▼Under Title 15
└01:しようよ


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父さん、セックスしようよ。
この一言を言えるだけで、どんなに楽になっただろう。

初めからそんなにうまくないとはいえど、自慰を禁じられてから、一人で欲情してしまう日も何日かあった。
孝平が帰ってこないと、無意識のうちに恭平の中に何かが溜まってゆく。
まるで出口のない快感を求めるかのような。
忙しければまだ気を紛らわせて忘れることもできるのに、そういう時に限って何もすることがなくて。

ベッドに横になると、あの背中が見える。
裸になった自分を優しく、時には激しく愛撫してくるあの手が、見える。
はっとなって目を開けても、そこには誰もいない。
そういう時恭平は、行き場のない感情に何日も苦しまなければならなかった。

仕事場で顔を合わせても、孝平はいつものように笑うだけ。
自分だけこんなに苦しんでいることを、貴方は知っているのかと罵りたくなる。

欲求不満だよ、父さん。
早く抱いて。

恥ずかしいとか、情けないとか、思わないような性格よかった。
そうしたらこんなに苦しまずに、求めるものを得ることができるのに。

父さん。
セックス、しようよ。

今日も言えずに、ただひたすら待つ日々が来る。


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