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一也×渉「歪な愛情表現とその関係」18禁
 注意:暴力・出血・無理矢理・共依存



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一也×渉「歪な愛情表現とその関係」
R-18
注意:暴力・出血・無理矢理・共依存
 一也さんが俺の家に住み着いて、一か月が過ぎた。
 そして、俺達の不毛で、一般的には到底あり得ないと思える関係も。


 今日は一也さんの機嫌が良い。
 どうやらパチンコで勝ったらしい。
 昔みたいなにこにこと優しそうに見える笑顔をその昔よりも少しやつれた顔に浮かべ、パチンコの交換所で換金してきたお金で買ってきたビールとつまみを口に運びながらテレビを見ている。
 そんな後ろ姿に少しばかりホッとしながら、俺は夕飯の支度をしていた。
 トントントンと包丁の音を響かせて味噌汁の具を刻み、バイトの帰りに買ってきた魚を焼く。
 俺達の生活は至って質素だ。
 俺のバイト代は大した額じゃないし、一也さんも昔とは違いかなり低賃金な仕事に就いている為、給料はそう高くない。
 ……尤も、一也さんは自分が稼いだお金は自分の為にしか使ってなくて、なし崩し的に一緒に暮らし始めて今まで一度も一也さんから生活費らしきものを俺は受け取ってなかった。
 俺よりも遥かに年上の一也さんに、しかもその給料の現状を知っているだけに、俺はお金の事を一也さんに言う事はなかなかできなくて、結局俺の微々たるバイト代をなんとかやりくりして一也さんとのこの生活を支えていた。
 まぁ元々俺は自分の趣味と言うものはなかったし、安いバイト代なりに今までも最低限の生活費としてしかお金を使ってこなかったから、スズメの涙程だけど貯金がある。
 だから早々生活が逼迫する訳ではなかったけど……。
 だけど、確実に俺のバイト代だけじゃこれから先の生活を続けて行く事は難しそうだった。
 そんな事を思いながら俺は香ばしい匂いが漂うグリルの中の魚の焼け具合を体を屈めて硝子越しに確認する。
 ぱちぱちと魚の脂がグリルの中で弾け、小さな火の粉を上げていた。
 ……もう少しで焼けるかな。
 そう思い、体を起こそうとした時。

「……渉。」

 俺の体を後ろから抱きしめ、酒臭い息を一也さんが俺の耳たぶへ吹きかけてくる。
 突然の抱擁と、料理中だった事に俺はぴくんと体を強張らすと、困ったような表情をして間近にある一也さんの顔を振り返った。

「っ、や、一也さん、今料理中で、危ないから……。……ごめん、離してくれる?」

 一也さんの神経を逆なでしないよう努めて優しい口調で、そっと体を抱きしめてハァハァと俺の耳に酒臭い息を吹きかけ続けている一也さんの体をやんわりと押し返す。
 だが、俺のその気遣いは、一也さんには届かなかったみたいだ。
 にやけた顔を一転、怒ったような表情を変えたかと思ったら、俺の体を強い力でシンクの上に押し付けた。

「っ……っ、一也、さん……っ!」

 まな板の上に上半身を押さえつけられ、俺は戸惑ったように上擦る声を上げる。
 その声を俺の後ろで聞きながら一也さんは、小さく笑った。
 低く喉を震わせながら漏れ聞こえる一也さんの笑い声に俺は、恐怖で体が竦む。

「渉。ダメじゃないか、俺に口応えしたら。」

 くすくすとどこか楽しげに笑いながら一也さんはぞっとするくらい低くて冷たい、それでいてどこか興奮を押し殺したような声で俺の耳に囁く。
 その言葉に俺は、違う、と言いかけたが、一也さんの手が俺のジーンズのボタンにかかった為に言葉を飲み込んでしまった。
 一也さんが何を求めているかなんて、それだけで解る。
 いや、俺をシンクの上に押し付けた時点で解っていた。
 だけど、それでも俺はこんな状況でそれをするのは嫌で、どうやって一也さんの気を逸らすかを必死になって考える。
 しかしそうしている間にも一也さんの指は器用に俺のジーンズのボタンを外し、ジッパーを降ろしていた。

