▼エロポイントで10題
└9.くるぶし
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高校の時だ。
文化祭の出し物で、あるクラスがパーラーをやるってことになって、全員ウェイトレスの格好をした。
つまり、男は全員女装した。
気持ち悪い奴らがほとんどだったが、中にはやたらと似合ってる奴とかいて結構面白い。
良平はそんな出し物を、聡平と瑞樹に連れられて見に行った。
杉野が女装していると聞いたからだ。
「ぶッはーーーーー!!!」
予想通り杉野の女装はてんで似合ってなくて、張り出した肩とかしまってない腰とかがかなり不自然。
3人は教室に入ってもいない場所で笑い崩れた。
「先輩、ひでー!」
「全ッ然似合ってねぇ〜!」
「かわいい!かわいいっすよ先輩!!」
口々に野次を飛ばして笑いこけるので、杉野は教室の隅で赤くなって固まっていたっけ。
その時だ。
杉野の右足にブレスレットみたいなアクセサリーがついているのを知ったのは。
ミニスカートに裸足でスリッパを履いていたから、足がよく見えた。
スポーツをやっているような筋肉質の足に似つかない、女物のような小さなパーツでできたそれが、くるぶしの辺りで引っかかってた。
おしゃれなのかなとも思ったけど、その時はまだ少し遠慮していて、聞いてみることができなかった。
今でも杉野の右足には、その時と同じブレスレットが光っている。
あの時と変わらない、くるぶしの辺りで、揺れている。
スーツの時はどうしているのかと思ったら、そのまま靴下を履いているようだ。
良平は杉野の風呂上りに、思い切って聞いてみた。
「なあ、それ、なんか意味あんの?」
「ん?」
杉野は良平の指した足元を見て、ああ、と言ってベッドに腰掛け右足を左の膝の上に乗せた。
ブレスレットが光る。
「死んだばーちゃんの形見だよ。本当は腕につけるものなんだろうけど、恥ずかしいから足にしてる。」
「…へぇ。」
良平は手を伸ばして、それに触った。
杉野がフッと息を吐いて笑いを堪えるために口を手で押さえた。
「な、なんだ?」
「…指が当たってくすぐったい。」
杉野は笑って足を遠ざけた。
伸ばしたままの良平の手を取って、自分の方に引き寄せる。
「誰か他の奴からもらったかと思った?」
杉野は嫉妬したかと聞いている。
良平は焦りを隠して、大口を開いて言い訳した。
「んなわけあるか!ボケ!」
「またまたぁ〜。」
杉野は良平の頭をツンツンと突付きながら、満足そうに笑っていた。
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