優しい日々:真島の兄さん編















遥「ねえおじさん、遥部屋で着替えてくるね! おじさんもスーツ脱いじゃいなよ」
桐生「ああ、そうする。……久しぶりにこういうモン着ると、肩が凝るな」






こんなことするの一人しかいない

※※「わぁお、カタギさんスーツやんらし〜。脱がせたろ」
桐生「……兄さん、どこに隠れてたんですか」










バレた?

真島「あっれー、おっかしーなー? あっさりバレてもたわ」
桐生「……(溜息)こんなことするの、あんた一人しか居ないでしょうが」










バレバレでした

真島「ひっどいなあ桐生チャーン。わし桐生ちゃんが何時誰に襲われても、颯爽とカッコ良く駆けつけるために身を潜める訓練してんのやでー?」
桐生「そうですか。それはどうも気を遣っていただいて(棒読み)。
   ……というか、兄さん」
真島「何や?」
桐生「このバットどかして下さい。服が脱げねえ」
真島「桐生ちゃんがセクシィ〜におねだりしてくれたら外したってもええ……って、っちょ! 冗談やがな!」










悪ふざけ大好き

真島「ほんの可愛らしいラバーズトークやんかー。そないにおっかない顔せぇへんでもええやんなぁ?」
桐生「兄さんのはタチが悪すぎて冗談に聞こえないんですよ」
真島「うっわ、わし今のホンマ傷ついたわー。わしのガラスのハァトがヒビだらけになってもた。こら桐生ちゃんにちゃぁんと責任とって貰わんとアカンなぁ」
桐生「防弾ガラスで出来てるものがそう簡単にヒビなんか入るわけねえでしょう。
  ……で、今日は何の用事ですか」





真島「『何の用事ですか』なんて冷たいこと言ってぇ。こらあかんわ、嬢チャーン! 例の物持ってきたってやー!」
遥「はぁーい!」





示し合わせ。

桐生「……兄さんはともかく、遥まで……(頭抑え)。
   で、今日は一体何の日なんだ?」
真島「そんな鈍い桐生ちゃんもまた可愛ぇけど、まあ目の前にあるスペシャルケーキ(bought BY Majima)をよう見てやぁ。な?」
遥「ね!」
桐生「……『おたんじょうびおめでとう かずまくん』……?」
真島「つーことで、お誕生日おめでとさん、桐生チャーン!」
遥「おめでとう、おじさん!」
桐生「え? あ……あ!?」









大成功!

真島「嬢チャン見て見ぃ、この鳩が鉄砲玉喰らったような顔! こら絶対自分の誕生日忘れてたに違いないでー!」
遥「うん、真島のおじさんの言うとおりだね!」
真島「イェーイ! バースデーサプライズ大・成・功ーーー!!」
遥「だいせいこーう!」(両手ぱちん)
真島「そんな訳ですからー。桐生ちゃんはそのTシャツ脱いで、今すぐに嬢ちゃんからのプレゼント着て見せたって下さいー」
遥「あ、おじさんだけじゃないんだよぅ! ミシンのお礼に、真島のおじさんにもおんなじ生地で同じシャツ作ったんだから、着て見せてー?」
桐生(え? 要はなんだ、このシャツは遥が作ったもので、今遥が着てるのも同じ生地っぽいから、つまりは三人が揃いのシャツを着てるってことで……。しかも、そのシャツを作るミシンは兄さんが遥に買ってやった物ってことは、二人が前から今日に向けて準備してたってこと、か……?)(←長い)









はっぴばーすでーつーゆー♪

真島「おー、みんな揃って同じ生地のシャツ着てると壮観やなぁ! 嬢ちゃん、これわしのサイズピッタシやでぇ。ありがとなぁ」
遥「ううん、真島のおじさんこそ、ミシン本当にありがとう。すっごく嬉しかったよぅ」
真島「さぁて、じゃあ誕生日やからやっぱここはロウソクふーってせんとアカンよなぁ。 はーい桐生チャン、準備してー。いくでー」
真島・遥「はっぴばーすでーつーゆー♪ はっぴばーすでーつーゆー♪
     はっぴばーすでー・でぃあ・桐生チャーン(おじさん)♪
     はっぴばーすでーつーゆーーー♪ わーーーー(ぱちぱちぱち)」

遥「あ、じゃあ遥台所でケーキ切ってくる! ちょっと待っててね?」




真島「さて桐生ちゃん、こっち来ぃや」
桐生「……」
真島「今此処で押し倒されてあられもない姿嬢ちゃんに見せとう無かったら、おとなしくわしんとこ来て抱っこされたほうがエエで」




子どもさんの目には毒。

桐生「……兄さん」
真島「んー? なんや」
桐生「手が、違うとこに触ってます」
真島「久しぶりなんやから、ちっとくらいつまみ食いさせたってもバチあたらへんやろ」
  桐生「……(溜息)」
真島「なんやさっきっから、おっかない顔してぇ。誕生日くらい笑ときやぁ?」









困ってるんです、実は。

桐生「みんなで一緒に、とか、……飲み屋で、とかなら祝われた経験もあるんですけど……。正直、こうやって自分だけ誕生日を祝われる、って経験が……」
真島「無かったんか」
桐生「……はい……。だから、こういうとき、どうやって喜べばいいのか、良く……解らねぇ」









難儀な子やなぁ

真島「まあ、確かにここ10年は、塀の中で誕生日もへったくれもあったもんやない生活送っとったんやろうし……その前は、お義理でどうこうあっても、こーゆー祝われ方されたことないのも、まあ、解るし。……難儀な子ォやなあ、桐生チャンは」
桐生「……すんません……」
真島「別に謝らんでもええやん。桐生チャンが悪い訳やなし。
   ま、今日の発起人は嬢チャンやし、わしはそれに乗っかっただけやから、そんなに大したことしてへんのやけどな。
   嬢チャンは嬢チャンなりに、桐生チャンにお礼言いたいんやろなぁ。せやから、別に畏まらんと、ふつーに喜んで、ふつーにお礼言うたらええんや。……わしの分は、後でゆーっくり、たーっぷり貰うことにするからなぁ」
桐生「……兄さん」
真島「んー?」
桐生「もう少し……顔が上げられるまで、もう少しこのままで居ても、いいですか」
真島「ええよ。甘えん坊さんの桐生チャン、年に一度くらい、思っきし甘えたらええんや。……わしだけじゃなく、嬢チャンにもな」







  ――― 一年に、たった一度の特別な日。
  この優しさに包まれて、自分が、生まれ変わったような気がした。




ご覧戴きましてありがとうございました!





撮影及び本文作成:ユカリ
ネタ提供及び衣装作成:しろくま
*一部Volksの衣装を使用しております





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