「っ……やっ、だ、ダメ……だよっ、一也さんっ、俺、今、ご飯作って……っ!」
「煩いっ! 俺に口応えすんなっていってるだろっ!!」

 嫌と言えば一也さんを怒らせる事になる。そう思って口にした、ダメ、は、だけど、それも一也さんの琴線に触れたらしい。
 俺の耳元で一也さんは苛立ったように怒鳴ると、俺の体を力任せに台所の床の上に転がした。

「あ、……っ、ぅ……っ。」

 一也さんの暴挙に俺はしたたかに肩を床に打ちつけ小さく呻く。
 そんな俺に一也さんは圧し掛かってくると、俺が一也さんを見上げるよりも早くその手が俺の頬を強く叩いた。
 パァン、そんな乾いた音が台所に響き、俺の頬に強い衝撃が走る。そして遅れて痛みがじんじんとそこから湧き上がってきた。
 だけど、その張り手は一発だけじゃ終わらなかった。
 一也さんの手は何度も何度も俺の両頬を行き来し、その度に俺の顔は左右に激しく揺さぶられる。

「……っ! つ……っ!! っ、ぅ……っ!!」
「渉っ、渉っ! お前はイイ子だろっ?! 俺の言う事を良く聞くイイ子だろっ!!??」

 唇の端が切れ、一也さんの指が鼻を叩き、そこからも血が零れて行く。
 そんな俺を一也さんは鬼のような形相で見下ろしながら、俺の胸倉を掴んでそう叫びながらその手が真っ赤になってもまだ俺の頬を叩き続けた。
 一也さんが俺の胸倉を掴んで揺する度に、俺の頭は台所の床にゴッゴッと鈍い音を響かせて叩きつけられる。
 頬と頭から湧き上がる痛みで目の前が霞み、一也さんの声が遠くに聞こえ始める。
 そして、俺の意識が落ちる間際まで一也さんは俺の頬を叩き、俺の体をがくがくと揺すって俺の頭を床の上に打つ続けた。
 俺の体からすっかり力が抜け、まるで失神したようにぐたりとすると一也さんは漸く俺に対する怒りを納めたのか、ハァハァと肩で息をしながら振り上げた手をゆっくりと降ろす。
 そして一也さんは俺の体をぎゅうぎゅうと抱き締め始めた。

「……っ、すまん……渉、すまん……っ。」

 俺の体を抱きしめながら一也さんはさっきまでの激昂が嘘のように今度は哀れな嗚咽の混ざった声で俺に謝り始める。
 ごめん、すまない、渉、ごめん……、何度も何度も耳元で一也さんの声が泣き声を交えて繰り返される。
 その声をまともな思考などすでに放棄している俺はぼんやりと聞き続けた。

「渉……、渉、わたる……。」

 いつの間にか俺の耳に聞こえる言葉は俺の名前だけになり、そして体を抱きしめていた筈の一也さんの手が俺のシャツの中に入り込み、直に俺の肌を撫でている。
 そして耳元にあった唇はまるで唾液を擦り付ける様に俺の頬を這い、ぬるぬるとした舌を俺の口の中へと挿しこんできた。
 そこで俺は漸く我に返る。
 ぬるぬるとした舌が俺の口の中を這いまわり、唾液をたっぷりと唇に擦り付けられるのを俺は緩く顔を振って外す。

「……っ、だ、ダメ……っ、魚っ、……火事になっ……んっ、んん……っ。」

 一也さんの顔を遠ざけようと一也さんの唇と俺の顔の間に手を差し込み、俺は料理中だった事を一也さんに伝える。
 だけど、それは一也さんの手に寄って床の上に押し付けられ、唇は一也さんの唇で塞がれた。
 たっぷりと唾液を纏った舌がまた口の中に侵入してきて、俺の舌を絡め取るとくちゅくちゅと音を立てて一也さんは俺の舌を口の中で弄ぶ。
 俺が息苦しさと、火事になるかもしれないという危機感で一也さんの体の下から逃げようともがく。
 だが、体はしっかりと一也さんの体で抑え込まれ、腕も捕まったままだった。

