HAPPY  MODE


 
「転勤???」
 焼けあがったばかりのグラタン皿を手に、キッチンから出てきたシーナが素っ頓狂な声を上げた。
 ただいま、午後8時。
 めずらしく早く帰ってきたハンフリーは、いつものように先に風呂に入り、その間にシーナが慣れない夕食の支度をし、さぁ今から二人で美味しくいただきましょう、というまさにその時だった。
 フローリングの床に胡座をかいて、よく冷えたビールを飲んでいたハンフリーが言ったのだ。
 転勤になった、と。
 一瞬、その意味が分からなかったシーナは、ハンフリーの向かい側に座ると、もう一度聞きなおした。
「どういう意味?」
「だから転勤になった。正確には出向だ。1年間の期限つきだ」
「えー引越しすんのー???」
 シーナはむっと唇を尖らせ、嫌だなぁと洩らす。
 この社宅に越してきてまだ3ヶ月。けれど、隣のカミューとはすっかり仲良しだし、真上に住んでいるいるフリックにもよくしてもらっている。今さら、知ってる人のいない土地へ引っ越すというのは、どうも気が乗らない。
 でも、転勤なら仕方がない。とシーナが小さく溜息を洩らしていると、ハンフリーがさらに追い討ちをかけることを口にした。
「1年だからな、お前はここにいていいぞ」
「…………はぁ?????」
「出向先で単身赴任用のワンルームマンションを用意してくれるらしいので、申し込んでおいた。どうせ、1年で戻るんだ。一緒に行ってもまた戻るだけだ。お前はここにいればいい」
「ちょ、ちょっと!!!!!」
 びっくりしたシーナが思わず立ち上がる。無表情なまま食事を続けるハンフリーに、むかむかと腹が立った。
「何だよ、それっ!!!!俺に一人でここに残れっての??一人で??だってまだ結婚して3ヶ月もたってないんだぞ!!!」
「仕方ないだろう。仕事だ」
「嫌だっ!!!一緒に行くっ!!」
「シーナ、1年なんてすぐだ。休みには戻ってくる。別に一人でも平気だろう?」
 何をそんなに怒っているのだ、と言わんばかりのハンフリーの言い方に、シーナはさらに激怒した。
「あんたっ!!分かってんの?俺たちって、今、新婚生活真っ只中なんだぞ!!!だいたい、仕事が忙しいからって新婚旅行にだって行ってないのに!!!いつもだって、帰ってくるの遅いから、ろくに一緒にいられないってのに、単身赴任??そんなのあんまりだよっ!!ひどいっ!!」
 はぁはぁと肩を上下させるシーナに、ハンフリーは少し落ち着けと低く言う。
「これが落ち着いてられっかよっ!!くそっ!!」
 シーナは言うなり、ばたばたとリビングを飛び出した。
 こんなこと、黙ってはいそうですか、と受け入れられるほどシーナは大人しくはない。
 シーナは勢いよく玄関を飛び出すと、一目散に階段を駆け上がり、自分たちの部屋の真上にあたる部屋のチャイムをがんがん鳴らした。
 やがてかちゃかちゃと鍵を開ける音が聞こえてきた。
「あーはいはい、今開け……っ…うわぁ!!!」
 ばたんっと勢いよく扉を引っ張られ、鍵を開けたフリックは思わず叫んだ。目の前には階下に住んでいるシーナ。怒り心頭といった顔でフリックを睨んでいる。
「ど、どうした?シーナ」
「ビクトールはっ?!!!帰ってんだろ!!!」
「あ、ああ、さっき帰ってき……お、おい、シーナ??」
 フリックを押しのけ、慌しく靴を脱ぎ、シーナは自分ちと同じ間取りの部屋の中を一目散にリビング目指して駆け出した。
 ばたんっと大きな音をさせて扉を開けると、そこにはビール片手にナイターを見ているビクトールの姿があった。
 ビクトールは突然やってきたシーナを見て、ニヤリと笑う。
「よぉ、そろそろやってくるんじゃねぇかと思ったぜ」
「あ、あんたっ……あ、あんまりじゃ、な……」
