>60分以内に7RTされたら後宮パロで頭を撫でる太公望を描きましょう。
の、つづきのつづき。
「おかえりなさい、伏羲」
※18禁 ふーたん女の子注意
※口調変更有り
※ふーたん過去捏造
厚い壁の向こうから鈴の音が聞こえる。
それに続くいくつもの足音のなかから、普賢は伏羲の音を聞きつけた。
読み止しの書を卓の上に置き、いそいそと扉の前に座る。
「おかえりなさい、伏羲」
「うむ」
部屋の中でふたりきりになると、皇帝は破顔し普賢を抱き上げた。
「先に寝てしまってもよいのだぞ」
「伏羲におかえりって言いたいんだ」
普賢は首を振ってみせると伏羲の背に回した腕に力をこめた。
このところ伏羲の帰りが遅い。人が変わったように政務へ真剣に取り組んでいるらしいと、女官たちの噂を聞いた。時間過ぎまで仕事をして、妃妾巡りも欠かさないものだから、普賢の元へ戻ってくるのは夜もとうに更けた頃になる。
「ねえ、伏羲」
「なんだ」
「眠いなら、ここまで戻ってこなくてもいいんだよ?」
「猫だけあって男心のわからぬ奴だのう」
普賢を寝台の上に乗せると、伏羲はあくびをした。蝋燭の火でもわかるほどクマが浮いている。
「長い間、政務を怠けてきたからな。慣れるまで少し時間を食うだろう。なに、しばらくの辛抱だ。そんなことよりわしの当面の関心は…」
伏羲の人差し指がなめらかな首筋をたどり、着物の合わせ目で止まる。
「おぬしをどう脱がすかなのだが」
普賢の頬が朱に染まる。
「伏羲ったら…」
「自分で脱いでもいいぞ。お、我ながら妙案だのう」
「もう!」
白い腕をすばやく伸ばして伏羲の黒髪を抱えこみ、自分ごと寝台に引き倒す。
「今日はもう寝るの!目の下そんなクマになっちゃって、イヤなんだから!」
「わしの身を案じているのか?」
「当然だよ、んっ!」
夜着の上から胸の先端を強く吸われる。体に走った電流に力が抜けそうになった。
「あ、こらぁ、だめ…だよ…。早く…寝る、ん、だから…」
「…普賢」
「ふ、っき、もう…!ダメだってば!」
体をくねらせ、愛撫から逃れると、普賢は乱れた衿を整えた。
「今日は寝るんだよ。おやすみなさいするの」
「おぬし…」
「寝所で体を壊しては意味がないでしょう?ね?もう寝よう」
「…まったく、房事でわしに刃向かうとは。信じられんやつだ」
「だって僕は猫だもの。そうしたのはキミじゃない」
そう言うと、普賢は首元に手を当てた。そこには竜の意匠のついた紅い首輪が光っているはずだ。
伏羲は口の中で不満事をうそぶいていたようだったが、やがて自分に背を向けごろりと横になった。普賢も体を横たえ、その背を包む。
言うほど不機嫌ではないのだ。限られた時間の、普賢との些細なやり取りを男は楽しんでいる。現にくくっとのどを鳴らすのが伝わってきた。
「…判例集か、おぬし何が楽しくてそんなものを読んでいる?」
開かれたままの書に、伏羲が目を留めたようだった。
「そうだね、あまり面白いものじゃないけど、伏羲の仕事のこともっとわかりたいって思ってさ」
「大した事はしておらぬ。表書きに印を押していただけのものに、目を通すようになったくらいだ」
「それでも、読んで色々考えたりするのでしょう?」
「まあな」
「僕も同じ。かじったぐらいじゃ、キミの役に立てないのはわかってる。けど、勉強することで少しでも伏羲の気持ちを知ることができたらって…わっ!」
不意に抱きすくめられて普賢は声をあげた。鼻に、頬に、首筋に、口付けの雨が降る。
「え、何?どうしたの?」
「……かわいい」
「え?」
「愛い奴だと言っておるのだ、何度も言わせるな!」
のしかかられ、唇を奪われる。抵抗するためにあげた手は器用に封じられてしまった。
「だ、めだよ、伏羲…あ、あ…ダメだ、て、ば…」
熱い舌が鎖骨を舐めあげる。首筋を吸われ、衿を開かされた。露になった肌の上を男の手がすべる。
「ん、ふ…ぅ…ん、きょ、は…寝る、っ、て…」
「寝るとも、おぬしを抱いたらな」
「…もう…ん!」
ぬるりと、舌先が胸元に触れた。触れられた場所から心地よいぬくもりが溶け出しふわふわと頼りない気分になる。
「伏羲…ん、うぅ…」
慣らされた体は素直に反応を返し、情欲を誘い出す。伏羲の愛撫はいつもていねいだ。形を確かめるように、何度も手が行き来する。下肢に甘いうずきを感じ始める頃には、ふとももまで濡れていた。
「いいか?」
「ん…」
両足を開かされ、恥じらいに目を伏せて普賢は答えた。押し当てられた怒張が、器の中に押しこまれていく。毎晩のように開いているのに、この時だけは体が硬くなる。普賢は息を飲み、違和感をこらえた。