「は……っ、や……っ、ん、ぅん……っんっ。」

 せめて自由になる顔を左右に振って一也さんの唇から逃げようとするが、すぐに追いつかれ言葉を発する前に塞がれる。
 これでは一也さんになかなか解って貰う事は出来そうにもない。
 仕方なく俺は一也さんに隙が出来るのを待つ事にする。
 俺が受け入れた、と思うようもがいていた体を止め、一也さんの舌に自分から舌を絡めていく。
 ちゅくちゅくと口の端から互いの舌を絡める卑猥な水音が俺の耳に響いていた。
 一也さんと体の関係を持って、一か月。
 だけど、今だ俺はこの行為に対して全てを受け入れる事は出来ていない。
 胸の中に湧きあがる多少の嫌悪感を必死になって飲み込みながら、俺はたどたどしいながらも一也さんの舌を受け入れ、受け止め、絡めあう。
 男同士で、ましてや自分の父親と同い年の一也さん相手に、こんな性的な行為をする事自体、本来の俺なら受け入れがたい事だ。
 元々、俺は性的な興味は薄く、セックスをしたいと思った事もなければ、自分でオナニーすらした事がない。
 それなのに、今俺はこうして一也さんと唇を重ねている。
 そして。

「……ふ、……っ、ぅ、けほっ……っ、ごほっ。」

 俺の唇を貪る事に漸く満足したのか一也さんは俺の唇を漸く離した。
 途端、俺の肺には新鮮な空気が一気に流れ込み、少しだけ咽る。
 だけど俺の息が整う前に一也さんの手で俺の体はうつ伏せに床の上に転がされた。
 俺がハッと後ろを振り向こうとした瞬間、一也さんの手は俺のジーンズと下着にかかり一気に俺の足からそれらを引き抜く。

「! ……っ、や……っ、一也さ……っ。」

 慌てて一也さんに制止の声をかける。
 だが俺の声はむなしく台所に響いただけで、一也さんの耳には届いてなかったらしい。
 俺の腰を一也さんの腕ががっしりと掴み、いわゆるワンワンスタイルの状態にまで持ち上げる。
 そして尻の割れ目に一也さんのモノだと思われる熱さと固さが押し付けられた。

「一也さん……っ、や、止め……っ、ひっ……ひぐ……っぐ……っぅ、うぅ……っ!!」

 排泄をする為の穴に押し当てられた酷く熱いソレは、俺の制止を聞くことなく強く押し当てられ、一気に広げられる。
 愛撫もなにもされていないアナルは軋み、悲鳴を上げて一也さんの欲棒を無理矢理捻じ込まれていった。
 腰骨から上がってくる引き裂かれるような痛みに、俺は声にならない悲鳴を上げ、一也さんのうでから逃げようとガリガリと木の床に爪を立ててずり上がっていく。
 しかし、一也さんの腕にがっしりと腰を掴まれていて俺の体は大して一也さんから離れる事は出来なかった。

「……渉、渉……はぁ、はぁ……っ、渉……っ。」
「いっっ、嫌……っ、ぃやぁああぁあああ……っ!! ひっ、ひぁ……っ、ぐ、ぎ、ぁあああ……っ!!!」

 べろべろと一也さんの舌が俺の耳を舐めながら、興奮しきった掠れた声で俺の名を囁く。
 その声に生理的な嫌悪が背中を這いあがり、俺はぶるぶると頭を振ると声を振り絞ってこの行為に対する嫌悪をあらわにする。
 だが、俺の声に、叫びに一也さんは俺の体を更に床の上に強く押し付け尻を高く掲げさせると、まるで俺のアナルを壊すかのように無理矢理肉棒を突き立て、裂け、流れ出た血を潤滑油代わりにしてぐちゃぐちゃに掻き回し始めた。
 体中が引き裂かれるような、バラバラにされるような痛みに気絶する事もままならず、俺はセックスの時に上げる声とは思えないような色気のない、痛みと恐怖が濃縮された悲鳴を喉の奥から上げ続ける。

