目を覚ますととうに昼を過ぎていた。
※短文 12禁くらい
目を覚ますととうに昼を過ぎていた。
寝乱れたベッドに体を起こす。
気だるくて、立ち上がる気にはなれなかった。
静かだ。
風がカーテンを揺らす乾いた音だけ。
陽だまりがシーツの上で揺れてる。
日曜の午後の日差しは、どうしてこんなに透明なのかな。
おとぎ話の妖精たちが子守唄を歌っていそうだよ。
面倒事の溜まった昨日が嘘のよう。
重い夜だったね。
キミが何も言わないから、僕も何も言わなかった。
行ってしまうことを知っていたから、袖を引いたのは僕のほう。…一緒に居るだけで楽しかった、あの頃の僕らはどこに行ったんだろう?
丸くなってベッドに倒れる。
ぽす、と軽い音がした。
いくつもある枕も、真綿のつまった布団も、何もかもキミのためだったのに。
別にいい。どうでもいいよ。こうなることはわかってたんだ。
仕事はたくさん残ってるし、研究だって進めたいし、いっしょに夕飯を食べてくれる人の探し方も、僕は知ってる。
キミと道を分かち、それでも僕の鼓動は止まらず、今もこうして動いてる。
泣いてもわめいても、僕はキミを置いてキミは僕を置いて、前に進んでいくんだろう。
わかってるよ。
頬をつたうものの正体を、僕は知りたくなかった。
■ノヒト ... 2011/04/26(火)22:03 [編集・削除]
イェンタウンバンドのサンデーパークという曲を聴いてたらできてました。