 シーナはビクトールに掴みかかると、ゆさゆさとその肩を揺さぶった。
「どうしてハンフリーを出向になんてしたんだよっ!!!ヒドイじゃないかっ!!」
「あーちょっと落ち着けって。フリック、水でも持ってきてやってくれ」
「あ、あぁ」
 いったい何が起こったのか分からないフリックは、言われるがままにグラスに水を汲んでシーナへと差し出した。
「ほら、それ飲んで、ちょっとは落ち着けって」
「くそー!!!」
 フリックの手からグラスを奪い取ると、シーナは一気にそれを飲み干した。いったい何なんだ?とフリックが心配そうに瞬きをする。
「ほら、大きく深呼吸してみな」
 ぜいぜいと息をするシーナに、ビクトールが笑いを堪えつつテレビのスイッチを切る。とたん静かになる部屋の中。
 シーナは整った息で目の前のビクトールを睨んだ。
 ビクトールはハンフリーの同僚で、同じ会社の人事課長だ。ちなみにフリックは新入社員の時に人事課に配属され、あっという間にビクトールのお手つきとなってしまい、あれよあれよという内にこうして夫婦となってしまっていた。
 シーナがアルバイトとして、ハンフリーが課長をしている営業課にいる時から、フリックにはいろいろとよくしてもらっているだけに、初心なフリックがビクトールの毒牙(?)にかかるのを見るのは可哀想だったが、まぁ本人もまんざらでもないようなので、いいのか、と思ったり。
 とにかく、この夫婦もシーナのところに負けず劣らずの新婚さんで、毎日毎日馬鹿っぷるぶりを発揮してくれているのだが、そんなことは横へ置いておいて、今はハンフリーの出向のことである。
 シーナはばんばんとガラスのテーブルを叩く。
「あんたが、ハンフリーの人事異動を決めたんだろっ!!」
「あーまぁ、それが仕事だからなぁ」
「どうしてだよっ!!」
 ぱたぱたと涙を零すシーナに、ビクトールはやれやれと肩をすくめた。
 相変わらず感情の波が激しいなぁと内心ハンフリーに同情をしてみたり。それでも、素直すぎるほど素直な反応を羨ましく思ったり。
 ビクトールは腕組をして、シーナの疑問に答えた。
「うちの会社が新しく支社を作ったのはお前も知ってるだろう?そこの営業部門が軌道に乗るまで、どうしても本社から人を貸してくれって言われてな。ハンフリーを外に出すのはこっちだって痛いが、他に適任がいないんだから仕方がない。たった1年だ」
「………1年で軌道に乗るって、どうして分かるんだよっ!」
「お前も痛いとこ突くねぇ」
 苦笑しつつビクトールが唸る。
「まぁ、そりゃハンフリーの腕次第だな。本当なら3年くらいは腰落ち着けて基盤作りをして欲しいところだが、あいつが1年で戻るから出向扱いにしてくれって、シュウに頼み込んだんだぜ。転勤になると、お前がここを離れなきゃならなくなるし、それは可哀想だからってな……何が何でも1年で戻るつもりだぜ、ありゃ」
「え?」
「お前は家出同然に飛び出してハンフリーのとこにやってきただろ。頼れる人間も他にいないし、辛い思いしてんじゃねぇかって、な。でもまぁ、ここにいれば、フリックやカミューがいるから、お前も淋しくないだろうってな」
 シーナはきょとんとビクトールを見つめた。
 ふわりとビクトールの視線が優しくなる。
「旦那は旦那なりに、お前のこと、心配してんだぜ」
「…………」
 ビクトールの台詞にシーナは言葉をなくした。
 ハンフリーと恋仲になり、一緒に暮らすと言い出したシーナに、父親のレパントは当然のごとく大激怒した。16歳も年上の男に、大事な大事な一人息子を攫われるなんて、絶対に許さないと怒鳴ったのだ。
 親子の縁を切ってでも、ハンフリーと一緒になると言ったシーナは、半ば家出同然にハンフリーのもとへとやってきた。
