「瞳のフォトグラフ」各話感想(単行本3巻収録分)

第11話 一歩ずつ

 登場人物:相原ハルカ 瀬名ユカリ 久家イヅミ 小鳥遊ヒナノ 春日アマネ

 今回から本格的に部活が始まるということで、さてどうなるかと思ってましたが……ハルカはプログラムから一歩進んで絞り優先、シャッター優先AEの領域に踏み込もうと努めている所でした。表現を広げるための第一歩、ですな。
 ツインアーチ138の前で試し撃ちしていた所にやって来たのはフリーフォトライターの春日アマネ。彼女が講師役でTv(タイムヴァリュー)、Av(アパーチュアヴァリュー)とは何ぞやということを解説していきます。近視の人が目を細めるのはそうすると遠くまではっきり見えるようになるから、とかもう少し噛み砕いた例も上げるとよかったかもしれません、とはいう物のEOS KissX2の場合ライブビュー(実際これで私はE-P1を使っていて撮影結果を事前に確認できるってことで随分助かってます)もあれば絞り込んで被写界深度確認もできるからそこは滑った転んだってやっていけばいいのでしょうね。その辺り遠慮なくガンガン試していけるのがデジカメの良さではあります。も一つ言うなら
「失敗した画像も消さずに保存して反省の糧とせよ」
 という金言もありますけども。
 本日の名言。
「1の経験は100の見聞に勝る」
 実は東桜の写真部だったアマネのお言葉です。いくら人があーだこーだ言っても、最終的に自分で体感するのが一番の参考になる、という意味でのありがたいお言葉ですな。写真表現というのも極めようとしたらどこまで行ってもキリのない世界ですが、ハルカにもそれを楽しめる日が来て欲しい。心の底からそう思ってます。

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第12話 鞄スタイル

 登場人物:相原ハルカ 瀬名ユカリ 久家イヅミ 小鳥遊ヒナノ 京シオリ 一宮ユイ パーカーの人物 その相棒の眼鏡

 風邪のため休載を経て37ページで2/17更新。まあどうか無理はなさらず頑張ってください。
 最初に登場したのは「黒飴」という俗称のついた少年。そうしてアーカイブで彼共々
「後々重要な役回り」
 と言われていた眼鏡の人物も登場してます。どうやら写真家とその助手で、黒飴はイヅミに屈折した恋愛感情を抱いてるんじゃないでしょうか。まさかね。
 そうして本編。一日で3000枚も撮った挙句、眼精疲労で酷い頭痛になったハルカ。そこから始まる雑談。初期の頃よりイヅミが積極的に会話に参加するようになってますな。ハルカへの呼称は「相原さん」だけど。満更(女友達的な意味での)好意がない訳ではないようです。その後ハルカに抱きつきながらシオリ登場。そこをヒナノにZ200で撮られて、そのデータが入ってるSDカードはしっかり没収しているのは流石です。そうしてシオリとハルカが会話しているその後ろでヒナノが着信したメールを確認してます。これが今回のラストへとつながりますが。
 ヤマ場はカメラバッグ選びです。
「カメラ、特にレンズはこう…女の子を扱うように優しくしてあげなきゃ
 というシオリのアドバイスが切っ掛けでハルカ達が行った店……Googleマップで確認した限りではトップカメラではないようでした。近くにハンバーグレストランのチェーン店(どいつ村という店名はフィクション!)が入ってるビルがあるらしいですけど。その後ナナちゃんも出てきましたし、名駅の近くということで間違いはないようですが(その後杜氏から「マップカメラを参考に描いた」と報告をいただきました)。うんうん、どんな鞄を選ぶかも悩ましいところで。私は目下の所E-P1とレンズ数本が入るのを、と思って探してますけどでも後々E-3買い足したらもっと大きいのも要るしと思って思考停止したまま買えずにいますが、今回はそれを考え直してみるいい機会になりました。ユカリの使ってるのはロウプロEX140ですが、私の場合そんなに大袈裟なレンズ持ってる訳でもないのでそれくらいので丁度いい感じでしょうね。
 話を戻して……ユイとシオリのスキンシップも交えてあれこれ迷った末にイヅミとユカリが同じバッグに手が伸び、ギクシャクしながらもハルカにそれを勧めるユカリ。ハルカも花柄のかわいいデザインが気に入ってここにめでたくお買い上げとなりました。
 終盤、名駅界隈を通って帰ろうとする一行が出くわしたのは当日都合がつかないので来れないと言っていたヒナノでした。声をかけづらいシリアスムードの中、次回はどうなることでしょう?

