僕とルカ

「ルカ、そろそろいいだろ」
「えっ、あ……はい」
「じゃあ、こっち来てごらん」
「はい……」
 半脱ぎ状態のルカは腰を上げてスカートの裾を捲り上げ、空いた手で股間の割れ目を広げると、座って待っている僕の上にしゃがんだ。
 ヌチャッ……クチュ
 僕の分身の先にあそこを擦りつけて、竿が入る穴を探し当てるとルカは腰を沈めていった。破瓜の痛みに目尻に涙を浮かべ、それでも僕と一緒になりたいと言いたそうに頑張って、ゆっくりと。
「痛い?」
「ええ、でも……私、貴方が欲しいから……」
「焦らないで。無理しなくていいよ。お腹の力抜いて、ゆっくりと……ね?」
 ルカは少しリラックスして、そのまま僕を自分の中へと導いていった。
 チュク、ヌチュチュチュ……ズブッ
「んあっ、はっ、ああああっ」
 僕達が一つになった時、ルカは一声高く叫んだ。柔らかい襞に優しくも力強く包まれて、僕の分身が喜んでビクビク震えているのが分かる。
「ルカの中、暖かくてきつくて気持ちいいよ」
「貴方の、お腹の奥まで当たって……私、変になっちゃいそうです」
 ルカが腰を揺すり出した。僕の目の前で、肌蹴られたルカのたわわな生おっぱいがプルプル揺れている。僕は思わず手を伸ばして、ルカのおっぱいを掴んだ。
「あ、そんな、駄目です。おっぱい触らないで」
 そんな事を言われても、こんな巨乳見せつけられては男として触るなと言われても辛抱できようはずがない。僕はルカのおっぱいを揉みながら、ピンクの乳首をチュッチュッと吸った。
「ひあっ、やめて、吸っちゃ嫌です……あっ、は、ああ、ああん……」
 ルカと交わりながら、僕はルカのほのかな甘い香りを感じていた……。

 僕はギター一本で田舎からこの街にやって来たミュージシャン志望の青年だ。でも実績なんてあるはずもないし、それだけで食える訳もないので昼間はバイトしながら、夜は駅前でストリートミュージシャンをしている。でも他に同じように歌ってる人はいっぱいいるし、どうして僕なんかより上手い人だって少なくない。僕の歌を気に入ってくれて、小銭をギターケースに投げ込んでくれる人もいなくはないけど、それでもこれだけで生きていくには足りない収入だった。でもいつかメジャーになってやる。そんな心意気は一日たりとも忘れないで今日までやってきている。
 そんなある日の夕方。僕はいつものようにバイトを上がってからギターケースと鞄を担いで、駅前広場へと来た。ここは僕達ストリートミュージシャンのライブハウス。何人かの先客がいる中で、僕はギターのチューニングをして演奏の準備を整えた。それでもまだ広場には僕達の演奏目当てで来てる人はほとんどいない。
「(歌う前にいっちょ新曲弾いてみるか。まだ作りかけだけど今度のは結構自信あるしな)」
 僕は鞄のクリアファイルから手書きのオタマジャクシの並んだ楽譜を探し出して、ギターを弾いた。
「(あれ? 改めて弾いてみるとそれほどでもないみたいだな。よし、もう一度弾いてどうアレンジしたらいいか考えてみようか)」
 僕はもう一度作りかけの新曲を弾いてみた。
「〜♪」
 弾きながらメロディを確かめるようにギターの音を聞いていると、隣でそれに合わせて歌う声がする。僕がギターを弾く手を止めて顔を上げると、隣に黒いチャイナドレスっぽい服を着た、ピンクの髪の見慣れない女の子が立って歌っていた。
「おや」
「あっ……」
 僕の声と視線に気づいて、女の子はちょっと吃驚して、恥ずかしさで顔をポッと赤 くした。
「あ、ごめんなさい……貴方の曲、素敵で聞き惚れてましたから……」
 自分ではイマイチだと思っていても、やっぱり人から曲を褒められるのは嬉しいもので、僕は思わず立ち上がって女の子に話し掛けた。
「ありがとう。お世辞でも嬉しいよ」
「いえ、お世辞なんかじゃないです。私本当に貴方が弾いてた曲いいって思いましたよ」
「そうか、そう言われるとやっぱり嬉しいなあ。まして君みたいな綺麗な女の子に言 われると」
「あら、綺麗だなんて……私こそそんな事言っていただいても何も出ませんよ?」
 女の子は恥ずかしそうに笑って、両手を横顔に当てていたが、すぐに普通の顔に戻って、
「そうだ、今日一緒に歌わせてもらってもいいですか? 私この後お店があるから一 曲だけしかお付き合いできませんけど」
「本当にいいの? じゃあ……」
 そう言われて僕に断れるはずがない。僕は鞄から楽譜を出して、女の子に渡した。
「この曲、楽譜に合わせて歌ってくれるかな。今の所他の曲よりはいくらかマシなんだよ」
「はい」
 そうして僕と女の子は一緒に自作の歌を歌った。忽ちどこからともなく人が集まり、僕のライブは大盛況だった。曲が終わって僕と女の子が一礼すると小銭と札がザクザクとギターケースに投げ込まれた。
「こんなにたくさん……どうもありがとう、君のおかげで今まで以上に賑わったよ」
「いえ、私も素敵な歌を歌えて楽しかったです。それじゃあ私もう行かなければなりませんから……あ、私この店で歌ってるんです。良かったら今度いらしてください」
 女の子は店の名刺を渡すと慌てて去ろうとした。
「あ、君……」
「はい?」
 僕の声に振り向く女の子。
「もし良かったら、君の名前教えてくれないかな」
「ルカ。巡音ルカっていいます。またお会いする事があったらよろしくお願いしますね」
 ルカはにっこり笑って答え、すっかり日の暮れた街の雑踏の中に姿を消していった。
「『巡音ルカ』か……」
 僕はその名前を反芻しながら、ルカの消えていった方角と、ルカが渡してくれたジャ ズ喫茶の名刺をかわるがわる見ていた。

