相田game

「風邪でも引いたか。」
受話器の向こうで鈴木が黙った。

「具合悪いのか…どうして家を出た。寝ていればいいものを。」
「…だって、今日も先生に会いたかった。」
「馬鹿。俺は明日も明後日も学校にいる。いつでも会えるだろうが。」
「ウン…ごめんなさい。」
あれ、ヤケに素直に謝ってる。
こりゃ相当頭がくらくらしてるに違いないな。
「早く帰って寝るんだよ。いいね。」
「ハァイ。先生、また明日ね。」
「ああ。」

「どうして先生にはわかっちゃうんだろう。」
鈴木は言ってから俺の返事も待たずに電話を切った。

どうして?

…そんなこと俺が知るか。
わかっちゃうんだから仕方がないことだよ。


その日は鈴木が休んでいたので何事もなく過ぎ去った。

fin.-1


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