◇良平くんに似ているから興味をもって赤城×聡平(Hシーンはないです)


【頭より体です】



たまたま、何をするわけでもなく街を歩いていた。
望んでもいないのに話しかけてくる街頭のキャッチセールスをかき分けて、智哉は目的もなく歩いていた。
うーん、そろそろ腹減ってきたな。
学校をさぼってこんなところにいるのだから、当然のように制服だった。

やがて横断歩道の信号が変わるのを待っている人混みの中に見知った顔を見つけた。
参ったな…
つい、目がいってしまう。
後ろ姿も間違いない。

智哉は人混みを掻き分けて彼に近付いていった。
あと数歩いけば、というところで信号が変わり、人の波が動き始めた。
軽く舌打ちをして、その人のことを追いかける。しかし追いつけそうになかったので、仕方なく叫んだ。

「良平さんっ!」

後ろ姿は間違いないのに。
彼は振り向かなかった。
「あれ…?おい、良平!」
もう一度呼ぶと、半分だけ振り向いた。
いつもと印象が違うような気がするのは眼鏡のせいか。
智哉は背が大きいし髪も赤いので、一度面識を持てば見間違うことはないはずだが。
彼は智哉を視界に入れた筈なのに、まるで気付かず前に向き直り歩き出した。

え…っおい、どういうことだよそれ!?

自己顕示欲の強い智哉は腹を立て、ポケットから携帯を取り出した。
電話帳から良平の名前を探し出し、背中を追いかけながら通話ボタンを押す。
コール音は短く、相手が出る。

『もしもし、何。智哉?』

耳元から聞こえてきたのは明らかに良平の声だったのに。
今追いかけている人物は声を出すことはおろか携帯を取り出す気配すらない。
やがて人混みに消えるように見えなくなってしまった。

『おい、智哉?無言かよ…切るぞ。』
「り、良平さん。」
『ん?なんだその腑抜けた声は。昼間っから幽霊でも見たか。』
「み…見た。」
『は?』
ついさっきまで目の前にいた良平は、電話の向こうにいる良平とは別人なんだろうか…?


「はっ。それ俺の弟だよ。」
良平はハンバーガーを一口で半分までかじりながら言った。
近くのファミレスにいるから来いよと言われたので来てみれば、良平は見知らぬ女とファーストフード店の二階に座っていた。
ってかこの派手な女、誰?

「もうすぐ来るから、お前も一緒に待つ?」
智哉は女から目を離した。
「え、誰を?」
「だから俺の弟。」
「弟?それにしては似過ぎだったぜ。」
「双子だもん。」
「双子!?」
知らなかった…
あ、そういえば明人がなんか言ってた時期もあったかも……
「良平、誰、この子。」
「智哉。」
「ともや…?ってあの。」
「そう。」
「はあ…。あんた意外とお人良しねぇ。それとも無神経なのかしら。」
「ほっとけよ。」
智哉にとって見知らぬ女というのは、牧村都代子。
良平と一緒に、後から現れるだろう聡平と瑞樹を待っているのだ。

智哉が突っ立っていると、後ろから足音が近寄ってきた。
良平が気付いて手を挙げた。
「聡。こっちこっち〜。」
「ごめん。遅れた!」
息を弾ませてやってきた聡平に、智哉は振り返って顔を見た。

「うわぁ!?!」
そっっっっくりじゃん!!!

「んな…仰け反るほど驚かなくても。」
「誰?この高校生…」
呆れた顔もそっくりである。
智哉の予想外の驚きようにトーコはプーッと吹き出して笑い出した。
「あははは!新鮮!その反応!」
聡平は肩から荷物を下ろし、トーコの隣の席に置いた。
「暑いなぁ…。良、飲み物ちょうだい。」
「あっ。勝手に飲むな!」
「何コレ…炭酸?」
「コーラ。ってか勝手に飲んどいて変な顔すんな!」
「私のウーロン茶あげよっか?」
「お。ありがとう。」
聡平はトーコからもらったウーロン茶をストローで吸いながら、やっとのことで智哉を見た。
さっきから彼は聡平のことを穴のあくほど凝視している。
「…この人、良平の知り合い?」
「うん。お前を見かけて俺と勘違いしたんだって。」
「ふーん。」
今度は聡平が、上から下まで智哉を見た。
目が合うと、智哉が口を開いた。
「ほんと、そっくりだなあ。」
似てねぇ!と良平が横槍を入れるがあまり気にしない。
「…ま、双子だからね。」
「顔もだけど、体もそっくりかなあ。」
「いや、俺の方が鍛えてて筋肉が………っ」

聡平が言い終わる前に、智哉の腕が伸びた。
唐突に聡平の股間に迫り、そのまま・・・

ペロンとTシャツを捲った。

「え!!?」
「あ゛?!」
「きゃっ…。」

聡平が固まった。
良平がコーラを噴いた。
トーコが顔を隠した。

智哉は素知らぬ顔をして聡平の腹から上を観察した。
「ちょ…っ、な…っ、」
聡平がわなわなと震える。
これは怒りからか、恥ずかしさからか、どちらが強いかわからない。
聡平はみるみるうちに真っ赤になって言葉を失った。
何この人?

すると、横からコーラが飛んできた。
文字通り飛ばされてきたそれはカップごと智哉の顔にふっかかる。

バシャァ!!


「つめてぇっ!!」
「何してんだよ馬鹿ッ!この変態!!」
良平が立ち上がり、智哉の聡平の服を掴んでいる手に上からチョップを落とした。
力の緩んだその時に引き離し、二人の間に割り込んで智哉を睨む。
「アホが!手の前に頭動かせ!すぐに触んな!!」
「つめてーな!なんか…っベトベトするしっ…良平こそ頭動かせよ!」
「俺はいいんだ俺は!」
「何だよそれっ!」

「いいか…」
良平は智哉の胸倉を掴んで引き寄せた。
下から勢いよく睨みつける。

「体は違うんだよ。俺のほうが…イイに決まってんだボケ!!!」

良平のよくわからない気迫に圧倒された智哉は、頭からコーラを滴れさせながら呆けた顔で頷いた。
「わかればよしっ。もう帰っていいぞ!!」
ふんぞり返って良平が威張る。

「もっと他に言うことないの…」
良平の後ろで、シャツを押さえて放心状態の聡平を慰めながら。
ぽつりとトーコが呟いた。


***


◇後書き

リクエストありがとうございました。

ごめんなさいっ!ごめんなさいっ><;
やっぱり、聡平くんがBLちっくなアダルティ〜になるところは…無理でした。筆が進みません。全然書けませんでした(;д;)己の未熟さを知ると共に、反省いたします。。
良平くんがわけのわからないところで意地張ってます。どうしたんでしょうか(笑)

これからもマイペース更新を続けるつもりの管理人ですが、
三年目もゆったりまったりなお付き合いをよろしくお願いします。m(_ _)m


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