 レパントが経営するトラン商事は、ビクトールたちの会社の取引先の中では最大手だったので、会社の役員たちは顔色を変えたようだが、そんなことは知ったことではない。
 シーナにとって、一番大切なのはハンフリーで、それ以外のことはどうだって良かったのだ。
 だから淋しいなんて思ってことはなかった。
 辛いなんて思ったことはなかったのに。
 ハンフリーが、そんな心配してたなんて全然知らなかった。
 シーナが家を飛び出してきた時も、何も言わずに受け入れてくれたから。ただそれだけで嬉しかったから、それ以外のことなんて何も考えていなかったのだ。
 もしかして、ハンフリーは自分の知らないところで、いろいろと動いてくれていたのだろうか。シーナがそんな疑問をビクトールに投げかけると、ビクトールはちょっと困ったように軽く肩をすくめた。
「ま、当事者のお前が何も知らないのは可愛そうな気もするが、旦那が何も言わないのに部外者の俺がぺらぺらしゃべるわけにもいかないからなぁ」
「いいから、言えよ」
「ったく、可愛くねぇな」
 苦笑しつつも、ビクトールはじゃあ少しだけだぞと言って、手の内を明かしてくれた。
 ハンフリーはシーナが父親と絶縁状態になるのは可愛そうだと、シーナが家を飛び出してきた直後にレパントと会ったらしい。
 そこでどんな話し合いがあったかは分からないが、シーナが家を飛び出したことは許していないものの、勘当することは思いとどまったらしい。
「愛されてるな、お前」
 横で話を聞いていたフリックが思わず微笑んだ。そんなフリックの反応に、ビクトールがむっと眉をしかめる。
「お、聞き捨てならねぇな。俺だって同じ立場だったら同じことやってたぞ」
「どうだか」
 しれっとそっぽを向くフリックに、ビクトールが反論しようと口を開いたところへ、玄関のチャイムが鳴った。
「来たな」
 フリックが立ち上がり、リビングを出て行く。
 誰がやってきたのかは言うまでもない。
 ビクトールはシーナの頭をぽんぽんと叩いた。
「喧嘩するんじゃねぇぞ」
「……しないよ。うんと甘えるだけだ」
「お前の場合、そっちの方が怖いよなぁ」
 何でだよっ!と頬を膨らませるシーナに、ビクトールは笑った。二人でぶつぶつと文句を言い合っていると、フリックに連れられたハンフリーが姿を見せた。
 シーナを見ると、深々と溜息をつく。
「シーナ………」
「……だって…」
「だってじゃない。帰るぞ。……悪かったなフリック」
 ハンフリーがシーナの腕を取り、立ち上がらせる。
「痛いだろっ!!一人で歩けるってば!!!離せよっ!!」
 じたばたと暴れるシーナを抱きかかえ、ハンフリーがビクトールを見た。
「すまん、邪魔したな」
「いいや、せいぜい可愛がってやるこった」
「?」
 ニヤニヤと笑うビクトール。ハンフリーは首をかしげたままシーナを連れて、部屋をあとにした。慌しくやってきて、慌しく帰ってきた階下の住人。フリックはビクトールの隣に腰を下ろすと、やれやれと肩をすくめた。
「そうか、ハンフリー、出向になったのか」
 単身赴任となると、シーナが淋しがるだろうな、とフリックは思う。まだ19歳のシーナが1年も一人で耐えられるのだろうか?と余計な心配もしてしまう。
「ま、あいつのことだ、何があっても1年で帰ってくるだろさ」
「だな」
「ところでよぉ…もし、俺が転勤になったら、お前もシーナみたいに、泣いて嫌がってくれるのかね?」
 ビクトールがフリックを引き寄せて、青い瞳を覗き込む。
「アホくさ、そんなことするわけないだろ」
「ちぇ、冷たいねぇ」
 フリックはじろりとビクトールを睨んだあと、溜息をともに吐き出した。
