「そうか、では休憩だ」
※18禁 ふーたん女の子注意
ソファに深く腰掛けると横顔がよく見える。
机に足を乗せた自分の格好に普賢が軽く眉をしかめたところも、無視してそのまま仕事を続けたところも。
ディスプレイの中を文字で埋めていく作業は面白いものではあるまい。実際、普賢自身もつまらなさげだ。たいした用件でもないのに時間を盗まれるのは業腹だろう。かといって手抜きをする性質でもないのだ。強いて言えば太極符印を操作する音がいつもより若干硬く早いくらいか。
そんな普賢を観賞する。作業に没頭する時の真剣な表情や、ディスプレイを俯瞰する薄紫の瞳。白い肌、稀有な色の髪。奥のディスプレイをのぞいたとたん耳にかかっていた一束がこぼれて頬に落ちる。そのまま視線を下にやれば、独り言でも言ったのか薄い唇がかすかに動いた。
細い首と滑らかなうなじのライン。むき出しの無防備な肩、たっぷりした布地に包まれた痩せた腕の先には骨ばった細い指。右手で太極符印を操り、左手で宙に浮いたパネルを制御する。文字列を引き寄せ、たぐり、集めて時に消す。そのたびに普賢の手が伏羲を招くように動いた。
あの手が自分の背にまわされ、爪を立てる。
腹の奥から甘い気分が背を通って脳に達し、伏羲はのどを鳴らした。音をたてぬように立ち上がり、普賢の背後に回る。
「あとどれくらいだ」
「まだまだ終わらないよ。今晩中には仕上げる予定だけど」
「そうか、では休憩だ」
細い体を無理に振り向かせ、抗議の声を唇でふさいだ。
顎から鎖骨まで指でたどると、腕の中で息を飲む気配が伝わってくる。服の上から胸を探った。頂点を摘まむのは簡単だがそうはしない、手のひらを重ねて形を確かめるように撫でる。
そうしながら重ねた口付けをより深くする。唇の形をなぞって誘い出した舌を絡めた。舌先でお互いにつつきあうようなくすぐったい感触をくりかえすうちにふと普賢の手が動いた。中空に数多光っていたパネルが消え、太極符印が静かになる。
伏羲は目を細めて普賢の体を抱き上げた。
「どうもいかんな、おぬしと居ると発情する」
白い裸体をソファに組み敷いたまま伏羲は低く笑う。そう思うなら来なければいいのにと、口に出そうとして止めた。言葉にしてしまったなら、この硬く息苦しく、熱くとろけるような重みが、自分の上から消えうせてしまうだろう。そうして機嫌を損ねた彼はしばらく、百年か、あるいは千年か、顔も見せないに違いない。物思いに耽っていると首筋を吸われた。
「今わし以外のことを考えていただろう」
「…キミのことだよ」
「そうか」
ならばよいのだと満足げな表情で、与えられた口付けがまた深くなる。汗に濡れた素肌が触れあいかすかな水音をたてた。伏羲の手がわき腹をなぞり、普賢は背筋をそらす。
「まだ、するの?ん…っ」
「もちろんだ」
まぐわいの痕跡で汚れたソファに普賢は消え入りたい気分になる。まだ伏羲を受け入れた感触が身の内に強く残っているのに。まったく猫のように気まぐれで犬のように貪欲な人。振り回され、抗うすべを持たないのは、自分が身も心も彼に惚れてしまっているからだ。それが悔しい。
伏羲の左手が腹をたどり、内腿を撫で上げる。粘液で濡れたそこに手をあてがわれた。覚悟して目を閉じると指が潜りこんでくる。切なく、少し物足りない感触に唇をかみ締める。
「あふれてくるのう」
中を引っ掻くように指を動かしながら伏羲が囁く。あからさまな物言いを受けて頬が熱くなった。そらした視線の先に置き去りにされた太極符印が見える。途中で止まったままの書類作成が頭をよぎり、すぐに消えた。求められた刻限にはまだ余裕がある、定刻までに仕上げてしまえばいい話だ。両の手を伏羲の背中に回す。
今きっと一番大切なのは目の前のキミに溺れること。
指先で背を撫でると伏羲は身を寄せてきた。重みで呼吸が止まりそうになる、それすら心地よい。
「……キミで、いっぱいだから」
精一杯の恭順を口にし、恥ずかしさに体温の上がる気がした。低い笑い声が耳をかすめ、内側への愛撫が止まった。足を開かされる。
