輪廻へ還る時ふと湧いた好奇心。
※見つめるのふーたんver
※あとしまつ後
もし僕が粉々に砕けて、砂場の粒ほどになっても、彼は僕を見つけてくれるだろうか。
輪廻へ還る時ふと湧いた好奇心。結局僕の前には姿を見せなかったキミへの当てつけ。
ああ、たしかにキミは僕の近くにいたんだろうさ。キミの姿を見かけたことだってあるよ。でもそれは僕ではない他の人に会いに来たキミの背中だったけれどね。
キミとの思い出が僕を締め上げる。僕はどこへも行けなくなっていく。
だからね、いっそ遠くへいこう。忘れちゃいたい、君のこと。
記憶を捨て、姿を捨て、来た道すべてを投げ捨てて、砂礫になってしまおう。
忘れられたままでもいいように、僕もキミを忘れてしまおうね。
キミのいない生活なんて味気ないままごとみたいだ。いつのまにこんなにキミへ依存していたのだろう。悔しいから全部ひっくり返してやるよ。いらないの。いらない。いらないってしよう。
かくして僕は砂粒に変わり、世界中へ散らばった。
1万年を越したあたりから、君は僕を探すようになったね。砂金を取るみたいにさ。だけどおあいにく様。僕はもう倦んでしまったから、君が来ようが来まいが関係ない。遠慮なくぶしつけにキミをはねのけよう。今生の別れのようにさ。いやがらせ、いやがらせ、ただのいやがらせ。
それでもなお、キミが僕を求めるというのなら、3グラムくらいはキミのもとに居てあげようかなあ。
言葉にならない想いのなれの果ては、今日も世界と共にくるくる。