「ひぎ……っ、や……、ぎぁ……っ、ぎ……っい、だ、い……っ、いた……ぃ……いぃい……っっつ、ぁ……う、うぁあぁあ……っ!」
「煩いっ!!」

 呂律の回らない口で悲鳴を上げ続ける俺に一也さんは忌々しそうに舌打ちをすると、そう怒鳴り、俺の髪をひっつかむと持ち上げ、ゴンッ、と床に俺の顔をたたき落とした。
 額と鼻を思いっきり床に打ちつけ、止まりかけていた鼻血が噴水のように吹き出す。

「っ……ごふっ……っ、が……っ!」
「煩いっ、煩いっ、煩い……っ!! 黙れ、黙れだまれっ……っ!!」

 ゴッ、ゴッ、ゴッと何度も何度も鈍い音を立てながら一也さんは俺の頭を床に叩き落とし、俺の尻を犯しながら低い声で俺を責め続けた。
 その声と頭を打ち付ける鈍い音と、鼻と口とそして下半身から湧き上がる咽かえる程の血の匂いに俺は段々と意識が朦朧としてくるのを感じる。
 だが完全に意識を手放す事は無理だった。
 気絶しそうになると、頭か、尻から酷い痛みが襲い俺の意識を覚醒させる。
 しかし、その痛みでまた意識が飛びそうになる、だけどまた強い痛みを受け覚醒する……それを何度も何度も繰り返し、俺はいつしか考える事も抗う事も悲鳴を上げる事も全てを放棄した。
 ただ一也さんのしたいようにさせ、一也さんの暴力も、性行為も無気力に受け止める。
 大人しくなった俺に一也さんは満足したのか、俺の頭を打ち付ける事を漸く止めると、俺の腰に手を置き、今度はセックスに没頭し始めた。
 俺の尻に発情期の犬みたいに腰を振りたて、アナルにそのそそり立っている肉棒を突き立てる。
 はぁはぁと興奮した酒臭い息を吐きながら俺の耳たぶをべろべろと舐め、頬を舐め、血まみれになっている俺の顔全部にその舌を這わせていく。
 ちゅばちゅばと一也さんの唇が俺の血を啜る音と、唾液を擦り付ける音を俺は朦朧とした意識の中で聞きながら、上の空で、魚が黒こげになっちゃったなぁ、なんてどうでもいい事を考えていた。
 一也さんが散々突き立て、抜き挿ししているアナルはもうすっかり感覚なんてなくしていて。ただ、一也さんの気持ち良さそうな呻き声と喘ぎ声で、そこが一也さんにとって性欲を掻きたてる場所だと言う事だけは解った。
 血なのか、一也さんからにじみ出るカウパー液のせいか、それとも、俺の腸壁から滲む腸液のせいか、すっかり一也さんのモノは滑りよく俺のアナルを出し入れし、ぐちゅぐちゅと粘ついた水音を響かせていた。
 そして一也さんの肉棒が俺の腸壁を突き上げる度に、俺の唇からはだらしない空気が抜けるような、喘ぎ声にも聞こえる微かな声が漏れる。
 その俺の声を一也さんはどう思っているのか。
 俺の尻を犯しながら、一也さんは俺の耳に言葉を囁く。

「渉……っ、渉、渉……っ、気持ちイイか……? 気持ちイイのか……?」
「は……っ、あ、ぁ……あ、……ぁ、ぁ……っ。」

 一也さんの囁きに明確に俺は返事は出来ない。
 ただ、腸を押し上げられる度に苦しげな息が漏れる。
 だけどその吐息を一也さんは俺が感じているものだと決めつけたのだろう。
 俺の耳元に嬉しそうに鼻を鳴らした笑いを響かせると、今まで以上に俺の尻に深く肉棒を突き刺し始める。

