▼衣装指定15題
└01:制服


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休日のお昼。
一週間の疲れを取り戻そうと、布団に丸まって眠りこけていた杉野拓巳の枕元で、突然大きな音を立てて携帯電話が震えた。

「ん〜〜〜。」

寝ぼけた声を出して唸る。
メロディからしてメールなので、鳴り止むのを待った。
数秒の後に鳴り止んだ後、杉野が再び眠りに落ちたのを見計らったようなタイミングで2度目の着信。

再び鳴り止むのを待って眠りにつこうと思ったが、さすがにもう一度鳴られたら困ると思った。
無視するわけにもいかないし。
「…。…。あ〜も〜、誰なんだっ。」
ちらりと良平だったらどうしようか、なんて考えながら腕を伸ばして携帯を取り、片目を瞑ったままそれを開いた。


差出 佐久間良平
件名 無反応?
内容 さっきのメールちゃんと見たか?もしかして寝てんの?


「あー…良平だ。」
もそもそと起き上がり、よく見ると2件目のメールを先に見てしまったことに気付いた。
クリアボタンを押して一つ前の画面に戻り、1件目を開く。


差出 佐久間良平
件名 じゃーん
内容 部屋の掃除をしていたら、見つけたから着てみた!3年たっても結構イケるもんだな〜。
添付 1件


「…。」
ボリボリと頭を掻いて、添付データを開く。
そこに現れた画像を見た瞬間に、杉野はくらりと眩暈を起こして倒れた。
ベッドの端に頭をぶつけたために、いい音がした。

予想してたけど、予想してたけど、予想してたけど!!

そこには、かつて杉野がこれでもかってくらいに愛した制服姿の良平が。
ピースサイン片手に、私服の聡平と一緒に映っていた。
あの頃のあどけない笑顔はもうないけれど、それとは違う成長した良平の笑顔はまだまだ健在だった。

かわいい〜〜〜〜〜〜やばい〜〜〜〜〜〜!!!!

今かわいいとか言ったらぶっ飛ばされそうだが、杉野の目にはどの角度で見てもかわいくしか見えなくて。
自分の子供ならどんな子でもかわいく見えるというのはこういう心境なんだろうか、と考える。
メールを返信しようと写真を閉じても、またすぐに見たくなってもう一度開き、返信しなきゃと思って写真を閉じて、また開いて……
そんな動作を繰り返していると、もう一通メールが来た。
「…?」
今度は聡平から。


差出 佐久間聡平
件名 差し上げます
内容 明美ごめんて感じ(笑)
添付 1件


杉野はなんの抵抗もなく添付を開けた。
そこに映っていたものを見て、杉野は口元を押さえて笑いをこらえた。
涙で画面が見えない!!

杉野はメールで返信するのももどかしくて、布団を跳ね除けてパジャマを脱ぎながら、良平に電話をかけた。
2度目のコールで良平が出る。
「もしもし?!」
『なんだよ起きてんのかよ!!恥ずかしい奴だな!』
「今からお前んち行くから!脱ぐな!!そのままでいろッ!!」
『嫌じゃボケ!』
「だめだ!聡平、脱がすな!いいな!!」
杉野は勢いよく電話を切って、ジーンズのボタンを止めて、パーカーを羽織り、財布とヘルメットを掴んで家を飛び出した。

女子高生の良平くん。
絶対見たい〜!そんで押し倒したい〜〜〜〜〜〜!!

眠気なんて吹っ飛ばす良平の存在はなんてすごいんだ、と杉野は改めて感じつつ、バイクのエンジンを入れた。


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