「…う、んああっ!」
望んでいたものが最奥まで一気にねじ込まれる。体を貫いた悦楽に抑えようとしたはずの声が止まらない。
「…力を抜け、もっと楽しませんか」
「だって、む、り…っあ!」
きつく締めつけたまま胎の中をかき回される、その動きに反応してさらに力がこもる。ただでさえ愛された感覚が芯に残っているのに、伏羲が腰を揺らめかせるたび新たな快感が生まれて飽和していく。
「ひ…う、くうっ、ん、あ…あ…」
無意識に両足のつま先に力が入る。彼の背に爪を立てた、ねだるように。止めてほしいのか、それとも、もっと欲しいのか、自分でもわからない。逸る動きに合わせて懸命に腰を揺らす。耳元で短い笑い声が聞こえ、頬からこめかみを舐め上げられた。
「たまらんな…癖になりそうだ」
もしそうなら、ずっと一緒に居てくれるだろうか、そんな愚かな考えが快楽でとけた脳に浮かぶ。願いをこめて伏羲にしがみついた。
「はあっ!望ちゃ、んっ、ふっ…!」
「ん、普賢…出すぞ…!」
突き上げる動きが更に早くなる。一番奥を刺激されるのがあんまり気持ちよくて、少し怖い。どくりと、中ではじけた。あふれ出す熱に背をそらせて声にならない声を上げる。
全身を震わせ絶頂を貪り尽くし、ふたり同時に力を抜いた。荒い息の合間を縫ってキスを交わす。
「普賢、普賢…。愛い奴め。まったくどうしてくれよう!」
乱暴に頭をなでられ頬に額にキスの雨が降る。茫洋としたままの意識を持ち上げてみれば、いまだ深くくわえこんだままの伏羲自身に気づき、体がぞくりとうずいた。
「望ちゃん…あのね、その…」
普賢は伏羲の首筋にかじりつき、蚊の鳴くような声で誘った。寝台へ連れて行って、と。伏羲は驚いたように目を丸くし、すぐにいつもの悪戯っぽい瞳に戻った。
「それは駅弁を試していいということかのう?」
「…っ!そ、そんなつもりじゃ!」
「冗談だ、冗談」
伏羲はソファから降り、普賢の手を取り体を抱き上げた。太公望だった頃は非力な方だったし、今も身長は普賢とほとんど違わないのに、気がつけばこんな芸当もさらりとこなすようになってしまっている。
驚くような経験を経て彼は変わってしまったけれど、それでもなお腕の中におさまるのは心地いい。普賢は伏羲の首に両腕を回し、裸の胸に頭を預けた。
「…望ちゃん、好き」
「わしも普賢が好きだ。いや違うな、言い直そう。わしは普賢が好きだ」
まっすぐにのぞきこんでくる朝焼け色の瞳がまぶしくて普賢は目を細めた。
「僕も…ううん、僕は望ちゃんが好きだよ。こんな恥ずかしくて気持ちいいこと、キミ以外としたくない」
「……」
黙りこんでしまった伏羲に、普賢は首をすくめた。何か不興を買うような真似をしただろうか。不安でちくちくする胸をどうしようもできず、普賢も押し黙ってしまう。
伏羲は寝室のドアを後ろに蹴り飛ばして閉めると、純白のシーツの上に普賢の身を優しく横たえた。
「おぬしはどうしてそうわしを煽るのが上手いのだ?」
苦笑を浮かべながら伏羲は普賢の頬を撫でる。
「夜はまだ長い、もっと乱れてくれ。わしにだけ見せてくれまいか」
うっとりと微笑む伏羲の瞳には、自分だけが映っている。期待が普賢の胸をときめかせる。
「望ちゃん…いいよ、好きなだけ…して?」
体が震え、先ほど吐き出された精があふれて内腿を伝う。もっと欲しい。もっと、もっと一番奥で、一番近くでキミを感じたい。
普賢は両の手を伸ばし、自分から唇を重ねた。
■ノヒト ... 2011/03/03(木)02:32 [編集・削除]
最近エロ書いてない。それはいかんうちはエロサイトですよ!看板にも掲げてるんだからちゃんと15禁のもの書かなきゃ!
ところでついったで王天ちゃんbotをフォローしました。たまに普賢botとおしゃべりしてます。この二人って面識ないから新鮮な気分。王天ちゃん×ふーたんか、いいな、萌えるぜ。でもうち的に王天ちゃんと王奕さんは受けなんだよな。うーんうーん。