▼衣装指定15題
└05:バスローブ


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頻度は多くないが、孝平はたまに恭平のことをホテルに連れて行った。
なんのことはない、ラブホテルというやつだ。
そこはビジネスマンのカップルが多く泊まるところだったが、二人で別々に入れば他の人にバレることはない。
家でも社長室でも、あまり声を上げたりすると誰かが気付いてしまうかもしれなかったので、長く遊びたい時はそういった場所に行った。

大抵恭平の方が先にホテルに辿り着いて、シャワーを済ませてテレビを見て時間を過ごしていた。

ピンポン

ベルが鳴ったのでドアまで行くと、覗き穴から孝平の姿が見えた。
鍵を開けると、孝平が一輪の花をくれた。
「たまにはこういうのもいいだろう。」
笑って言う孝平は、なんだか楽しそうだ。
恭平は嬉しそうにその花を受け取って、ドアを閉めながらそれを眺めた。
「シャワーを浴びてくる。もう少し待っていなさい。」
「うん。」
恭平が頷いて、部屋の奥からバスタオルを差し出した。
その姿を見て、孝平が言った。

「ああ。バスローブだと、普段と違って見えていいね。」
「普段と違う?」
「そう。真っ白だ。いい感じ。」
孝平は恭平の顔を両手で包み込んで、顎を引き寄せた。
恭平が目を瞑る。
唇が触れ合うと、恭平の手からバスタオルが落ちた。

「ん…ぅ…。」
何度も唇を重ね直しながら、孝平の手は恭平の胸元へ滑り込んだ。
腰の紐一本で結ばれているだけのローブは、孝平の手が奥へ進むにつれて剥がれ、肩が肌蹴た。
「は…っ。」
熱い吐息が漏れる。
孝平は唇を塞いだまま、恭平の首筋や肩、鎖骨や胸の形を順番に指でなぞって愛撫した。
背中がゾクゾクとする感覚に、恭平が身を捩る。

「あ。」
孝平は、恭平の下半身に手を触れた瞬間に、ふと気付いて唇を離した。
「…?」
頬を紅潮させて、目を閉じていた恭平が、孝平を見上げた。
「どうしたの…?」
「つい夢中になってしまった。シャワーを浴びてくるよ。」
「あ…。う、うん。」

それは恭平も同じだった。
恭平は興奮冷めやらぬ身体を抱えて、バスローブを引き上げた。
その様子を見ていた孝平が、少しだけ首を傾けて、聞いた。

「…もう一度身体を洗おうとか、思わないか?」

その言葉に、今まで孝平の指が触れていた肌が、ジンと熱くなる。
キスを受けていた唇が、震えた。
「隅々まで洗ってあげる。」
「あ…。」
身体が覚えている感覚に、心臓が高鳴った。
孝平は恥ずかしそうに俯いた恭平の前髪を指で優しく掻き上げた。

恭平の瞳が、孝平を捕らえて。
一度目を逸らしてから、視線を戻して、恭平は小さく頷いた。


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