 それから僕のストリートライブに楽しみが一つ増えた。そう、ルカとのコラボ演奏だ。ルカの都合で毎回という訳にはいかなかったけど、それでもルカの歌は大人気で、他のストリートミュージシャンからも一緒にセッションやろうぜって誘いを受けるのもしょっちゅうだ。この日も古株で人気者の先輩が声をかけてきた。
「え、でもまだ下手な僕がやって、君とバランス取れるかな」
「大丈夫大丈夫。リードは俺が弾くさ。お前は俺のギターに合わせてコード追っ掛けてくれるだけでいいんだよ。ほら、こんな事もあろうかと俺は前からルカちゃんをイメージした曲だって作ってきたんだぜ?」
「でもなあ……」
 渋る僕に、ルカが優しく言った。
「やりましょうよ。ここで歌ってる方で人気のある人と一緒にやれるのって光栄です。それにきっといつもより素敵なライブになると思いますよ」
「うーん(ルカがそう言うなら……)、よし、じゃあセッションしようか」
「よし、きた」
「あ、いいないいな。俺達も混ぜてくれよ。パーカッションやるからさ」
 ギターと大太鼓でサンバを歌ってる二人組もやって来た。
「じゃあ俺サックス吹くから一緒にやらせてくれ」
「キーボードないだろ? 俺が弾くよ。ピアノからパイプオルガンまで何でもやるぜ?」
「あ、ルカちゃん来てる。すみません、私も一緒に歌わせてください」
 そんな感じでメンバーが増えて、いつも僕はソロかルカとのコンビでやってたのが十人弱の大所帯になってしまった。
「(みんなほとんどやってる音楽のジャンルバラバラだぜ。こんなんで収拾つくのか な)」
「さあみんな、ルカちゃんとのライブの始まりだ。でっかく盛り上げようぜ!」
「オー!」
 僕の心配をよそに、他の連中はノリノリで演奏を始めて、ルカも歌い出す。ジャン ルも音楽の作風もバラバラのはずのみんななのに、それが一つになって華麗な旋律が 紡ぎ出されていた。
「おい、何ボーッとしてんだ。コード弾けよコード」
「あ、ごめん……」
 その場に一人取り残されて呆然としていた僕。リードギターの先輩に言われて、僕 はギターを構え直して弾いた。他の人達の演奏を聞きながら、何かスッキリしない気 持ちを抱えたまま。

