▼Under Title 15
└05:接吻


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相田先生は、キスが巧い。
あんまり本気で俺とキスをしてくれたことはないけど、それでもわかる、この巧さ。
一体誰にどうやって、教わったのだろうか。

「鈴木って、キスもセックスも下手。全然だめ。」

相田先生はそうやって俺のことを馬鹿にするけど、じゃあ、一体誰が巧いっていうわけ?
有宮教頭先生か?
あの変態親父に勝つくらいなら、俺は下手で結構だと思う。

「じゃあさ、誰が巧いの。」
そうやって聞くと、相田先生は恥ずかしそうに目を逸らし、子ども扱いして話題を逸らす。
「俺頑張ってるじゃん。まさか、相田先生は突っ込まれる方が好きなの?」
「…っ。そういう恥ずかしい話は、先生しない。」
ほら、また生徒扱い。
まあ生徒なんだけどさ。なんかズルイや。

「…じゃあ、さ。俺、練習するから。先生もっかい。やろ。」

これで形勢逆転だ。
相田先生は恥ずかしそうに口を開けて絶句して、俺のことをまるでこの世の物じゃないような目つきで見てくる。
「ば、ばか言うんじゃありません。もうやんない!」
「えーっ。」
「ほら、授業行って。」
「なんでさっ。……じゃあ、キスだけでいい。」
「だめです。」
「キスさせて!チュウがしたい!接吻したい!!」
「せっ……。」

接吻っていう単語に驚いて、先生の動きが硬直した。
どうしてそんな単語知ってるんだっていう目。

俺はそんなことは構わずに、その愛らしい唇に、キスをしてやった。
下手だろうがなんだろうが、それでもいい。
この唇を感じることができるのなら、なんだって…!

「はっ。はやく、授業に行きなさいー!!」

相田先生は恥ずかしそうに拳を振り上げて俺のことを押し返した。
俺は一目散に逃げ出して、階段を降りながらニヤリとしてやった。
先生といっぱいいっぱいセックスして、キスもセックスも巧くなってやるんだから。
待ってろよ。相田センセイ!


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