その14:ぼくの召し使い(その2)

「いつまで、遊んでいるの。お買い物に行ってきなさい。」

もう夕方の4時です。そろそろお買い物をしなくてはいけません。
今日は、お米の配給の日です。お米は、重いです。
そうだ。ジムに行かせよう。

「ほら。ジム、お米屋さんに行ってお米をとってきなさい。
お米の通帳と印鑑と・・・5円だ。落し物するなよ。」

「はい。わかりました。」

当然、召使には服は着させません。内地では、物資が欠乏しているそうなので、
召使なんかに贅沢はさせられません。そもそも物が不足するのも、あいつらと
戦争をしているせいなのですから。

「ただいま、戻りました。お米とお釣りの1円75銭です。」

「おい、ジム。お釣りは6円75銭だろ。さっき、10円わたさなかったかい。」

「えっ。違います。さっき、5円しか貰っていません。信じてください。」

「お母さん、ジムがお釣りをごまかして返してくれないよぅ。」

明日は、「少年倶楽部」の発売日です。
一冊、50銭もするので、お小遣いでは、なかなか手が出ません。(笑)

つづく・・・のかな。