【7:00】
にやけギツネの奇襲で起床。
「おっはよ〜。いっちごちゃぁん」
暢気にほざいて、でれでれ顔をすりつけてきやがる。
不愉快だ。報復に顔のど真ん中へ右ストレートをぶち込む。くたばれ。
【7:30】
朝食。何故か赤毛の駄犬が尻尾を振っていた。が、軽く無視ってテーブルにつく。
フレンチトーストか。柚子もたまには洒落たことをする。美味い。
「それ、俺が作ったんだけど」
駄犬が顔色を伺うような上目遣いでこっちを見ている。
気がつかなかった事に腹が立つ。メープルシロップをドバドバかけて味がわからないようにして食ってやった。
駄犬があんぐり口を開けているが知ったこっちゃない。食ってやっただけでも感謝しろ。
【8:00】
登校。今日は朝からついてない。いらいらと玄関を出たら、家の前に時代がかったお貴族サマ風馬車が停まっていた。
どこのシンデレラだ。
シルクハットにタキシードの高慢男が馬車の中から手招きしている。
「送って行こう」
うるせぇ、俺は現代を生きてんだ。時代遅れの仮装行列は尸魂界だけで十分だ。
【9:00】
学校。退屈な授業にあくびをかみ殺し机に座る。
何気に窓から外を眺めていたら、ギザギザと空が割れ、中途半端に仮面を付けた目つきの悪い男が出てきた。
こっちを見つけて、ニタりと唇を上げた。
「よォ、探したぜ。死神」
どてっぱらに風穴開けて、何を笑ってんだか。気色悪ぃ。
斜め前に座るメガネに消しゴムを投げつけ、窓の外の仮面男を指差す。
さすが正義の滅却師。授業そっちのけで、猛然と教室を走り出て行った。
窓の外が多少うるさくなったが、これくらいはガマンしてやろう。
【12:00】
昼食。弁当忘れた。でも、学食は行く気がしない。
コンビニでも行くかと校舎を出たところで、うさんくさい笑顔のメガネに捕まった。
「ホテルでランチでもどうかな?」
てめぇの相手は韓流ドラマ好きな50代以上のババァと決まってる。みのもんたと人気を争ってろ。
【15:00】
携帯電話に着信記録が26件。かけてみる。
「あ、あの、黒崎君? いそがしいところすまない。あの、もしよかったら僕とっ……!」
忙しいので切った。
【17:00】
帰宅。やたら偉そうな小学生がリビングのソファにどっかり腰を下ろしていた。
「遅かったな」
確かに小学生が出歩くには遅い時間だ。襟首掴んで外に叩き出した。ガキはとっとと帰れ。
【21:00】
自室で宿題と予習に励む。高校生の本分は、やはり勉学だ。
「いっちごちゃぁん。勉強なんかやめてさぁ、僕とおいしいお酒飲もうよ〜」
やたら毛深いラテン系オヤジが酒瓶片手に現れた。未成年男子の部屋に不法侵入とはいい度胸だ。
緊急連絡先として渡されていた番号に電話する。
メガネが凛々しい知性派美人がコンマ5秒で出現。ラテン系オヤジを回収後即時撤退。見事な手際だ。
【23:00】
風呂上り。バスタオル片手にチェリーコークを飲む。美味い。
「くっろさっきさぁん。アタシと遊びませんかぁ? ストイックなのもイイですけど、あんまり溜めるとハゲちゃいますよん」
ゲタ帽子が扇子で窓を叩いている。
うるせぇ、黙れ。何気にセクハラ発言すんな。
ここのところ部屋に居ついている黒猫をゲタ帽子に嗾ける。……黒猫、強ぇな。
【24:00】
就寝。疲れた。
END
元ネタ:ネットの有名コピペ「クスっと笑えるメリーさん」(出展及び正式名称不詳)
追記:登場人物(時系列順)
ギン → 恋次 → 白哉 → グリムジョー&雨竜 → 藍染 → イヅル → 冬獅郎 → 京楽&七緒 → 浦原&夜一