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第13話 アウトフォーカス

 登場人物:相原ハルカ 瀬名ユカリ 久家イヅミ 小鳥遊ヒナノ パーカーの人物

 おお、デジタルオブジェクトリーダーがFirefoxにも対応してるではないですか。3月からアップデートでIE以外にも対応するようになったそうで。スクエニやサンデーのWebコミックは去年からとっくにそうなってたので今更と言えば言えますが……Windows7で読めないのは酷いって話もありましたし。
 ボヤキはさておき、3/31更新の29ページ。最初にハルカとユカリが会話してる教室、高校というよりは大学の講義室のような造りですね。東桜のモデルが大学だからということもあるでしょうが、はっきりと教室の描写があったのはこれで二回目ですか(一回目は2巻126ページ)。
 ヒナノの休学の件で喧嘩しそうになる(ハルカが止めたけど)ユカリとイヅミ。イヅミにバッタリ会ったけども自らの口から休学の理由について全く語ることなく立ち去るヒナノ。帰りにコメダ珈琲(一宮神山店だそうで)でお茶していてもヒナノの態度に納得いかないユカリ。そこへやってきたのは……あの飴の人でした。イヅミと縁浅からぬ者であることを明かし、
「アレにあまり関わらないほうがいい。裏切られたくないならね」
 更にヒナノが休学の真相を言いたがらないのは当たり前、どう思ってるのかはっきり聞いてみたら? と彼は言い、その言葉に背中を押されるが如くヒナノに会いに行くことを決意するハルカ。そしてヒナノの口から明かされる真相は……? という感じで来月に続きます。そうしてユカリの食べ残しのシロノワールは飴の人がおいしくいただきましたとさ。
 今回は曖昧な物言いが多かっただけに文字通りの「ピンボケ」ではありました。いよいよ来月でヒナノの心の中をはっきり描いていく、ということでその前振りでしょう。アーカイブにあった、
「でもヒナは寂しくなんてないです」
 2巻巻末にあった、
「それが私の理由です」
 この謎めいた台詞がどうつながるのでしょうか。某大型掲示板ではややこしい家庭の事情があるのかという意見もありましたが、そこは写真があれば思い出は残せる、というテーマに何らかの形でつながってくる、とは思いますけど。今からそこまで考えて推測する……ということは今の私にはできません(こんな調子でいいのかしら)。
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第14話 EYES ON ME

