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SS~寒いと夏が恋しくなりませんか

 
「今日もいい天気ですね、ガブ」
 
 ※サルベージ品 18禁 
 
続き
 
 

 
 
夏がちかいせいか、ここのところおひさまがげんきな日がつづいていました。
「今日もいい天気ですね、ガブ」
そう言ってひなたのクローバーの上に座ったのはメイ。
このみどりのもりに1匹しかいないヤギです。
「こう暑くっちゃたまんねぇでやんす」
木陰にごろりと横になり、舌をだしてへばっているのはガブ。
このみどりのもりに1匹しかいないオオカミです。
2匹は吹雪のふきあれる青いやまをこえてやってきた仲のいいともだちどうしでした。
「そうだガブ、さらさら川に行きましょう。きっと水がつめたくてきもちいいですよ」
「お、いい考えでやんすね。ぜひ行きやしょう」
2匹はつれだってさらさら川へやってきました。
思ったとおり、さらさら川はすずしげな水音をひびかせています。
ガブは歓声をあげてざぶんと飛びこみました。
「ひゃー、きもちいい!メイもくるでやんすよー!」
「はいはい」
メイはかるくじゅんびたいそうをしてからしずかに水にはいりました。
ヤギのメイにはまだちょっと、さらさら川はつめたいのです。
川遊びには時期が早いからか、あたりにはだれのすがたも見えませんでした。
2匹は水のかけっこをしたり小魚を追いかけたりしてあそびました。
そしてひとしきりあそんでつかれると、2匹は岩の上にあがって日光浴をしました。
「うーん、さらさら川をふたりじめなんていい気分でやんすね」
「そうですね、もうすこし暑くなるとここはみんなでにぎわうから」
のびをしたガブを見て、ふとメイは気がつきました。
ふだんぼさぼさのガブの毛皮が水でぬれて、ぴったりとはりついています。
毛皮に隠れていたガブのからだが見えています。
オオカミらしいたくましい腕、がっちりした胸板、ひきしまった腰、それから……
「どうしたでやんす?」
急にかおをあかくしたメイを見て、ガブは首をかしげました。
「な、なんでもないです」
メイは顔をかくして立ち上がると連なる岩の上を渡っていってしまいました。
『わたしったらひるまからなにを考えているんだろう。はしたない。
 ……でもガブってあらためてみるとずいぶん立派な……』
あれが今見たよりももっとおおきくふとくなって自分をつらぬくところを想像してしまい
メイはぷるぷるとあたまをふりました。
「メイ?」
「ひゃああああ!」
すっかりうちがわをむいていたメイは、ガブがすぐ近くまできていたことに気づきませんでした。
まうしろから声をかけられ、あわてたメイは足をすべらせ水の中にどぼん。
がぼがぼがぼがぼ。
空気、空気。空気をください。
メイは手足をむちゃくちゃにふりまわしてなんとか水面に出ようとしますが、
よけいに沈んでいくばかりです。
ぐいっとひっぱられて、メイはようやく水から出ることができました。
空気をむねいっぱいすいこんでようやく落ちついたとおもったら
「だいじょうぶでやんすか、メイ?」
目と鼻の先にガブの顔がありました。おぼれるメイをガブがだきあげてくれたのでした。
だいすきなガブが目の前にいます。太い腕でしっかりと抱きしめていてくれます。
メイは全身がかぁっとあつくなりました。
うつむいてしまったメイを見て、ガブはもういちどくびをかしげましたが
なにか思い当たったのか、くすりと笑いました。
「えっちなことかんがえてたでやんすか?」
「そ、そんなこと……!」
「なんでもいえるのが、ほんとのともだちでやんす」
「……」
「えっちなことかんがえてたでやんすか?」
メイは顔を伏せていましたが、やがてちいさなこえで
「……かんがえてました……」と言いました。
ガブはメイにほおずりすると水からあがり、川岸のやわらかな草のうえにメイを横たえました。
「ガブ……」
「メイ、だいすきでやんすよ」
そしてメイのあたまをなで、キスをしました。
ついばむようだったキスがだんだん舌をからめあわせる深いものへ変わっていきます。
ながいキスが終わるとメイはとろんとした目でガブをみあげました。
「……わたしもだいすき」
ガブはメイをぎゅっとだきしめ、ほおやくびすじにキスの雨をふらせました。
舌でメイの体をやさしくやさしくなめあげていきます。
ガブの腕の中でメイがあまいこえをあげはじめました。
ガブがふれたところからからだがとろけていくようです。
ゆめみごこちでいると、ガブがメイのからだをころがし、うつぶせにさせました。
「な、なにを……」
ガブは不安そうなメイににっこり笑いかけて、メイのおしりに顔をちかづけました。
ふにふにとやわらかなおしりをあじわうように甘噛みしていきます。
甘噛みといってもそこはオオカミ、するどい牙がメイのおしりに
うっすらとピンクのあとをつけていきます。
『あ……たべられちゃいそう……』
いまにもおしりに牙がつきささりそうで、でもガブはそんなことしないとメイにはわかっていて。
意識すればするほど牙のあたったあとがじんじんと熱をおびていきます。
「ガブ、ガブゥ……」
気がつくとメイはせつない声でガブを誘っていました。
ガブは荒い息を抑えるとメイの腰を抱き上げ、うしろから一気に貫きました。
「あ、ガブ、ガブ!ひぁ……!あ!」
「……メイ!メイ!」
ぐちゅぐちゅとおなかのなかをかきまわされる感覚、しかもそれはほかの誰でもない
ガブなのです。メイはくらくらしました。
「メイ、おいらもうがまんが……!」
「あっ……ガブ、いいよ、いい……!ガブ……!」
ガブがちいさくうなると、体をびくんと弓なりにそらせました。
同時におなかのなかにあついものがそそぎこまれます。
「ガブ……あ……あ……ガブゥ……」
からだじゅうにひろがっていくしあわせな感触におぼれて、メイは意識を手放しました。

「川遊びもいいもんでやんすね」
「……そーですね」
目が覚めると、おひさまはすっかりかたむいていました。
上機嫌のガブはメイの肩を抱いてねぐらに帰ります。
ひるまからあんなに乱れてしまったことがはずかしくて、メイはガブの顔が見れません。
「また行くでやんす、もちろんだれもいないときに。あ、いたいいたい。メイ、いたいでやんすよ」
そういうガブがとってもうれしそうで、メイは恥ずかしくて恥ずかしくて
ガブをぺちぺちたたきつづけました。

                   おしまい
 
 

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■ノヒト ... 2010/06/25(金)09:32 [編集・削除]

初出051210あたり

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