穴の底の小さな扉
 穴の底には古い机と古い椅子、そして小さな小さな扉。扉の向こうに行きたいけれど、アリスのからだはおおきすぎ。
 みればそこにはあやしい瓶。
 「私を飲んで」と大きく大文字で書いてある。
 飲めばぐんぐん縮まるからだ。あっというまに扉のサイズ。
 ところが大事な扉のカギを、机の上に置いてきた。
 「小さくなるジュースがあるなら、大きくなるジュースもあるはずだわ。この瓶なんてどうかしら。」
 床の上の小さな小瓶。小文字で小さく「私を飲んで」と書いてある。
 今度もアリスは一気のみ。ところが…
 どんどんふくらむアリスのお乳。
 「こんなに大きくなったらどうやってブラジャーをしたらいいのかしら。フロントホックは留められないから、お気に入りをいくつか誰かにあげないといけないわ。」
 大きくなるのは良いけれど、とにかくなんとも動きにくい。
 「どうにかとめなきゃならないわ。」
 アリスは手近な瓶をとり、あたりまえのようにごくりごくり。するとまたまたからだは縮む。
 ところがかわりにふくらむ場所が…
 とにもかくにもカギはてもとに。さっそくカギは錠前に。
 でも、それだけでは扉は開かない。
 突いたりこねたり回したり、出したり入れたり捻ったり、時にはやさしく時には激しく、必死でカギを開けるアリス。
 「はやくしないと、とても体がもたないわ。気持ちよすぎて。」
 腰がじんじん、胸がどきどき、どうにもならなくなったとき、とうとうついに錠前カチリ。
 「んあぁあああ!」
 貫くような快感が走って、頭は真っ白、視界も真っ白。
 いやそうじゃなく、ほんとうに目の前は真っ白に。カギと錠前、両方からなまぬるい白い液体が潮のように噴き出して、みるみるうちに部屋の中はみずびだし。そのまま扉の向こうに流されていく。
つづく
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