24/7/365 がらにもなくビクトールがロマンティックなプレゼントをしたものだ。 満天の星空とピンクのドンペリ。 いったいどんな顔をして考えたのだろう、と思うと自然と笑いがこみ上げてくる。 「なぁに笑ってんだよ」 「いや…」 冷え切った身体を火を入れた暖炉の前で暖める。ビクトールがフリックの隣に座り、その肩にブランケットをかけてやる。やけに紳士然とした行為にフリックは笑ってしまう。 「ずいぶんサービスがいいんだな」 「ふふん、当然下心はあるぜ」 そうだろうな、とフリックはため息をつく。もっとも、今夜はこんなサービスをしてもらわなくても、拒む気はさらさらなかった。ビクトールの指がフリックの顎にかかり、熱い吐息とともに唇が塞がれる。 何度も角度を変えてより深く重なる場所をお互いに探りあう。貪るような口づけに身体がだんだんと熱くなっていく。音を立てて舌が絡まり、お互いの唾液を交し合う。 「ん…ふ、ぅ…」 激しいキスの合間に、ビクトールは器用にフリックの衣服を剥ぎ取っていく。暖炉からの熱で寒くはないものの、それでもフリックは思わずブランケットを引き寄せた。 「寒いか?」 ビクトールがフリックの目を覗き込む。 「いや…だが…ここでするのか?」 こんな床の上で? 「たまにゃあいいだろ。刺激的で」 「ばか…」 笑ったフリックの唇をもう一度塞ぎ、ビクトールは指をフリックの下腹部へと這わせた。敏感な花心をぐりっと撫でる。びくんとフリックの身体が震えた。 「んん…」 少し触れただけで勃ち上がり始めるそれにビクトールは低く笑って、ゆっくりと扱き上げ始める。そのリズムにあわせてフリックの口腔も嬲り尽くす。それに応えるようにフリックの熱い舌先がビクトールの舌を追いかける。軽く噛んでやると逃げるように引っ込み、そしてまたすぐに追いかけてくる。 「ふぅ…う…」 息が苦しくなったのか、フリックが顔を背けた。そんな仕草にもビクトールはどうしようもなく欲情してしまう。すがりつくフリックを片手で抱きながら、視線を落として、濡れ始めた花心を上下に擦り上げる。 「あっ…あ…んぅ…」 ぎゅっとフリックがビクトールの腕を掴む。 「気持ちいいか?」 「…う…っん」 答えはなくとも、とめどなく溢れてくる蜜で分かる。フリックが腰を浮かせて身じろぎした。 「いや…」 「おいおい、もうイくつもりかよ?」 早すぎるんじゃねぇか?とビクトールはフリックの耳元で囁く。意地悪な囁きに反論することもできないほど、ビクトールの与える刺激に感じ入っていた。溢れ出す蜜でビクトールの指の滑りがよくなり、だんだんと激しく扱かれる。 たまらない。 「ああ…やっ…イく…あっ…ああ」 フリックの脚がびくんと震え、次の瞬間、ビクトールの手の中に絶頂の印を吐き出した。びくびくと震える背中を撫でながら、ビクトールはなおも花心を嬲る。 「いや…」 「ん〜?まだイきたりねぇんじゃねぇか?」 ぬるぬるとした指の動きが耐え切れず、フリックは続けざまに二度目の精を放つ。べっとりとした液が内腿を伝った。 「最低…」 耳まで真っ赤にしたフリックにビクトールは軽く口づける。 「別にいいじゃねぇか。恥ずかしかることなんて何もねぇだろ」 今さら、俺とお前の仲でよ。 ビクトールは手を伸ばしてプレゼントしたばかりのドンペリを口に含むと、ぐいとフリックの顔を正面向かせて、口移しで喉へと流し込む。 「んっ…んっ…」 ごくりとフリックの喉が上下する。極上の酒の味も、そのあとに続いた激しいキスにかき消されてしまう。どんな酒よりも甘い味。 「んっ…!!」 いきなり冷たい液体が胸元を伝う感触に、フリックはびっくりして顔を上げた。見ると、ビクトールがフリックの胸に酒瓶を傾けていた。 「おまっ…何やってんだっ」 「はいはい、黙ってな」 ビクトールはフリックの胸へと舌を這わせ、濡れた尖りに吸いついた。じゅるっと酒を口に含む音。 「ばかばかばか…お前はほんとにバカだっ」 高い酒を用意したのも、本当はこれが目的だったんじゃないかと思えてくる。ぺろぺろと舌で舐められ、流しかけられた酒を綺麗に舐め取ってしまうと、ビクトールは再び酒瓶に手を伸ばす。 