「っ、あっ……っ! あ……ぁ、あ……っ!」
「渉、わたる……っ、あぁ、感じているんだねっ……、凄いよ……っ、肉が絡まって……ぁあ……っ、渉、わたる……っ。」

 強い突き上げに無意識に声が上がる。
 それを一也さんは俺が歓喜して上げた声だと思い、感極まった声で俺の名を何度も口にすると俺のアナルの具合まで口にしてくれた。
 一也さんの言っている事は意味が解らない。
 だけど、一也さんがそう思っているのであれば、俺自身がどう感じているかなんて関係なかった。
 一也さんが気持ちいいなら、それでいい……。
 そう諦めにも似た気持ちで、耳元で一也さんがうわごとの様に俺の尻が如何に気持ちイイかを教えてくれているその卑猥な言葉に俺はこくこくと頷きながら、努めて一也さんが喜ぶであろう声を上げ続けた。
 一也さんが満足して俺から離れてくれる瞬間が早く来るように祈りながら。

「っ、あ、ぁあ……っ、かずや、さ……っ、かずや……っ。」
「ふっ、ふぅ……っ、渉、ぁ、あぁ……、イくよ……っ、出すよ……っ、渉……っ、渉のこの可愛いお尻の中に、たっぷり出して上げるよ……っ!」

 ぬぷぬぷと俺の尻を掻き混ぜ、その感触に俺が声を上げると俺の背中で一也さんが絶頂を俺に知らせてくれた。
 ぐっと一也さんの手が俺の腰を強く掴み自分の方へと俺の尻を引き寄せる。
 そして、腰をしっかりと俺の尻に押し付けると俺の直腸の一番奥に一也さんは熱い精液を吐き出す。
 奥に打ちつけられる精液の熱さに、そして、その異物感と吐き気を催すような嫌悪感が腹の中から湧き上がる。

「い、い……ぁ……っ、やぁ、……っ、う、うぷ……っ、ぅあ、や、気持ち……っわる……っ。」

 何度一也さんに抱かれても、この瞬間だけはどうしても慣れない。
 俺は口元を両手で押さえ、湧きあがってくる吐き気を必死になって我慢する。
 そんな俺の様子なんて一也さんは全く意に介していないらしく、俺の尻にまだ緩く余韻を残して腰を打ちつけながら、はぁはぁと満足そうな息を吐いていた。
 そして一也さんはそのまま俺の上から退ける事もなく、何を思ったのか俺の下半身に手を伸ばしてくる。

「?! や、一也さん……っ、もっ、……止めっ。」
「いいんだよ、渉。我慢しなくても。俺に任せなさい。ほら、いつもこうして気持ち良くさせてあげているだろう?」

 一也さんの手が俺の性器に触れた瞬間、俺は吐き気も忘れ慌てて一也さんの手を止めようと声を上げた。
 だが、一也さんは俺のその言葉を照れ隠しだと思ったのか、俺の体をもう一度床の上に押し付けると、一也さんとの行為に全く勃起をしていない俺の性器をその手の中に入れてゆっくりと扱き始める。
 くすぐったいような、何とも言えない感覚がその部分から這い上がり、俺はぶるりと頭を振る。
 性的な事にあまり興味を持っていない俺にとって、この一也さんとのセックスは苦痛でしかない。
 だけども、別に不感性と言う訳でもない俺の体は俺の意に反して、一也さんの手に寄ってゆっくりと硬度を増し始めていた。

「っう、や、……いや……っ、一也さ……っ。」

 ゾクゾクと体を這いあがる言葉にできない感覚に俺は嫌悪感と、そして、悔しさを感じふるふると頭を振って、一也さんの行為をやめて欲しいと何度も懇願する。
 しかし、一也さんは俺のこの態度をやはり本心からの物とは受け取ってはくれなくて、俺のうなじにふーっふーっと興奮した鼻息を吹き付けながら、俺の肉棒を段々激しく扱く。
 きっと男としての本能でもある性的快感に俺は、後ろに一也さんの肉棒を咥えこんだまま嫌悪感と快感の狭間で床の上で悶え、体を捩った。