「……どうせお前のことだ、俺が行きたくないって言ったって、強引に連れていくんだろう?俺が行くな、なんて言う必要はないじゃないか」
「…………」
 ビクトールはフリックの言葉に目を細め、そのまま床に押し倒した。びっくりしたフリックが迫ってくる男の頬をぐいぐいと押し返す。
「ちょっ……!!何するんだよっ!!ばかっ!!離せっ!」
「お前、だんだん俺のこと分かってきたな」
「くそっ!お前も俺のことちょっとは分かるようになれよっ!!こ、こんなところでするのは嫌だっ!」
 じゃ、ベッドに行くか。
 耳元で囁かれた言葉に、フリックは固まってしまった。
 それも嫌だ、とは言えない自分が恨めしかった。


 シーナの手をしっかり掴んだまま階段を下り、自分たちの部屋の扉を開けたハンフリーは、中に入るなり、深々と溜息をついた。
「まったく、お前はどうして……」
「だってっ」
 シーナは言うなり、飛びつくようにしてハンフリーの首に両腕を回して抱きついた。押されるようにして、ハンフリーが壁に手をつく。
「ずるいよ……」
「?」
 華奢な身体を支え、ハンフリーがシーナの言葉を待つ。
「ずるいよ、ハンフリー。どうして何でも自分一人で決めちゃうんだよ」
 シーナはハンフリーに抱きかかえられたまま、少しだけ身体をずらして、ハンフリーを見上げる。怒ったような表情で自分を見つめるハンフリー。けれど、怒ってるわけじゃないことは分かってる。
「そりゃ、ハンフリーから見れば、俺なんてまだまだ子供で、頼りなく見えるのかもしれないけど、だけど、一緒に生きていこうって、これからずっと一緒にいようって決めたのに、どうして勝手に決めちゃうんだよ。どうして俺の気持ちを聞いてくれないんだよ。俺は、あんたのそばにいられたらそれでいいのに。あんたが思ってるほど、俺は弱くないし、子供でもない……」
「………」
「俺のこと大切にしてくれてるのは嬉しい。とっても嬉しい。だけど、俺だって、あんたのこと大切にしたいんだ。あんたは、俺と離れても平気なの?淋しくないの?1年も離れてて、何ともないの?」
 溢れ出した涙を見るのが辛くて、ハンフリーはシーナの頭を胸の中に抱え込んだ。じわりとシャツが湿っていく感触に、ハンフリーは自分が大きな間違いをしていたことに気づいた。
 子供だと思っていた。
 いつも明るいシーナが、実はけっこうな淋しがり屋だということが分かっていたから、だから、ここに残る方がいいだろうとそう思ったのだ。
 けれど……
「シーナ」
「………」
「シーナ……俺が悪かった……」
 ハンフリーの声に、シーナはのろのろと顔を上げた。濡れた頬を、ハンフリーが指先で拭う。そして、そのままくしゃりと前髪をかきあげた。
「お前の言う通りだ。お前のためにはその方がいいだろうと……そう、勝手に決めつけたのは…俺が悪かった。…だから……泣かないでくれ……」
 シーナはくすんと鼻をすすった。
 自分よりもうんと年上で、いつも不機嫌そうにしているハンフリー。それが、こんな風に困った顔をして謝る姿なんて、いったい誰が想像できるだろうか。
 けれど、そんなところが好きだと思うのだ。
 子供扱いしているくせに、ちゃんと自分の非は認めて謝ってくれる、そんなハンフリーの誠実なところが、とてもとても好きだと思うのだ。
「ハンフリー…俺のこと好き?」
「………」
「ねぇってば!ちゃんと答えろよっ」
「……そういうことを真顔で聞くな」
 むすっと不機嫌そうに言い捨て、それでも身を屈めてシーナに口づける。次第に深くなる口づけに、シーナはうっとりとその身を任せた。





「でも連れてってくれないんだ」