「もう、いいからっ、酒は酒だけで飲めっ」 フリックが怒鳴る。だいたいせっかくプレゼントされた酒をこんなことで流してしまうのはもったいない。 「んじゃもっといいとこに飲ませてやるよ」 ビクトールは組み敷いたフリックの脚を大きく広げると、酒瓶を傾けて自分の指を濡らし、そのままフリックの双丘の狭間へと押し込んだ。 「はっ…なっ…に…」 指先がぐちゅっと沈みこむ。敏感な内壁がアルコールの刺激にびくびくと引きつるような収縮をした。 「最低だっ…いった…」 「へへ…お前のここはいいみたいだけどな」 かき回すように指を回してみる。ぐちゅりと卑猥な音を立てて、指を飲み込んでいく。二本に増やしてみても、何の抵抗もなく受け入れる。何度もこうして慣らしているのだ。フリックのどこかいいところか知り尽くしたビクトールは簡単にフリックを追い上げていく。 「いや…んぅ…んっ…ああっ」 中を刺激され、フリックの花心が再び頭をもたげ始める。ゆるゆると指を出し入れされ、腰の辺りがずくずくとした快楽に犯され始める。 ビクトールが身体をずらして、フリックの下腹部に顔を埋めた。 「やっ…」 思わず閉じかけた脚をビクトールが肩で押さえ込む。ぐちゅぐちゅと後ろの蕾を解しながら、フリックの欲望にも舌を這わせる。自分がどんな格好をしているのか考えただけでも死にたくなる。 身を捩ってビクトールの責めから逃げようとしても叶わず、フリックは大きく息を吐くと両腕で顔を覆った。もう何度となくビクトールに抱かれ、ビクトールの目に晒されていない所などないというのに、それでもやはりどうしても恥ずかしいと思ってしまう。 「んぅ…ふ…あっああ」 ビクトールの舌が滴りをすくい上げるようにして口腔に含み、そのまま喉の奥できつく締め上げる。 「はっ…ああ…駄目…」 凄まじい快楽に意識が飛びそうになる。あと少しで…というところで、ビクトールは指を引き抜くと、フリックの脚を胸につくほどに折り曲げ、圧し掛かった。 「挿れるぞ、力抜け…」 十分にそそり立った欲望をひくつく蕾へとあてがい、一息で突き立てる。息を飲んだフリックが助けを求めるように腕を伸ばした。その色の白い二の腕に噛み付くようにしてビクトールが顔を埋める。 「ああっ…あ…ビクトールっ…はっ…」 フリックの脚が空を切る。最奥まで膨れ上がった欲望で貫いてしまうと、ビクトールは動きを止め、ずり上がろうとするフリックの肩を掴んだ。 「ほら…どうだ…俺が中にいるの…感じるか?」 「ん…うぅ…」 「お前の中に…」 ずるりと引き抜き、ぎりぎりのところで再び埋め込む。言われなくても十分感じている。フリックはがくがくとうなづくとパタパタと涙を流した。うっすらと開いた唇が妙に色っぽい。漏れる吐息が甘すぎて… 「くそっ…」 ビクトールは低く唸ると激しく突き上げを開始した。熱を持ってぬかるんでいる蕾に押し込んだ己の欲望を揺り動かし、フリックを泣かせる。 「あっ…ああ…ぅん…いや…だっ」 フリックは手の甲をきつく噛む。これ以上あられもない声を上げるのは耐えられない。しかし、ビクトールがあっさりとその手を外した。 「ばか…噛み付くなら俺の肩にでも噛み付いてろ…」 「ひっ…ぃああ…あっあっ…」 一番感じる部分を容赦なく擦り上げる。がしがしと繰り返される律動。フリックは無意識のうちにビクトールの首に両腕を回し強くひきつけていた。ぴったりと密着する肌にわけもなく安心する。 ビクトールがフリックの首筋に吸い付き、薄紅色の花を散らす。 「お願い…も…イかせ…」 舌がもつれたようにフリックの言葉が途切れる。ビクトールが完全に勃ちあがったフリックの花心に触れたとたん、それはどくんと音を立てるほどに激しく爆ぜた。瞬間、中をきつく締め上げられ思わずビクトールもイきそうになったが、何とか堪え、再びゆるゆると挿送を始める。 「いやぁ…も…ゆるし…」 すでに3回イかされて、フリックはもう身体に力が入らない。はらはらと涙を零す顔を見ていると、可哀想だと思う反面、もっと泣かしてみたくなる。ビクトールは太腿を抱えると容赦なく肉棒を打ち込んだ。腰を回し、スピードを上げて自らを高みへと追い込んでいく。 