▼衣装指定15題
└07:ターザン


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杉野の家の風呂場が、壊れた。
そんな彼に誘われて行った銭湯で、良平が服を脱ぎながら言った。

「そういえば。ガキの頃、よくやったなー。」
「何を?」
杉野もズボンを脱ぎながら、良平の方を振り返らずに言った。
「ターザンごっこ。」
「…なに、それ。」

杉野が眉間に皺を寄せて、その単語の内容に笑いをこらえて良平の方を振り向いた。
目線の先に立っていた良平は、全裸の腰にバスタオルを巻いて、杉野にピースを向ける。
思わず絶句する杉野拓巳23歳。

「やんなかった?こうやってさ、タオル巻いて、家の中走り回るの。」
「…やんなかった。」
「そーか?結構楽しいぞ。俺んち兄弟でみんなでやってた。陣地とか決めて。」
「…そりゃかなりのハーレムだね。」
「えっ?」
「いや、なんでもない。俺んち母子家庭だから、そんな遊びなかったなー。」
慌てて話をすり替えて、杉野はタオルを手に取った。

「ところでさ、良平。ハダカ見せびらかすのやめて…みんな、見てるよ。」
そこのおっさんとか、あそこのヤンチャっぽいお兄さんとか。
「はぁ?知るかよっ。見るなら見ろってんだ!」

…ああ、どうしてこんなに男臭いの。良平ちゃんてば。
杉野は頭を抱えて一人、苦悩した。
呑気に鼻歌を歌いながら浴場に入っていた良平は、いつも以上にご機嫌だった。


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