーム”が主体だった
- 当時はエンディング到達やハイスコアを出したプレイヤーがヒーローだった
- 下手な人に対する救済策や配慮なんてない
- 下手な人に残された道はやめるか腕を磨くか2つに1つ
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特にアーケードゲームやRPGブーム以前のファミコンゲームを見れば、その傾向がはっきりと読みとれる。
しかし現在のTVゲーム界では“ゲームらしいゲーム”の評価が意外なほど低い。その理由はおそらく、
過去 | TVゲームの主流はプレイヤーの腕前を競う“ゲーム” |
現在 | TVゲームの主流は楽しいことが第一の“エンターテイメント” |
TVゲームの位置づけがこのようにシフトしたからだろう。
ゲームの面白さとエンターテイメントの面白さの違いがはっきり出ている良い例がRPGの戦闘バランスだ。
- 「ストレスを感じない戦闘バランス」というのはとてもエンターテイメント的な発想。
- 「歯が立たない強敵をどうやって倒すか?」という面白さはとてもゲーム的。
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エンターテイメントっていうのはいわば接待のようなものだと思えばいい。いかに“お客様”であるプレイヤーを良い気持ちにさせるかを考える。お客様を不快な気持ちにさせてしまうようでは接待失格だ。ゲームとは全く逆な発想なわけだ。
TVゲームには、
- 純度100%のゲーム
- 純度100%のエンターテイメント
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どちらも存在しない。どのゲームにもゲームの成分とエンターテイメントの成分の双方が含まれている。大事なのはバランス感覚だ。