「はぁ……」
 大所帯のセッションのあった夜。僕はルカが勤めているジャズ喫茶のカウンター席に座って深々とため息をついた。
「どうしたんですか? 貴方さっきから暗い顔で溜息ばっかりついてますけど」
 ウイスキーの水割りの入ったグラスを僕の前に置いて、ルカが心配そうに訊ねた。
「どうもこうも、あんだけ名人揃いの中で僕一人浮いて格好悪い重いさせられちゃあね……あのセッションが好評だったからって素直に喜べないよ」
「いいえ、そんな事ないです。貴方だって皆さんの中で……」
「いい、気休めの言葉なんか要らない」
 グッとウイスキーを呷って、僕は言葉をつなぐ。
「どうやら音楽の才能のない僕にはミュージシャンなんて過ぎた夢だったらしい。いいかげん諦めて、田舎に帰った方が良さそうだ」
「どうして……」
 ルカが俯いてポツリと言った。その声は悲しそうに震えていた。
「どうしてそんな事言うんですか」
「だってこの先芽が出るかどうか……」
「貴方の音楽への思いって、その程度だったんですか?」
 ルカが怒ったように言って、僕の顔を見た。僕はルカの顔を見てハッとなった。ルカは泣いていたから。
「私、貴方と一緒に歌うの好きだったんですよ。どうしてか分かりますか?」
「何でだよ。僕の曲なんか他の連中より荒削りだし、時々調子っぱずれになるし、歌だって僕より上手い人もいっぱいいるんだよ。どんなに頑張ったところで追いつけるかどうかも分からないのに」
「貴方の仰る通りかもしれません。でも、私は感じてました。貴方がいつか今よりもっと上手くなって、いいミュージシャンになりたいって気持ち。貴方の歌聞いてたら、その事が凄く伝わって来てたんです」
「ルカ……」
「ね、どうか歌を捨てないでください。だって、貴方の歌のファンはちゃんといるん ですから。そのファンを悲しませないで」
「え、そのファンって一体誰だい」
 ルカはその質問に答える代わりに、カウンターに体を乗り出して僕にキスをした。
「それじゃあ、僕のファンって……」
 ルカは「まだ分かりませんか?」と言いたそうに笑って僕を見ている。
「ルカ!」
「あっ」
 今度は僕の方からルカにキスをした。唇のぷにっとした感触を楽しむような長いキス。
「ほらお客さん、ルカちゃん、もう閉店だよ」
 はいはいごちそうさま。続きはよそでやってね、というような感じでマスターが声をかけてきた。僕は勘定を済ませて夜の街へと出て行った。ルカと一緒に手をつないで。

「んふっ、ん、う……」
 僕はルカとラブホにチェックインして、今日三回目のキスを交わしていた。ベッドでルカを抱きすくめて、背中を擦りながらもう片方の手でそっと服の上からおっぱいに触る。
「んっ……」  ルカがビクッと震えた。おっぱいのぷにぷにした感触をじっくり味わうように優しく揉んであげる。
「あ、ああ……」
 ルカの甘い喘ぎ声。どうやらその気になってきたみたいだ。僕はプレゼントの包みを開けるように、ルカの胸元を肌蹴た。プルンと飛び出したルカのたわわなおっぱい。その天辺の乳首は髪の色と同じ綺麗なピンク色だった。
「は、恥ずかしいです……」
「ちょっと、そんな事しないで。こんなにいいおっぱいなのに」
 ルカが手で隠そうとするのを僕は払いのけて、直におっぱいに触った。揉んだり、指先で乳首を捏ね回したり、舌先で乳首と乳輪をペロペロ舐め回したり。 「あ、駄目です、遊ばない……で、あんっ」
 ルカの乳首はコリコリと固くしこっていた。おっぱいを弄びながら、僕はルカの下半身へと手を伸ばしていく。スカートの下にある、ルカの秘所を覆う布が僕の指先に触れた。
「ルカのここ、もう濡れてるね」
「あ……はああ、そこは……あっ」
 僕の手はパンツ越しにルカのあそこを撫でていた。割れ目をなぞって、時々ツンと 勃ってるクリトリスをクリクリと触る。
「ふあっ、そこ、嫌です……ああん」
「嫌って言ってるけど、ルカはちゃんと感じてるじゃない」
 僕はそこでピラッとルカのスカートをめくった。アダルティな黒の紐パンが僕の目の前に現れた。
「エッチ……」
 僕にまじまじとパンツを見られて、ルカは恥ずかしさで顔を真っ赤にしていた。でもそれだけでは済ませられない。僕はスルッと紐を解いて、パンツを脱がせた。
「ああ、嫌、見ないでくださ……あっ、ああっ!」
 ルカの股間に顔を埋めて、クリトリスを舌先で軽く一突き。あそこからはトロトロとラブジュースが溢れ出てきていた。それを舐め取って味わうように、僕はルカのあそこをピチャピチャと舐め回した。クンニしながら時々クリトリスをついばんだり、入り口に舌を入れるのも忘れない。
「ルカのここも、綺麗なピンク色だね……食べちゃいたいよ」
「あ、そんなとこ……駄目、駄目ですよぉ、私、もうイッちゃいそうで、す……ああっ、あ、ああ、はあああああん」
 プシャァァッ……
 ルカはビクビクッと体を震わせると潮を吹いて、力が抜けたようにカクンとなった。
「ルカ、そろそろいいだろ」
「えっ、あ……はい」

