めざめ
 大きくなりすぎたアリスはゴールの旗に足を取られて、すってんころりん! 頭の上に崩れたお城の破片が降り注いで・・・

 (このままじゃうもれちゃう!)

 そこでアリスは目が覚めた。
 アリスはいつの間にかお姉さまの膝枕。ひらひらと降ってくる木の葉を優しく払いのけながら、お姉さまがのぞき込んでいる。
 「大丈夫、アリス? 突然、倒れてしまうものだから。」
 アリスはやっと今の状況をのみこむと、一息ついて、お姉さまにさっきまで経験した話をした。その内にふたりともなんだかひどく興奮してしまって、話が終わる頃にはしっかりと手を握って指を絡ませて、熱い口づけをかわしていた。

 「そういえば、明日は家庭教師の先生がいらっしゃる日だわ。」
 息を整えながら、お姉さまはふと思いついたように言った。
 「先生にも、このお話を聞かせてあげないこと?」
 お姉さまが悪戯っぽく笑う。
 「それは・・・」
 アリスは少し考えた風に小首をかしげると、笑っていった。
 「すばらしいアイデアだと思うわ。」
 「明日は、とても楽しい一日になりそうね。」
 ふたりは服に付いた落ち葉を払うと、しっかりと手を握りあって、夕食に遅れないように家路を急いだ。
おわり
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