▼エロポイントで10題
└5.鎖骨


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「兄さん、そんな格好で行くの?」
「え?うん。何か問題あり?」

今日は明美と遊園地へ行く約束の日。
家を出る直前に、恭平の格好にクレームがついた。
着ていたのは黒のV字のセーターに、ジーンズ。青と白のチェックのベレー帽に、白いショルダーバックだ。

「…なんかやだっ。」
「えー。文句言うなよ。どこが嫌?」
「明美の彼氏に見えるようなとこがやだっ。」
「…。」
恭平が反論をやめた。どんな理由だそれは。

「V字のセーターやめて。鎖骨が見えてるから。」
「えっ、そんなに見えてる?」
「うん。せめてその下になんか着て。他の女にそんなサービスする必要なんてないって。」
「サービス?」
変な虫がついたらどうしてくれるのよぅ。
明美はその言葉をぐっと堪えて、首を傾げている恭平を無視して彼の部屋に侵入して洋服ダンスを開けた。
「そんなに見えるかなぁ〜。」
ぽやっとした声で独り言をいいながら、恭平が鏡を見てまたもや首を傾げている。

会えば彼女いないのと聞いてくる明美だが、いざ彼女ができると兄を取られたような気分になって寂しくて仕方がないのだ。
だからせめて、自分のいる前では女を寄り付かせないつもりでいる。

「鎖骨見えてても、それはそれでいいような気もするんだけど。」
「…とりあえず今日はダメ!」
明美は断固として反対した。
よくはわからないが反抗しても仕方がない。
恭平は苦笑して、それじゃ早く代わりの服を選べよと言った。


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