「フリック…すっげぇ気持ちいい…さいこー…」 「はぁ…ああ…」 フリックがびくびくと痙攣を繰り返す。からみついてきた肉壁の締め付けに、ビクトールは、どくっとその精をぶちまけた。一度では収まりきらず、二度三度とフリックの中へと吐き出すと、やっと満足できたように大きく息をつく。 「……ふぅ…」 どさりとフリックの上に身体を横たえ、耳たぶに噛み付いた。 「いてっ…お前…イったんならさっさと抜けっ」 「ん〜もうちょっとこのままな…さっきからお前、ぎゅうぎゅう締め付けてっから…」 「別に好きで締め付けてるわけじゃ…はっ…ばか、動かすなっ」 これ以上何かされたらマジで死んでしまう。フリックは何とかビクトールから逃れようと身を捩る。 「おいおい、たった一回で終わらせるつもりじゃねぇだろぉな」 「知るかっ、いいから抜けよっ」 「お前は勝手に3回もイったからいいだろぉが、俺はまだ1回だからな」 まだ堅いままのビクトールの欲望が濡れた内壁をゆっくりと出入りする。その緩慢な抜き差しに、フリックはひくっと喉を引きつらせた。 「な、んでお前はそんなに元気なんだよっ!」 「お前とやれると思ったらなぁ…一晩で何回できるか試してみるか?」 絶対に死ぬ。フリックはそう訴えたが、ビクトールは取り合う気はないらしい。鼻歌でも歌いだしそうな上機嫌でフリックの中から自分を抜き取った。先ほどビクトールが放ったものがとろりと溢れ出し、フリックは眉をひそめる。 「十分濡れてっから大丈夫だろ?」 「な、何が?」 ビクトールがフリックの身体を抱えたまま身を起こし、自分の膝の上に向かい合わせにして座らせる。 「ちょ…っと待てよ…ま、まさか…」 「たまには違う体位でやってみようぜ」 「嫌だっ!絶対に嫌だっ!!こんな格好…嫌だっ!!!」 フリックが慌ててビクトールの腕から逃れようと暴れる。それをビクトールがしっかりと抱きしめる。 「何でそんなに嫌がるんだよっ。いつもいつも正常位ばっかじゃつまんねぇだろ?」 「つまるとかつまらんとかの問題じゃないっ」 フリックが必死で抵抗する。その間もビクトールはフリックの滑らかな背中から双丘の狭間へと指を滑らせる。自分の放ったものでそこは溢れんばかりに潤っている。びくりとフリックが身を竦める。 「フリック、な、一回だけ。ちょっとだけ試してみようぜ。絶対気持ちいいからさ」 「………いやだ」 きゅっと唇を噛んでフリックがうつむく。潜り込んできたビクトールの指に反応してその身を震わせながらも、頑なに拒絶の言葉を口にする。何だってこう頑固なんだかなぁとビクトールは内心首を傾げる。もともと性的なことには淡白で臆病なフリックをここまで仕込めたことは、自分に拍手してやりたいくらいだが、本音を言えばもっともっと我を忘れるくらいに乱れて欲しいと思っているのだ。 「何でだよ?別に恥ずかしがるこっちゃねぇだろ?」 「……い…から」 「あん?何だって?」 「怖いんだよっ!」 思いもかけない言葉にビクトールは唖然としてしまう。 拒む理由がそれか、と思うともうどうしていいか分からなくなる。 「何だよっその顔は!」 フリックが真っ赤になって怒鳴る。怖いというのは比喩でも何でもなく。こんな形で繋がり合って、自分がどうなるのか想像もつかない。純粋に怖いのだ。怖いことはなるべくなら避けたいと思うのは当然だろう。 「あ〜いやいや…ん〜別に怖かねぇって。んなこと言ってたら、お前、まだまだやりてぇ体位があるってのに…」 「最低だっ!俺は普通のでいいっ!十分満足してるからっ」 「それはそれで嬉しいんだがよ…」 喉の奥で笑って、ビクトールはぐいっとフリックの脚を左右に割り開く。目を見開くフリックの唇にちゅっとキスをする。 「だぁいじょうぶだって。何も怖いことはありゃしねぇよ。うんと気持ちよくしてやっから」 「………最低…」 泣きそうな声でつぶやいたフリックにビクトールの雄がどくんと刺激される。指を二本にして、くちゅくちゅとすでに綻びきった蕾の奥をかき回す。指を伝って自分の精液が流れ出てくる。 「ん…うっ…んん…」 「痛くねぇだろ?こんだけぬるぬるなんだからよ」 「言うな…はぁ…あっ、ああん…」 フリックがビクトールの肩に額をつける。