▼佐久間恭平という人物
└04:失敗
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中学に入学して間もない時、当時小学生だった弟達が雨の降る日に捨て犬を拾って来たことがある。
俺は動物には詳しくないけど、そいつはまだ子犬だった。
二人は仕切りに飼いたいと言った。
「だ〜め。世話は誰がするの?」
「おれもするし、聡もするよ。なあ?」
「うん、する。ねー飼っていいでしょ?」
「だめだってば!元いたとこに返してこい!」
「なんでだよっ、あにきのばか!」
「わからずや!」
二人は泣きながら叫んで、雨の中を走って出て行ってしまった。
その時は明美がまだ小さくて、おまけに家事にもまだ慣れてなかったから
我儘を言ってきかない弟達を憎らしくも思ったりした。
でもあの時あの子犬を飼う事にしてあげていれば、
良平が荒れることもなかったろうし、
俺が家に一人になるからといって聡平に必要以上に気を遣わせることもなかったかもしれない。
失敗したかもって気がつく瞬間は、いつも遅いんだ。
今度そういう機会があったら、なんでも聞いてあげたいと思う。
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