 そしてとうとう僕とルカは一つになった。
 グシュッ、グシュッ、グシュ……
 ルカは僕を味わうように体を動かし、僕はルカのあそこの締め付けを感じながら揺れるおっぱいにむしゃぶりついていた。
「ルカ、好きだよ」
「私も、貴方の事、好きです……はああ、ん、ああ、あああ」
 ルカがだんだん激しく腰を振って、僕は限界を迎えつつあった。
「ああっ、ぼ、僕もう我慢できない……う、うう、で、出る!」
「いいですよ……私の中に、ください」
「いいの? ルカ……あ、も、もう駄目だよ」
 ビュクッ、ビュクク……
 僕はルカの子宮に、激しく欲望の証をぶちまけた。
「あああああああっ」
 ルカもお腹に熱い物が入ってくるのを感じて、激しく震えて僕の腕の中で果てた。まだ荒い息の中、僕はルカの耳元に囁く。
「ルカ、ありがとう……君のおかげで前向きになれそうだ」
「そうですか?」
「僕、弱虫だったな。でももう二度と音楽やめるなんて言わない。又ミュージシャン目指して頑張るよ。挫ける事があっても、その度に起き上がって、ね?」
「はい、頑張ってください」

 それから何ヶ月か経って迎えたある週末の日。
「それでは只今から週末ミニライブを開催いたします。拍手でお迎えください」
 パチパチパチパチパチ……
 街のショッピングセンターで週末に開催されているミニライブのステージに、僕と ルカは立てる事になった。店の企画課の人が僕のストリートライブを聞いて、一度出 てみないかと誘ってくれたのだ。
「ど、どうもはじめまして。皆さん、今日は僕のライブに来てくださってありがとう ございます。ああ……まだまだ若輩者ですけど、精一杯やらせていただきますんで今 日はどうぞよろしくお願いします」
「ちょっと、今からそんなに緊張してどうするんですか」
 ルカが僕に囁いてから、お客さんに元気に挨拶した。
「皆さんこんにちは、巡音ルカです。今日のライブでは皆さんと一緒に楽しく過ごしたいと思ってますので、私達頑張りますね。どうかよろしくお願いします!」
 客席がどよめく。その中に「ルカちゃーん」と野太い声も聞こえてくる。そして前列の観客が横断幕を広げた。それにはこう書いてあった。
「祈願ライブ成功 俺達がついてるぜ」
 横断幕を持ってる面々から声が飛ぶ。
「折角こんなチャンスもらえたんだ。今日は俺達の代表でしっかりやってくれよな」
「おうよ。ルカちゃんに恥かかせたら俺が承知しねえぜ」
 よく見たら声の主は一緒に駅前広場で演奏してるストリートミュージシャンのみんなだった。
「ほら、駅前で歌ってる皆さんも貴方を応援しに来てくれてますよ。しっかりやりましょう」
「そうだな。こんなに激励されたら僕も期待を裏切る訳にいかないや」
 それに小さな一歩だけど、僕はこうしてメジャーへの一歩を踏み出すチャンスをもらったんだ。こうなりゃ今日はバリバリやってやるぜ! と自分に語りかけ、緊張を吹っ切るように僕はお客さんに元気良く言った。
「それでは張り切って一曲目行きましょう。手拍子よろしく!」
 僕はギターを構えて、前奏を弾き始めた。

 Fine

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