 くったりとテーブルに突っ伏したまま、シーナがしくしくと泣き真似をする。キッチンからトレイにお茶のセットをしてきたフリックが、困ったようにソファに座るカミューを見た。
 日曜日。休日出勤でビクトールもハンフリーもマイクロトフもいないため、残された3人は久しぶりにフリックの家に集まっていたのだ。
「結局ハンフリーは単身赴任なのか?」
 シーナは大仰に溜息をついて、潤んだ瞳でフリックを見あげた。
「もう決まったことだから、今から変えることはできないって言うんぜ?どう思う?あんたからビクトールに言ってくれよ」
「え?何で俺が……」
 いきなり話をふられて、フリックが困惑する。
「まぁまぁ、仕方ないじゃありませんか。仕事なんですし」
「カミュー!あんた、他人事だと思って!!あんただってマイクロトフが単身赴任するなんて言ったら怒るだろっ」
「当然です。そんなことしたら、即離婚です」
「…………」
 何でこいつらはそういうことを素面で言えるんだ?とフリックは少々脱力してカミューの隣に腰を下ろした。それでも、落ち込んでいるシーナを慰めようと言葉を選ぶ。
「シーナ、1年なんてあっという間だぞ。それに、ほら、たまに会う方が……し、新鮮でいいんじゃないか?えっと…いつまでも新婚気分でいられるっていうか……」
 言いながらも、フリックは何で俺がこんなことを……と内心涙する。
「だって〜」
「大丈夫ですよ。ハンフリーさんは間違っても浮気なんてしないでしょうし」
「当たり前だろっ!!」
 がばっとシーナが身を起こして、カミューを睨む。
「そんなこと絶対にさせやしないぞっ!っていうか……」
「??」
「そうだよな、離れちゃうと出来ないんだよな、わーそれの方が嫌だー!!」
 シーナが絶対に嫌だー!!!と泣き喚く。
「できないって何が?」
 フリックが小声で隣のカミューに尋ねる。
「セックスですよ」
「なっ!!!!!」
 とたん真っ赤になったフリック。
 自分だって新婚で、毎晩のようにやってることだろうに、いったい何が恥ずかしいのやら、とカミューは隣で固まるフリックに笑いを洩らす。
 まだ嫌だ嫌だとダダを捏ねているシーナをカミュー慰める。
「まぁまぁ、シーナさんの気持ちも分かりますけど、久しぶりに会うと、それはそれはいつもより情熱的にできるものですし……」
「我慢できるかよっ!!」
「ごもっとも。じゃあ、そうですねぇ、あ、電話で、というのはどうですか?」
「電話って?」
 唇を尖らせるシーナにカミューが満面の笑みを浮かべ、厳かに口を開いた。
 出てきた言葉は……
「テレフォンセッ……」
「わー!!!!!!そんなこと、く、口にするなー!!!!」
 フリックがむぎゅっとカミューの口をふさいだ。ぜいぜいと息を切らして、フリックが勘弁してくれーと喚く。そんなフリックの肩を、はいはい、とカミューがたたく。
「テレフォンセックス?やったことないなー。それって、自分でするんだろ?」
 楽しいのかよ、それで?とシーナは疑わしそうにカミューを見る。
「ま、一度試されてはいかがですか?案外と楽しいのではないかと思いますが」
「……それって経験談?」
「ご想像にお任せします」
 優雅に微笑むカミュー。
 すごいなぁと感動したようにカミューを見つめるシーナ。
 そんな二人についていけない、と涙を流すフリック。
 性格のまったく違う3人だが、意外と馬があうのが不思議なところである。
 シーナはカミューから提案された新たな楽しみについて、あれこれと考えはじめていた。単身赴任も悪くないかもしれない、と少しだけ思い直し、前向き(?)にこれから先のことについて計画を立て始めるシーナだった。
 
  


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