眼鏡はどうかそのままで



 チャイムが鳴る。次は自習なんだって。
「自習だよ! 杉山くん!」
「えっ……うん」
「自習にすることったらセックスだよ! 杉山くん!」
「なっ……なにいってんの?」
「みんなやってるんだから俺らもいこうぜ!」
「みんなって……うち男子校……」
「体育倉庫いこうぜ!」
 そういうわけで俺と草太郎と杉山くんとで体育倉庫へ行った。杉山くんったら毎日毎日予備校で放課後ちっとも遊べないんだから仕方ない。草太郎と二人の時は便所でも構わないけど三人でトイレはちょっときつい。体育倉庫とか初めてだから超ワクワクする。
「意外と狭い!」
「ほんとだ意外と狭いね!」
「ちょっと片付けるから草は杉山くんといちゃついてろよ」
「そうする!」
「えっ、待って、……やだよ」
「大丈夫大丈夫、チューしよ」
「えっ、まっ……、んん、んっ」
 草太郎と杉山くんがチューしてる隙にマットが敷けるスペースを確保する。完璧だ。マットの耳もしまっておこう。安全にも留意した。ステキ!
「準備できたよ!」
 報告しても二人とも聞いてない。折角マット敷いたのに立ったままチュッチュしてる。マットを使えよマットを! 寝そべろうぜ。
 杉山くんの背後を取る。俺もキスしてー。でも草太郎が止める気配がない。仕方ないから服の中に手をいれて乳首などを弄ぶことにした。
「んっ! やっ、あっ」
 指先でくるくると円を描いてみたり、つまんだりすると杉山くんは背を仰け反らせて抵抗する。エロい。全然抵抗になってない。というか杉山くんのケツが俺の股間に擦りつけられている。不可抗力か? しかし杉山くんは賢いから狙って俺を誘惑しているのかもしらん。
「杉山くん勃起してるね」
 キスを止めた草が言う。
「俺もしてるよ!」
 俺が言ったら草も続く。
「俺もしてるよ!」
 それじゃあもうマットを使用しないわけにはいかないな。

 上着とズボンを脱いだ杉山くんを中央に寝かして両端に俺と草太郎がそれぞれついた。草は杉山くんのアナルを舐めつつ指を突っ込み合間合間にちんこなどにちょっかいを出している。俺は俺で杉山くんに咥えてほしいものの杉山くんは口を開けてくれない。
「杉山くーん、あーんして、あーん」
「やだっ、やっ……ん、……はぁっ」
「もー、仕方ないなぁ。それじゃあお顔に擦りつけるからね」
「やっ! やだぁ!」
「じゃあ、あーんして。はい、あーん」
 渋々といった感じに杉山くんは薄く唇を開く。かわいい。素直かわいい。隙間にねじ込む。柔らかい口の中はなかなか居心地がいい。杉山くんはフェラの仕方なんか知らないから口の中に擦りつけるように腰を動かす。
「吸って、杉山くん」
 苦しそうに杉山くんは眉を顰めた。けれど言われた通りに吸い付いてくる。なんて素直なんだ。さすがお勉強ができるだけある。杉山くんの頭を押さえて自然と腰の動きが早くなる。杉山くんの眼鏡がずれる。ヤバイ。エロい。草太郎の言う意味が分かった気がする。杉山くんの眼鏡にかけたい。
「入るかなぁ」
 草太郎が杉山くんのアナルにペニスの先を擦りつけて言った。
「無理そう?」
「多分入ると思うよ。もう指三本入るもん。ね、杉山くん!」
「んんんっ!」
 背骨の先、尾てい骨の更に先、杉山くんのアナルに草のちんこがゆっくり埋まっていく。ヤバイ。いく。出る。ごめん、杉山くん。
「あっ、あっ!」
 杉山くんの口の中へ全部出してしまった。眼鏡にかけるのは今度にしよう。
「んっ、んく」
「飲んだ?! 飲んだの杉山くん!」
「飲まなくていいんだよ!」
 愛しくてたまらんな、杉山くん。草に突き上げられる身体を抱きとめるようにしてキスをする。先ほど散々草に舌をねぶられたせいか杉山くんの舌はとても従順に絡まってきた。ほんのり精子くさい。
「草、俺杉山くんの入れたい」
「待って、じゃあ、体勢変える」
 草が寝転んで杉山くんは騎乗状態となった。杉山くんとキスしてる間に己がアナルを解していたが入るものか。大丈夫、いける。いく。
「くっ……うぅっ、で……、かいね、杉山くんの」
「はぁあっ! まっ、待って、だめっ! だめっ、それ」
「あっ、あっ」
「やだっ! やっ、あ、……ぁ、くっ」
 数回内壁に絞られただけで杉山くんはイってしまった。非常にときめくものはあるものの、俺としてはまだ満足できない。腸内での再勃起を狙い腰の動きを止めずにおく。
「あっ、いいよっ! いいっ! 杉山くん、もっと突き上げて」
「あ、あ、またっ、またイく、やだっ、や、あ、あぁっ!」
 杉山くんの二発目を受けながら自分のちんこもガンガン擦って精子を飛ばした。
「やべぇ」
 すごい充実感だ。とろけきった杉山くんの目尻に残る涙を吸う。キスをする。杉山くんはコクコクと喉を鳴らして唾液を飲み込む。俺はなんだか毎日杉山君とキスしたい。
「はぁ、……草ずいぶん長持ちじゃん」
 いつもに比べていつまでも杉山くんの尻を犯し続けている。
「バッカ、何回いったと思ってんだよ」
「言えよ! 代われよ!」
「いいよ、疲れてきたし」
 体勢を入れ替えて俺は草太郎の精子を多量に注がれた杉山くんのアナルに差し込んだ。とろとろに解れつつ充分な締め付けもある。とろとろアナルのフルーニュと名付けよう。前立腺を狙ってピストン運動を開始すると杉山くんはまだ高い声で喘いだ。草よりも杉山くんを気持ちよくさせたい的なそういう感情があったりで俺は一生懸命杉山くんがいいように腰を動かした。草は汚れたペニスを杉山くんに舐めさせていてとてもうらやましい。俺も後でやってもらおう。

 なんやかんやでチャイムが鳴る。
「はっ! 夢か……」
 夢でした。
「草、俺いますげーエロい夢みたぁ」
「マジで? 俺もー」
「ねーねー、杉山くんはエロい夢みたぁ?」
「……」
 黙っている。残念だ。
 ガラガラと教室の扉が開く。体育教師が顔を出す。
「次、自習なー」
 なんということでしょう。
「自習だよ! 杉山くん!」
 夢は絶対実現させたい。だって、叶わない夢はないのだから……。



(09.4.30)
置場