SAFETY LOVE(最後のつぶやき) 不幸な三組のカップルから、それぞれ事情聴取を終えたホウアンは、やってきたトウタが煎れてくれたお茶を飲みつつ手元のメモを見る。 「それにしてもいろんな意見があるものですねぇ」 ホウアンが首を傾げる。 「使い心地、耐久性、持久性だけではだめなんですね。サイズと簡易性と味……と。ふむ、なかなか大変ですよ、これは。まさか味まで注文されるとは夢にも思いませんでしたしねぇ。でもやりがいがあるというものですね。さぁ、がんばって次の改良版を開発しなければ。そうそう、ちゃんと仕上がった時には、今回協力いただいたみなさんにもちゃんとお渡ししなければね」 ホウアンはやる気満々である。 数ヵ月後、再び呼び出した6人は、喜んで協力するという者、二度と近寄るなと叫ぶ者、笑顔を見せつつも丁重に断りを入れる者、無言でその場を立ち去る者などいろいろで、とてもまともに話ができる状態ではなかった。 「せっかく無料でお渡ししようとしたんですけどね」 今度こそは完璧だという完成品を手にしたホウアンは、残念そうにつぶやいたとか。 |
この辺で勘弁してください。もう何も言いますまい……。ホウアン、医者としては優秀だが何か間違ってる……… |