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◇竹本×恭平
他社の重役との大事な会議が始まる二時間ほど前。
恭平が社長室へ入っていくのを、竹本は見ていた。
『…というわけでして、我が社で今後の方針として考えているのは…』
マイクのスピーカーから孝平の声が聞こえている。
舞台の上で本人が、机に置かれたノートパソコンの横で演説をしている。その様子を、竹本と恭平は舞台の袖から覗き見ていた。
秘書である竹本はともかく、恭平がなぜいるのかというと、会議が始まる前に配布用資料を持ち運ぶ役目をしていたら、いつの間にか始まってしまって出るに出られない状況になったからだった。
孝平の姿を見つめながら、眠たい目をこすっていた。
「恭平さん。大丈夫ですか。顔色が優れないようですが。」
竹本は小声で囁いた。
はっと顔を上げた恭平は、遠慮がちに微笑んだ。
その笑顔で、悟ってしまう。
二時間ほどまえに社長室で会った二人が、一体何をしていたのか。
人には言えない行為をしていたのだろう。
竹本は恭平の手を引いて、奥へと入った。
小さな黄色い明かりの元まで連れて行った。
「竹本さん…?」
恭平が小さな声で言って竹本の顔を覗き込んだ。
明かりの下で、竹本は恭平のシャツのボタンを一つ外し、胸元を照らした。
「あ、ちょっと…」
「また…気になるんですよ、この跡が…」
顔を寄せて近くで見、そのまま惹かれるように唇を寄せた。
恭平が息を止める。
「竹本さんっ」
「…誰に付けてもらった跡ですか…?ついさっきのようですね。」
「…ッ?何を…」
恭平が腕を振り払って、竹本から一歩離れた。舐められた首筋を手で押さえて、不安そうに見返してくる。
「何が、言いたいんですか…?」
恭平が珍しく不信感をあらわにした。
竹本は無表情のまま、明かりの下から一歩引いた。
「ここの壁に、手をついてください。」
「え…?」
「壁に手を。早くしないと、社長のプレゼンが終わってしまいます。」
竹本が口早に言う。恭平はちらりと舞台の方を見て、それでも従順に壁に手をついた。
「こう…ですか?」
「そうです。社長の迷惑にならないよう、くれぐれも変な声を出さないようにしてくださいね…」
「どういう意…味…」
恭平の頭が言葉の意味を理解するより早く、竹本の手が恭平の背後から、彼の内股へと差し入れられた。右手が右足の、左手が左足の太股の内側を撫でる。
「な…っ?!」
「しっ。静かに…」
耳元で強く言われて、恭平は反射的に口を閉じた。
そうだ、舞台の表では、孝平にとって大事な演説が行われている。こんなことで、彼の心が乱されてはいけない。足を引っ張ってはいけない。
二人の気持ちは、その点では一致していた。
「竹本さんっ」
囁くような小さな声で、抗議をする。その間にも竹本の手は恭平の下半身を何度も行ったり来たりして優しく揉むように撫でまわしていた。
「な…何す…っやめてくださ、ぃッ!」
「先ほど、社長の元をお訪ねになりましたよね…?何の話をされていたのですか?」
「…っ」
恭平が黙った。小さな明かりの下ではよくわからないが、頬が微かに紅く染まっているような気がする。
その表情が、竹本の心をいらつかせた。
恭平のものをズボンの上から軽く掴むと、恭平は全神経をそこに集めたかのように、熱い息を吐いて目を閉じた。
やわやわと揉み解しながら、片方の手でベルトを外し、チャックを下ろした。
「ぃ…ッやめ、だめです…ッ」
「勘違いしないでください。私は貴方を喜ばせてあげようなどとは思っていません。」
「…ぁ…あッ、」
恭平が肩を震わせて小さく痙攣した。
敏感すぎる。
やはり、ほんの少し前まで高揚状態にあったのは間違いないと思った。
竹本は恭平のトランクスの中に指を入れた。
人差し指で引っ掛けて、ゆっくりと脱がしていく。
恭平は手を壁についたまま、息を殺していた。
