※お題『メンテナンス』
※猫魔(Dolphin Machine）
『メンテナンス』…ゲームマスター達が強制的にこの世界の時間を止め、その間に世界を修正する作業。
明日は、封鎖されていたコモドだかコドモだかの道を解放する為にメンテナンスするらしい。
まぁ、時間が止まっている間この世界に住む私達には何も出来ないし記憶も無いから関係無いけど。寧ろ気が着けば新しい散歩道が出来てて、良い事じゃない。『それは花が咲く事の様に』
メンテナンスが終った。予想道理、コモドへ行けるらしいモロクの南は人の雪崩で先は見えない。けれどプリーストの私は、さっさとテレポートで先に進む事にした。
人が少なくなった所で、速度増加で空気と重力の抵抗を減らし駆けて行く…が、私は速度増加の勉強はそんなにしていなかったせいで、すぐに効果が切れてしまう。嗚呼、やっぱり授業をサボって外で自己流の速度減少なんて編み出してるんじゃなかった。両方中途半端だ。
神の奇跡、なんてカッコイイ名前で呼ばれているけど構造は魔法と変わらない。実際マジシャンと似たモノも多い。仕組みを全て理解した時にその真の効果が発揮出来る魔法は、適当な気持ちでは扱えない。これをこうすればこうなる、程度で憶えた私の速度増加と減少は、素質が在れば小さな子供でも出来るレベルだ。
とにかく、目的はコモド到着。テレポートと速度増加で駆け抜ける。見慣れないモンスターと新しい景色を楽しみつつ、全速力でコモドを目指す。…騎士を乗せたペコに抜かれた。鳥の方が速いなんて。やっぱり神の奇跡なんかじゃない。…そうか、ペコが神なんだ。じゃあどうして神が重たい騎士を背に乗せてるんだろう。嗚呼、そんな下らない事はどうでも良い。コモドに行く必要が在る。
砂浜を駆け、森を抜け、道がわからない洞窟はテレポートで１発。私はコモドに到着した。
暗い洞窟の中で様々な色のライトが辺りを照らす。変わった建物やどこからか流れて来る不思議な音色の音楽が好奇心をくすぐるが、その場所を目に焼きつけると、私はテレポートでプロンテラまで戻った。ポタ広場、と呼ばれる場所で私は看板を立てた。
『コモドとグラストヘイム、お代任意』
メンテナンス前からずっとずっと考えていたのだ。コモドを見に行く新しい物好きな人達と、新しい敵を倒しに行く戦うのが好きな人達が沢山来るだろうと。…私は、貧乏である。
あの場所を念じ、時空を歪ませる。その度に青い石が砕ける。命を運ぶには命を使うのだが、この石は私の代わりに砕ける。どういう仕組みだろうか。まぁどうでもいい。私は生きている。
しかし何度やってもポタ屋と云うモノには慣れない。どうしても知らない人と話すのには抵抗がある。何故だか猫かぶりになる。ある意味商魂だろうか。我ながら似合わない。バッサリザックリとしたのが自分だ。ぶりっこ嫌いな自分でも猫をかぶる事がある事を知って、少し嫌になった。精神的に疲れた。50kZeny集まった所で、今度はゆっくりコモド観光をする事にした。１人だけど寂しくは無い。適当に見てまわり、カプラ転送でファロス燈台島にも行ってみた。が、石像がある位で他は景色だけだ。
自分の足で行ける所は隅から隅まで見たが、結局あまり面白いモノは見つけられず、さっさと帰る事にした。翌日、なんとなくファロス燈台に行った。理由なんて無い。なんとなく。それが理由。空も海も蒼い。
適当に影に座り込み、セーブポイントで辻ヒールをする。カプラサービスは大変だろうな。倉庫管理、別のカプラ嬢の下へ転送等は勿論、狩場で力尽きた冒険者をセーブポイントに転送までしてくれる。
どうでも良いけどこの間のメンテナンスから魔法を使うとすぐ疲れてしまう。それでも得にする事は無いので、辻ヒールを続ける。ポタ屋と違って楽だ。ちょっとした仕草で挨拶するだけだから。その分儲けに成らないのだけど。
不意にワープポータルが開いた。と言ってもこちら側に出る為のモノだ。次々と人が現れ、その度に高く白い光の柱が立つ。なかなかの大人数だ。ツアーか何かだろうか。まぁ、よく在る光景だ。
「ファロンミルクタウンへようこそ～！」
不意に、最後に出て来た可愛らしい女プリーストが可愛らしい声で言った。町長とか名乗る人も出て来た。どうやらここを皆の溜まり場にしよう、という事らしい。別にギルドぐるみで、とかでも無く、居たい人が居る場所。
その二人がこの場をひとつにした。その場の名前も知らなかった人達が、急に会話をするように成った。賑やかだ。私は１人が好きだけど、こういうのは嫌いじゃない。
誰かがおかしな事をして、周りが笑う。それはもう、お腹が裂けるかと思う程笑った。毎日、毎日、毎日。昨日も今日もきっと明日も。
その内この場所に居るメンバーが決まって来た。変な迄に気が合い、おかしな人達。類はなんたらとはよく言ったモノだ。嗚呼、今日も空と海は蒼い。けれど夕方には空も海も地も全て真っ赤に染まる。これは、この場所が太陽の友と云う事だろうか。…そうに違い無い。こんなに日光が眩しい所は初めてだ。そうだ、私達も赤く染まるのだから、私達もきっと友達なのだ。時が経った。タートルアイランドやジュノーなんかへの道も開かれた。その度メンテナンスが在った。観光好きな私は前なら世界が広がるのが楽しみだった筈だ。いつもふらふらしていた。たまに名だけの相棒を引っ張りながら。狩りなんてめったにしなかった。たまに食べる為にポタ屋をして、またふらふら。留まる事を知らなかった。
けれど私はまだ『ファロン』に居た。あの時から一緒の人達と、新しく一緒の人達と。結局あの時に居た人達は少数しか残って居ないけど。
今は凄く幸せ。大好きな仲間達と、大好きな場所で。…相変わらずおかしな人達だけど。
誰が仕組んだわけでもない、なんとなくそこに集まってなんとなく仲良くなってなんとなく今も一緒な人達。だからなんとなくで居なくなるだろうし、なんとなくで増えるかもしれない。
仲間は作るモノじゃない。なんとなくでいいから、出逢うモノ。偶然だったかもしれない。でも違う気がする。それはきっと必然。ずっと待っていた巡り逢う為の舞台。今まで歩いて来たのは全て序章。この場所で生まれこの場所で終わる、この場所だけの物語。
誰も知らない所で誰かが種を落とす
誰も気付かない所でそれは芽生える
それは花が咲く事の様に
静かに だけど力強く けれど優しく+α
割と投げやりの無理矢理…（死）
ネタが無かったので実話に妄想を混ぜてみた結果薄いのに解りにくい話になりました…。そして上手くメンテナンスを盛り込めてません…あんどぼけーっと進んでがくっと落ちる…その他もろもろ欠点だらけ（泣）不完全燃焼…精進せねば（泣
どうも長い話しか書いた事無いので短いと上手く詰め込めなくてまとまらない…というか某ネットラジオを聴きつつ最後の修正をしたのでおかしい所（行動自体が（ry））がありそうな気も…み、見逃してっ（泣
…読み返すと激しく書き直したい…話しがスカスカ…次はもっと余裕持って書きたいです…（と次回も言ってそうな気もする
教訓：やるべき事には早くから取り組もう
2004.03.05 猫魔(Dolphin Machine）