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└10位:愛のある相田×鈴木
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鈴木は純粋で世間知らずで真っ向から体当たり型。
クラスメイトといるところを見る限り、そんな風には見えないのに。
おとなしくてインテリで、ちょっと嫌味な感じの生徒。
友達のこと、見下してるんじゃないかとも取れる態度の数々。
冷たくし過ぎるとショボンとなって、少しの餌でコロリと元気に復活するような可愛らしいところがあるなんて、きっとクラスの誰一人気付いてないんじゃないか。
そんなある意味変に突っ張ったところのある鈴木でも、友達関係で落ち込むこともあるらしい。
「俺ってうまく気持ちを伝えるのが下手なんだ。何気なく訂正しただけなのに、相手は全否定された気分になったらしい。いつも俺ばっか責められる。」
あの態度を見てれば仕方ないんじゃないか、という個人的な意見は辛うじて飲み込んだ。
俺は教師だから、友達みたいな安易なアドバイスはしてやれないんだ。
「うまく気持ちを伝えるにはどうしたらいいのかなぁ。お節介な友達はいらないけど、一緒に語れる友達くらいは俺だって欲しい。」
完全にいじめられっ子発言。
…いや、いじめっ子発言なのかな?
とにかく鈴木は落ち込んでいる。
生徒だからか、それ以上の何かがあるのかはわからないが、落ち込んだまま相談をされると一生懸命励ましてあげたくなっちゃう。
鈴木、頑張れ。
「気持ちを伝えるの、お前はとても上手だよ。」
「え?」
「少なくとも俺よりは上手。素直で真っ直ぐで…お前のそうゆうとこ、人間として魅力的だよ。」
「…ほんとに?」
「ああ。自信持って。今から会いに行って、正直にごめんて、本当はこうなんだって、言えるよね?」
「……先生がそう言うなら、言える気がする。」
鈴木は少し照れて、それでも可愛らしい笑顔を見せた。
俺も思わず顔が綻ぶ。
「じゃあさ、先生。」
「うん、何?」
「あの…うまく仲直りできたら、その…。」
鈴木はモジモジと気まずそうに、言いたいことを珍しく躊躇してる。
大方の内容は想像つくのだけど。
「………しょうがないな。うまくできたら、一回だけ、言うこと聞いてあげる。」
「…ッ!マジッ?!」
パッと嬉しそうに顔を上げた鈴木に、ちょっと後退りしたくなる俺。
ああ、言ったことに少し後悔……?
でも。
「…いいよ。う・ま・く・仲直りしてきなさい。」
「わかった!待ってて、先生!」
鈴木嬉しそうに頷いて、意気揚々と職員室から出ていった。
…。
うまく仲直りできたとしたら、その後の我が身が気になるところだが…。
鈴木の元気が戻ってくれることが何だかんだいって一番だから、まあよしとするか。
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