「ゃ、ぁ…やめ、く…っ」
「社長と何をなさっていたのですか…?大事な会議の前だというのに。」
そう。
今行われているのは社長にとっても会社にとっても、重大なのだ。
そんな時に、自室で、性行為に走るなど、いくら孝平にでもしてほしくなかったのだ。していないことを確かめたかったのに、どうやら逆のことが確かめられそうである。
「濡れてますよ…恭平さん。」
「あ、だめ…そこは…っ」
「中までぐっしょりですね…?」
竹本の指が、恭平のものを掠めてその奥へと侵入する。
ぬるぬると粘着質な感触が恭平の下腹部を攻め、全体を撫でるように探っていく。やがて辿り着いた秘孔は触れなくてもわかる程、濡れていた。
「ぁ…っ」
恭平はぎゅっと目を閉じた。
竹本の手が、自分の弱いところを無遠慮に撫でていく。
先ほどまで孝平が丹念に可愛がってくれていた部分が汚されていく。
ゾクゾクとした感触に、弱々しい吐息が漏れた。
「ココも濡れてる…ココもだ。恭平さん、ひどいですよ。」
「ぅ、ん…ッく…ッやめて…っはぁ…!」
くちゅくちゅ、と指と粘膜が混ざり合う音が聞こえる。
竹本の指が恭平のものを強く押した。ビクッと痙攣して、恭平が快感を示す。
やがて、恭平の尻を撫でていた片方の手もトランクスの中へと入り込み、前後から股間を弄られるようになった。
無意識に呼吸が上がり、身体が火照り始める。
後ろから侵入してきた指が、恭平の秘孔の中に、ぷくりと入り込んだ。
「アッ!!」
さすがに耐え切れなかった恭平が悲鳴を上げた。
「静かに…来賓の方々に聞こえてしまったらどうするのですか。」
「だ…って、どこを、さ、ぁん…!」
竹本の指が恭平の中を掻き乱す。
中に入った液体を掻き出すように、内壁をくりくりと抉った。
「はぁっはぁ…く…ハァ…ッ」
「呼吸が乱れていますよ、恭平さん。そんなに感じないでください…」
「あぁ、ん…は…っやめ…ひ、ぅぁ…っ」
恭平が壁に手をついたまま、体勢を低くした。
竹本の指から逃れようともがいているのに、下半身に力が入らない。指に犯されて腰を突き出し、胸を反らす。
その動きが、かすかな明かりに照らされてとても淫らだった。
こんな風に鳴きながら誘われたのでは、理性が飛んでもおかしくはない。
竹本は指を止めた。
恭平の中から乱暴に抜き出し、彼の身体から離れる。
恭平は力なく床に手をつき、乱れた呼吸をそのままに、脱がされたズボンを慌てて押さえる。
そうしてから竹本を見上げた。
彼は恭平と誰かの体液で濡れた指をしばらく見つめていた。
視線をずらし、恭平を見つめる。
挑発するような視線を投げたまま、その指をペロリと舐めた。
嫉妬して恭平を苦しめたところで、彼の心は手に入らないというのに。
ただ黙って、気を遣うように微笑む恭平を見ているのがつらい。
つい、攻撃的な手法に出てしまう。
竹本自嘲した。
しかしすぐにその表情を消し去って恭平を見た。
「社長のプレゼンがそろそろ終わると思いますよ。」
恭平はまた、気を遣うような素振りで黙っていた。
彼は自分がどんな目に逢おうとも、責めることをしない。
それが逆につらいのだということも知らずに。
竹本は恭平から目を逸らし、眩しいほど明るい舞台へと目を移した。
***
◇後書き
リクエストありがとうございました。
受けっ子竹本さんは、少々ブラッキーに恭平くんを攻めるの図、です(*^3^*)嫉妬が入っている分、ねちねちとしつこく焦らします。自分が受けな分、どうされたら一番いいか、そしてどうされたら嫌かも知ってるんです。嫌なおヒト(笑)いかがでしたでしょうか??
これからもマイペース更新を続けるつもりの管理人ですが、
三年目もゆったりまったりなお付き合いをよろしくお願いします。m(_ _)m
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