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試作火葬戦記?2nd


Muv-Luvオルタ風味付け 香月夕呼の帰還  by saiki 200811




つい馬鹿なアイデアが浮かんでしまった…あまり意味は無いがとりあえず
4行の文書に肉付けしてみたので、笑って読み飛ばしてください<爆笑
一部キャラクターの口調に、違和感が有るかもしれませんが悪しからず。
これも突っ込み要りませんので────という事で、ファイナルアンサー?<一寸卑怯・汗





たとえオルタネイティヴ5に計画が移行しても、彼女は諦めなかった…



2010.5.20 オルタ並行世界のどこかで




「私は─────帰ってきた!!」

夕呼(ゆうこ) は壮絶な笑みを浮かべ、 御剣冥夜(みつるぎ めいや) とイリーナ・ピアティフ以下の
オルタ4選りすぐりのブリッジクルーの前で思わず晴れ晴れとした笑いを漏らす。

バーナード星への移民船団の中の一隻を、
手腕を尽くして巧妙に配置したオルタネイティヴ4要員で奪取、
オルタ5推進派の暗躍による故意のサボタージュでの主機故障、
それを起因とした爆発消失に見せかけ、地球のオルタ4の同志へと秘匿物資を送りながら、
彗星の巣、オールトの雲で白銀のよた話から思い付いた、
遺伝子改造された宇宙ポプラによる生体恒星間宇宙船をひそかに育てていたのだ。

「そう、あの 白銀(しろがね) にクリスマスに聞いたよた話の題名は、
”第二創生記”と言う話だったわね…まさに、今の我々に相応しい題名だわ。」

地球衛星軌道上へと浮かび荒野と成った地表へ影を落とす、
彼女達が彗星の巣で育て上げた全長50キロにも及ぶ 巨大な宇宙樹(イグドラシル) が2隻、
現時点で生き残った全ての人々を収容できる、巨大なコロニー型の恒星間宇宙船である。
その根に当たる部分には巨大な氷と岩の資源用小惑星が、そして葉の茂る天上には、
力場で支えられた恒星間核融合バサード・ラムジェットエンジンが
人々へと希望をもたらす太陽の様に木星から 掬い取った(スクープ) 水素で眩しく輝いていた。




冥夜はじっと涙をこらえて地表を眼下に眺めた。
同胞の血と汗と涙で稼いだ時間が無駄で無かったと信じて…
それでもなおオルタ5のバビロン作戦瓦解後、BETAに侵され表土おも梳られ
僅かな雑草の緑一つ見当たらぬ大陸を目にし、思わず奥歯を噛み締め溢れる物をじっとこらえる。

(たける) 、皆…すまぬ、この力及ばぬ私を許してくれ…」

既に地球は生体系バランスがどうしたという状態になかった。
いまや気象は荒れ狂い、木々を食い荒らされ酸素供給源を断たれ大気性分が変貌をし始めていた。
唯一つ幸いだったのは、幾度も送った秘匿物資のおかげで地球へと残った同志たる、
かの者と元207小隊の皆、そして僅かな帝国の中核と我が姉が未だ健在と昨夜の通信で知れた事だった。

生き残った人類は維持が極めて困難な従来の基地を引き払い、
オルタネイティヴ4要員を中心に、オールトの雲から送りつけた、
香月ブランドのメガフロートを拠点に細々と抵抗戦を続けているらしい。




「撤収と言われましても夕呼先生、レーザー属種が…」
「安心しなさい、そのあたりは対策済みよ、ともかく生き残った者全てを宇宙へ上げなさい。
悔しいけど最終撤退命令を発動するわ、BETAを全て焼き払うとばっちりはいやでしょう?」

夕呼は同志のパウル・ラダビノッド准将に、
既に絶滅した野生の豹のように艶やかな笑みを浮かべ命令する。
ラダビノッドはその厳つさを増した顔に、冷や汗を浮かべしぶしぶ頷きを返した。

そんなブリッジの窓の向こうに、二隻のコロニー型の恒星間間宇宙船と一緒に
夕呼が運んで来た、2ダースの小惑星リニア砲台がその無骨な岩肌を鋭い陽光に曝していた。

そして、再突入型駆逐艦HSSTのピストン輸送を主体にした 人類総脱出(エクソダス) 計画が慌しく実行される。




アタシ達はあの空の向こうに希望を求めていた、そしてBETAにそれを踏みにじられたいま、
全てをオルタ5と同じ様にご破算にして、この暗黒の宇宙へ再び希望を求めようと足掻いている。

だから、いままで幾多の命をはぐくんでいてくれてありがとう、
そしてさようなら地球よ、と柄も無く香月夕呼は寂しげな笑みを浮べた。

「……………時間です…」

微かな悲しみを纏った笑みを浮かべ、 (やしろ) が静かにイグドラシルのブリッジの皆に告げる。
隠しようの無い嗚咽が、薄暗く光の落とされたブリッジの此処其処からまるで染み出すように漏れた。

次の瞬間、恒星間バサード・ラムジェットエンジンで亜光速まで加速した、
質量無限大に近いソレが一直線に並んだ地球と月を直撃し、
両天体を破砕しながら原始の灼熱のごとき業火でBETAともども焼き尽くして逝く。
そして、同時刻に火星を直撃した恒星間亜光速ミサイルの閃光が、約10分遅れで彼女の目に焼きついた。





この死と隣り合わせの宇宙に安らぎを───




At that point the story comes to an abruptEND...



-後書-




いや、最近なんかいろいろ読んでると、
電波を受信する感じで情景が浮かぶ事が有るんですよね<滝汗


第二創生記 = ドナルド・モフィット著 早川文庫
イグドラシル = アイスランド語、北欧神話に登場する
 世界を現す巨大な木、「世界樹」または「宇宙樹」と称される。
恒星間核融合バサード・ラムジェットエンジン = 恒星間水素を燃料にするロケットエンジン。
メガフロート = 巨大な浮島
小惑星リニア砲台 = 電磁加速で小惑星を原料に岩槐を打ち出す、
 月の資源を宇宙へ運ぶ等の事にも使える。
恒星間亜光速ミサイル = イデオンで出てきた準光速ミサイルみたいなもの
 光速に近いもので、BHがぶっかった位の威力が有る、
 ちなみに普通に小惑星がぶつかっても地表は火の海に成るので、まあ、えらい事に成ります。
約10分遅れで = 火星、地球間の電波の伝わる早さ≒光の速さ(近似値)として時間を割り出しています。

ご注意!:マブラヴ オルタネイティヴ(c)アージュの作品です。


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