▼強気受けで10題
└2.知らなかった?
∴∵∴∵∴∵∴
「じゃーんけーん…、ポイ!」
良平:チョキ
杉野:チョキ
「あいこで…ホイ!」
良平:グー
杉野:パー
「うわぁ〜また…また負けたっ!」
「3連勝〜♪何回やっても同じだと思うけどなぁ。」
「いんや、次は勝つ…!!」
杉野は余裕綽々の笑顔で脇に置いたコアラのマーチから一粒取り出して、口に放り込んだ。
「早くしないと、コアラのマーチなくなっちゃうよ。」
「うぐっ……。ふん、次からは10連勝だっつーの!!ハイ、じゃんけーん…、」
「ポイ。」
良平:チョキ
杉野:グー
「…。」
良平は二本の指を立てた自分の指をマジマジと見つめて絶句した。
くそ…
「4連勝♪」
むかっ
「うるせーな!!次だ次!!」
「あのさー、良平くん、ジャンケンって時の運だと思ってない?」
「はぁ?…時の運だろ。」
「そんなことじゃあ、俺には一生勝てないよー。」
「ん、なにっ…。」
「じゃあもう一回やる?ちなみに俺は良平のことじっくりちゃんと見てるから。なんでもわかっちゃうからな。」
「はぁ?!」
「ささ、やるよ。じゃーんけーん…」
ポイッ
「…。」
「はい5連勝♪」
杉野は上々なご機嫌で次々とコアラのマーチを口へ放り込んでいく。
ああぁ、なくなってしまう……
「これでわかったでしょ?俺は良平のことすっっっげぇいつも見てるから、大体のことはお見通しなわけ。逆らおうったって無駄無駄〜☆」
「な、なんでっ?!…なんかズルしてるだろ!!」
「してないって。馬鹿だな、本当にわかんない?」
「う…っ。」
「ふふ。」
くそっ。悔しいっ。
「教えてあげようか。」
コアラのマーチ1つ残したところで、さすがに可哀想になったのか杉野が言った。
「良平ね、初めは必ずチョキ出すの。」
「あぁ?」
「そんで次は絶対にグーかパー。そんで次は、2回目で出さなかった方。」
つまり
チョキ → グー → パー
または
チョキ → パー → グー
「…うっそだぁー?」
「ははん、知らなかった?俺はずっと前から気付いてたよ。」
笑って言った杉野は最後のコアラのマーチを手に取った。
それをポーンと高く上げて、中空でパンッとキャッチ。
「欲しい?」
意地悪く微笑んで、杉野がコアラのマーチを良平の目の前にかざした。
「…いらん!いらない!勝手に食え馬鹿!!」
良平はかなり面白くないのかぶっきらぼうに叫んで、ぷいと顔を背けた。
あーあ、拗ねちゃった。
ちょっと言い過ぎたかな?
「良平。じゃあさ、」
杉野は良平の機嫌を取ろうと肩をポンポンと叩いた。
むすっとしたままとりあえず振り向く良平。
「これ、良平が勝ったら食っていいよ。負けても、食っていいよ。ただし、」
「ただし?」
「俺が勝ったら、今晩一緒に寝ようね〜♪」
楽しそうに首を傾げて聞いてきた杉野に、良平は瞬く間に顔を紅く染めて口を開けた。
「ばっ…ふ…っふざけんな!!誰がそんな…!!」
「はい、いくよ〜。ジャンケ〜ン…」
杉野の誘導に負け、良平は慌てていつものように。
…チョキを出した。
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