膝立ちになった状態でビクトールの指に苛まれる。がくりと腰が落ちそうになったところを、ビクトールの腕につかまれる。 「もういけそうか?ほら、自分でちゃんと入れてみな」 そう言ってフリックの手を掴むと、腹につきそうなほどにそそり立った自分のものを握らせる。 「…!でき…ないっ…」 「できるって。ほら、ゆっくりでいいからよ」 ぐちゅっと音を立てて指が引き抜かれる。ずきずきとした疼きを持つその部分に、自分でビクトールのものを挿れるなんてとてもできそうにない。手の中の欲望はいつもよりも重量を増していて、普通でも躊躇してしまいそうなくらいなのだから。 「できないっ…許して…」 「許してやりたいのはやまやまだがよ、俺の方がもう我慢できねぇんだよ」 そういうとビクトールはフリックの腰をつかみ、そのまま欲望の上へと座らせていく。ぬるりとした先端がフリックの蕾の周りを刺激する。 「いや…あっ…ああ…」 反り返った胸の尖りにビクトールがしゃぶりついた。いきなりの刺激にフリックは一瞬腰が引けた。そこを狙いすましたようにビクトールが下から突き上げた。 「ああ…ぁ…いやっ…ん、んぁ…」 がくりと膝の力が抜け、自身の重みでビクトールを最奥まで飲み込む。真下から突き刺さる凶器に眩暈がする。いつもよりも深いところまで入り込んでいるような気がして、フリックは胸を喘がせた。 「どうだ…?何も怖くねぇだろ?」 「ん…ぅふ…くるし…ああ…」 とてもじゃないが自分で動くことは無理だろうと、ビクトールは緩く突き上げを始める。しがみつくフリックの花心が腹の辺りで蜜を滴らせるのを感じた。指でなぞってやると、きゅうと後ろが締まる。耐え切れなくなり、ビクトールは激しく腰をグラインドさせる。 「ああ、あ、ビクトール…やぁ…」 のけぞったフリックのために、挿送を緩めるが、やはり我慢できずまた再び突き上げる。 背筋から頭の先にまで快感が這い上がっていく。ずっずっと大きなものを飲み込まされ、いつもと違う形で繋がっているのだと思うだけで、フリックはびくびくと身を震わせ、甘い吐息をもらす。 息が苦しくて、ビクトールにしがみついていないと倒れてしまいそうだった。 「フリック…」 名前を呼んでも答えない恋人の、痛いくらいに張り詰めたものを扱き上げる。ほどなくさらりとした蜜を溢れさせた。さすがに4度目ともなると、量も少なく、水のようだった。ビクトールはフリックの中で脈打つ己の欲望の解放を目指して、がんがんと腰を突き上げた。 「ふぅ…うっ…あ、ああ…あ…壊れる…」 がくりとフリックの頭が後ろへと落ちる。ビクトールはうっと低くうめくと、フリックの中でその強張りを解き放った。大量の蜜が含みきれずに逆流する。名残惜しい気はしたが、これ以上すると本当にフリックに殺されかねないため、ずるりと引き抜いて、ビクトールはぐったりとしたフリックの身体を抱え上げる。 「良かったか、フリック?ん?」 「つかれ…た」 「楽な態勢のはずなんだかなぁ、そうだ、もっと楽な体位が…」 「死ねっ!お前はっ…ほんと最低だっ!」 涙目でフリックが叫ぶと、冗談だと言ってビクトールがその瞼にキスをする。 「最高だったぜぇ…お前はどうだったよ?ちったぁ感じたか?」 「う……」 「どうなんだよ」 「これだけ恥ずかしい格好させられて、良くなかったら殺してる…」 素直じゃねぇな、とビクトールは笑う。もともとフリックの口から甘い睦言など期待しちゃいないのだが、今夜くらいは聞いてみたいものだ。どれくらいの想いがそこにあるのかを。 「プレゼントをねだるほど子供じゃねぇがよ、一言でいいから言ってくれねぇか?」 「何を?」 「どれくらい俺のことが好きかを、よ」 ふざけるな、とフリックはそっぽを向く。耳たぶが赤くなっているのを見て、ビクトールは調子に乗って、背中からフリックを抱きしめ、なおもせがむ。 「なぁクリスマスなんだからよ、いいだろ?」 「……口では言えないほどっ」 怒ったような口調でフリックが言い捨てる。 ビクトールはだらしなく口元を緩め、フリックの身体を強く抱きしめた。 最高のプレゼント。 今なら死んでもいい。本気でそう思える。ビクトールは聖夜の幸せを噛みしめた。 |