「渉……、おチンチン、大きく、硬くなってきたよ……。ね、これ、気持ちイイだろ? 無理しなくていいよ。俺だけ気持ち良くてもそれじゃつまらないからね。だから、渉も素直になって、……ほら、おチンチンの先からエッチな汁が出てきたよ? あぁ……気持ちイイんだね。……ふ、はぁ、俺もまた興奮してきた……。あぁ……渉……っ、可愛いよ……っ、渉……っはぁ、はぁ……っ。」
「ぅ、うぅ……ん、ん……、は、やぁ、……かずや……さ……ぅ……っ。」

 俺の肉棒をその手で擦りながら一也さんは俺の耳に掠れた声で囁きながら、そして、途中からは腰をぐいぐいと俺の尻に打ちつけ始める。
 その動きは段々と大きくなり、俺の性器を擦る手の動きも大きくなっていった。
 俺の肉棒が果たして一也さんが言うように大きくなり、カウパー液を漏らしているのかどうかはこの時の俺にはもう何も解らなくなっていて。
 頭の中はもうぐちゃぐちゃで。
 気持ち良いのか、気持ち悪いのかもすっかり解らない。
 ただ、耳元で相変わらず一也さんのはぁはぁという興奮した息遣いと、尻から湧き上がるにゅちゅにゅちゅといういやらしい音が頭の中で木霊し、魚を焼いていた途中だった事も忘却の彼方へと消え去っていた。

「ぁ、あ……っ、はぁ……っ、あぅ……っ、ぅ……んっん。」
「渉……、渉……ふ、はぁ……、あ、さっきよりも、凄くお尻が柔らかくなって、俺のチンコ締め付けてくるよ……っ。ふふ……っ、エッチなお尻だね……、渉ぅ……っ、う……っ、あ、そう、渉も俺の手とチンコ気持ちイイんだね……っ、あぁ、あ、はぁ……っ、あー、あぁ、凄い、気持ちイイ……ぅ、あ、もう、イきそうだ……っ、イくよ……っ、渉……っ、一緒にイこうね……っ、渉もおチンチンでイこうね……っはぁ、はぁ……っ!」

 気がつけば俺は自分から腰を振って一也さんの手に肉棒を擦りつけ、そしてその反動で尻を一也さんの腹に押し付けていく。
 そんな俺の行動に一也さんは更に興奮したらしく、俺の耳を舐め回しながらいやらしい声でエッチな言葉を沢山俺の耳に吹き込む。
 一也さんの口する言葉の一つ一つが俺の脳髄に染み込み、それはそのままダイレクトに俺の体に快楽となって跳ね返っていった。
 びくびくと体を奮わせ、俺は恐らく女みたいな声を上げながら腰を振り、一也さんの肉棒を尻に受け入れる。
 尻から湧き上がるのも果たして快感なんだろうか。
 一也さんの硬いイチモツが俺の腸壁を擦り上げ、突き上げる度に俺の体に何とも言えない感覚が這いあがり、声となって俺の口から洩れて行く。
 そしてまた一也さんの絶頂が近づき、俺の性器を擦る手の動きも熱っぽく、ねちっこく、いやらしく早くなった。
 欲の棒から湧き上がる男としての快楽に俺は一際甲高い声を上げ、一也さんの誘導のままに俺は一也さんの手の中に、一也さんは俺の尻の中にほぼ同時に精液を吐き出す。
 まるで体全体が心臓になったかのように、熱く脈打ち、俺は射精した脱力感と酸欠状態で肩で息をしながらぐったりと床の上に体を投げ出した。
 そんな俺を後ろから一也さんが抱きしめながら、浮ついた声で、愛してるよ渉、愛しているよ渉、そうまるで呪文のように何度も何度も囁いていた。
 そしてそれを虚ろな頭で聞きながら、俺は無意識のままに一也さんの愛の言葉に頷き、腰に回っている一也さんの手を握り締める。

「……っ、俺も……、アイシテル……、一也さん……。」

 それは俺の本当の意志ではなかったのかもしれない。
 だけど、痛みと快楽と、恐怖で縮こまっていた俺の脳は、一也さんの愛の囁きを自分の物の様にインプットし、投影したかのように一也さんと同じ言葉を繰り返し口にする事しかできなかった。


 あの日が来るまで。
 俺は、一也さんが求めるままの人形だったのだから。