苦しげな普賢を気遣い、伏羲の手が頭をなでてくれる。この瞬間がいつもうれしい。目を閉じて温かな手のひらの感触に酔いながら、息を整える。普賢が落ち着いたのを見計らい、伏羲は体を進めた。最奥までたどりつく。押し上げられる甘い感覚に普賢ののどから細い声が上がった。
「あ…そこ、ダメ、ダメだよ、あ…!」
低い笑い声が耳をくすぐる。浅くゆるく貫かれ、拒むように首を振って、けれど体は貪欲に伏羲を求め絡みついている。
「淫らな猫だのう…」
笑みににじむ、からかいの響き。羞恥が体をこわばらせたが、もう拒むこともできない。普賢にできるのは蜜からの解放をねだることだけだった。伏羲の動きが速く、深くなる。
「あ、うっ、ああ…あ…っ!ん!」
知り尽くされているのだ。自分の肢体の、どこをどうすればどうなるか。ただ震え、伏して、与えられる悦楽に悲鳴をあげるしかない。しだいに高まっていく感覚に視界がぼやけていく。
「そろそろか?」
「…ん、んく!」
腰を抱え込まれ、強くえぐられる。かと思うと柔らかくかき回される。頂点を目前にじらされて普賢はむずがる子どものように首を振った。髪が敷布を打ちささやかな音をたてる。ゆるく続く交わりに我慢が限界を超えた。
「…して、して…っ!いっぱいして、もっと強く…!」
気がつくと涙目で懇願していた。いつものように。
「いい子だ」
ささやくような男の声音とともに動きが激しくなる。下肢から熱がこみあげてくる。
「あ、あっ…ぁ……っ!」
押し寄せてくる荒波に普賢は声にならない声をあげた。敷布をきつくにぎりしめて遠のきそうな意識をつなぎとめる。波は次から次へと、もうとうに制御を失った体が壊れてしまいそうなほど。なのに愛撫はさらに強く深くなっていく。
「伏羲、お願い、も、許し…て…」
「ほしいと言ったのはおぬしであろう」
「だって、あ、またいっちゃ…!あ…っ!いいの、気持ちいい!もう無理!もう無理だよ…!」
こんなふうにいつも、伏羲は普賢を追い詰めて乱れさせる。狂熱の宴は普賢が意識を手放すまで続いた。
ぺしぺしと頬を叩かれる感覚がする。普賢はうっすらと瞳をあけた。自分が気をやって落ちてしまってから、まだそんなに経っていないようだ。腰が重く、全身は汗にまみれ、呼吸は荒い。
ニヤケた顔で自分を見つめる伏羲が恥ずかしくて、普賢は毛布にくるまってしまった。
「…伏羲のスケベ」
「ま、確かにな」
男はからからと笑った。
「陽気、天に昇り男と成る。陰気、地にこごり女と成る。陰、陽を孕み転じて陽と生り、陽、陰と混じり転じて陰と生る。これ陰陽のあるべき姿なり。その様を太極と称し、宇宙の営みの原理とす」
「?」
首をかしげた普賢に微笑を誘われて皇帝は続けた。
「男と女が真に通じ合っていなくては、交わりの喜びは得られぬという話だ。男の体は単純にできているが、女はそうではない。おぬしがわしの腕の中で、ああまで乱れるのは、おぬしがわしにすべてを開いて預けてくれているからだ」
「……わかんないよ。僕、伏羲しか知らないもの」
「誠、おぬしはわしを煽るのが上手い」
普賢の答えに、伏羲はのどを鳴らして笑った。
白い肌を抱き寄せ、ぬくもりを堪能する。
「伏羲はさ、そうじゃないんだよね」
「…まあな」
「毎晩、お妃様の誰かを抱いて、それから僕のところに来るんだよね」
「不服か」
「ううん」
そういう、ものだから。
「後宮に女の人はたくさんいるのに、どうして僕なのかなって思っただけ」
軽いため息が聞こえる。
「冷えきった据え膳なぞ、わしとて食いたくないのだがな」
「僕は違うの?」
「そうだ」
伏羲は優しい目で毛布にくるまったままの普賢の背をなでた。
「おぬしは特別だ」
「猫だから?」
「…そうだな、猫だからかもしれんな」
低い笑い声が耳元で騒いだ。愁いを帯びて、かすかに苦い。
「そういえば、普賢。新年祭のことは知っているか」
「え、うん。お祭りでしょう?毎年やってるよね」
「うむ。祭りにかこつけてな、ほとんどの者が休みを取るのだ。外宮も人気がなくなる。よい機会だからのう、おぬしを外へ連れて行ってやろうかと思うのだ。どうだ?」
「それって…後宮から出るってことだよね」
いいの?と視線で訴えかけると伏羲はにやりと笑った。後宮に入った女は一生をそこで過ごす。唯一の例外は皇帝の正妃、それも年にいくつもない大規模な式典のときだけだ。
「外宮の一角に、各国の鳥獣を集めて飼育している庭があってのう。今回の祭に象が献上される予定でな。おぬしにも見せてやりたいのだ。きっと驚くぞ」
伏羲の指先が、普賢の首輪に触れた。
「珍しい動物がたくさん居る場所だ。猫が一匹増えたところで大した事にはなるまいさ」
>>つづき
■ノヒト ... 2011/04/25(月)17:50 [編集・削除]
今日の3時頃投稿したらしいんですが、記憶にないんですよね