 登場人物:相原ハルカ 瀬名ユカリ 久家イヅミ 小鳥遊ヒナノ 京シオリ 一宮ユイ 眼鏡の人物 ヒナノの父

 今回は39ページでした。で、よそ様の作品で申し訳ありませんが、今回は最初に「迷い猫オーバーラン!」をお話の枕に引いて感想を書いていきたいと思います。
 漫画版の単行本1巻買って読んで、印象に残ったのは後半の2話だったのですよ。金の力でできることは何でも堂々とやってのけるお嬢様の千世。表向きは何不自由なく暮らしていても、昔から家庭の事情で両親が側に居ない寂しさばかりは埋められない彼女でした。そんな千世は幼馴染の巧と文乃、巧の悪友の家康と大吾郎を巻き込んで「迷い猫同好会」を作り、「もう一人ぼっちじゃない」という幸せを手に入れることができました。乙女姉さんのお言葉を借りるなら、「他人の幸せを自分の事みたいに喜べる」人たちに囲まれることで。
 ここでやっと瞳フォトの話に入っていきますが、ヒナノが親の決めた男性と結婚する、というツカミから始まって、あわやヒナノは結婚退学かと思いきや……最後には撤回というお話でした。
 結婚を前にいつものふざけた感じ抜きのほぼ全編シリアスモードで父親への思いを訥々と語るヒナノ、写真部のみんなと一緒にいたいんだ、誰か一人欠けても私のフォトライフは楽しいものにはならないし、結婚はヒナノが本当に望むことではない。彼女が側にいて欲しいのは他ならぬ貴方なのだから。彼女は写真を通してそれを伝えたかったんだとヒナノの父に力説するハルカ。お父さんも人の親。そうして最後にはヒナノと一緒にいることを選んだのでした。
 今回でヒナノのE-P1登場。どうやら白い方のようですね。1枚目の父と一緒に写した写真を大事に取ってあるのが微笑ましいです。こちらのE-P1はコミックリリィPLUSの「茜色の方程式」にも登場してますが。
 中判で伏線登場。未現像のフィルムを抱いて行方不明の兄を思うイヅミ、眼鏡の男性(彼が里見ユウイチロウという、シオリの知り合いではないかという説あり)からパーカーの人物がイヅミと接触したと報告を受けるシオリ。主にイヅミに関する話で、これから回収していくと思われますが……それは最終回間近でしょうかね。そうすぐに1巻収録分から張っていた伏線をあっさり回収するとも考えにくいですし。

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番外編 ふたりの景色 -前編-

 登場人物:京シオリ 一宮ユイ

 3巻刊行の件で、改めましてアキバblogさんとせなか:オタロードBlogさんに取り上げていただきました、にもかかわらず更新停滞していて申し訳ありません。現在新作執筆中で(それしきのことでかというのはどうかご勘弁ください)。こちらも更新して参ります。
 今回は12ページ。今回と次回(再来月更新?)でシオリとユイの馴れ初めについて描こうというお話です。時は遡って二人の小学生時代。シオリは転校を繰り返して一年足らずと定着せずに友達らしい友達もできず、今からは想像できないような暗い感じの少女でした。
 そこでちょっかいを出してきたのが後にスールとなるユイ。この頃は眼鏡かけてたんですね。彼女も大人しそう(で実は一番怖い)な今とはちょっと違う、悪戯っ娘的性格が前面に出ている感じです。本作における「私の嫁」だけにこの頃のユイも好きですよ。眼鏡っ娘だって好きですしね♪。  この頃嫁……あいや、ユイが使っていたのは
富士instax mini7Sチェキ。白と茶色があって、しかも安い。これなら小学生でも使えそうです。これが露出計ないことには使いにくい骨董品、とまではいかなくても古いペンタックスS系やミノルタSR系だったならとは……ちょっぴり思いましたが(それだとやっぱり読者が引くか)。
 それで写真を撮りつつ構うユイをうざがったシオリはフィルムを全部ダメにして……この最悪の中から始まる友情物語がどう展開するか、今から楽しみです。

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カバー、カバー下おまけ

 登場人物:京シオリ 一宮ユイ

 登場人物が登場人物、ネタがネタであるだけに今回楽しませていただきましたw。表1はシオリのノーパソに入っている画像データを調べるユイと、そのことで焦るシオリ。あの通り女の子には節操のないシオリですからユイに見られるとそりゃ焦りもするでしょう。と言うより見られるのが嫌ならプロテクトをかけておけばいいものを。でもそれもあっさり破られた、とかw。
 表4はミノルタX-7のCMのオマージュですね。CMソングとキャッチフレーズをしっかり使ってる辺り芸が細かいです。ユイのブラジャーと手ブラ(いいおっぱいですね)を見られたのも嬉しかったです。
 折り返しの著者挨拶の写真はニコンD300、裏表紙の折り返しの写真3枚は東京へ取材に行かれた時に撮った写真だそうです。私は都庁しかわかりませんでしたが。

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