▼衣装指定15題
└13:耳と尻尾


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珍しく良平が、かわいらしいことを言った。

「なあ、杉野。今週の日曜日、暇か?」
「うん。何?」
「ミニーちゃんに会いに行こう。」
「…。」

ミニーちゃん?
ミッキーちゃんじゃなくて?

「デッ…。ディ、ディズニーランド、行こう。」

「…にゃあ。」

顔を赤らめて、目線を伏せながら遠慮がちに言う良平は、おねだりモード全開。
意識はしていないのだろうけど、俺の心をがっしりと鷲掴みして離さない。

俺の変な声に眉根を寄せて、良平が顔を上げた。
ああ、いつもの良平だ。

「…にゃあ?なんだ、その変な声は。」
「んにゃ、いいよ。行こうか、ネズミの国へ。」
「マぁジぃでぇ!!嬉しい!やった!!」
あまりに派手に喜ぶ物だから、こっちの方が照れくさくなった。
そんなに行きたかったのかな〜。

「ミニーちゃんいいよな〜。ミッキーあんなかっこいいもんな。」

ん?

「俺ミニーちゃんになりてぇ。」

「…。」

はっきり言ってそれにはコメントしがたい。
だってミニーはネズミじゃん。

「じゃあさ、良平。」
「ん?」
「ミニーちゃんになって。」
「…は?」
「売ってるよな?耳と尻尾。」
「いや尻尾は売ってねぇだろ。耳も…」
「探すッ。良平に似合う尻尾、探すッ。絶対どこかに売ってるだろ。つけてる奴等いっぱいいるじゃんか。」
「尻尾…?」
「まずは耳だな。希望通り、ミニーなのは外せないよぉ、良平。」
「……は、恥ずかしい!いやだ!!」
「じゃあ、行かない。」
「……!!!」

頬を膨らませて黙る良平を尻目に、俺は目を細めるようにして笑った。
これだから良平をからかい倒すのはやめられない。

しょうがねぇ、今週は全額おごりましょうかね、お嬢様。


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