8月22日
張り切って仁王くんに話しかけます。
「仁王先輩」
「ん…確か運営委員の」
「はい。檜山です」
「ああ、そうじゃったのう。………で?」
この「…で?」は何回聞いても凄く冷たい仁王くんです。知らない人にはこうやって踏み込ませないようにしてるのかとか色々考えて何回もリピートで聞いてしまいます。
学園祭の話題を振りましたが「悪いが用があるんでな。じゃあな」とナチュラルに聞いてもらえず去って行かれました。
真田と柳に話しかけて「たるんどる!」「今忙しい」とそれぞれ冷たくあしらわれました。
お昼にも仁王くんに「…で?」と言われた後、ブン太にガムについて語られ、真田に「たるんどる!」と言われて甘味どころの設営について話し合いました。
夕方、初めて仁王くんとまともに話ができました。
「仁王先輩」
「ん?運営委員か。なんか用か?」
「それ…ダーツですか?」
会議室でミニダーツを楽しんでいる仁王くん。上手いんですか?と訊くヒロインに乗せられて実演してくれました。
「フッ…見ときんしゃい。よっ」
「すごい、真ん中!」
すかさずヨイショするヒロイン。するとルールを説明してくれ、いつになく饒舌でした。自分の趣味の事は語りたいのかもしれません。
「ま、気が向いたら教えちゃる。今日はこれから作業があるんでな。ここまでじゃ」
ちょっと機嫌がいいのか、ヒロインにリップサービス付きですよ。そして好感度があがりました。「…で?」と言われない事に感激するプレイヤー。本当にこのゲームは初期、甘くないですから…
8月23日
真田と仁王が話しているところに出くわします。仁王くんは倉庫から荷物を取ってくるように言いつけられているのです。お手伝いしますと言うヒロイン。
「おー、そいつは助かるのぅ。とにかく数が多くて気が重い」
でも今から仁王くんは他の用事があるので、午後からここで待ち合わせということになりました。イベントですよ。
お昼、また仁王くんに話しかけて二人で倉庫に行きます。倉庫は散らかり放題、空調が切れてて蒸し暑い状態でした。まず整理整頓しないと何がどこにあるのか分からないので片付けましょう、というヒロイン。
「うぅ…やらんといかんか」
「はい。とにかく始めましょう」
仁王くんはめちゃくちゃ乗り気じゃありません。しばらくしてから(暑いしだるいし、やっとれんのぅ)とサボりに出てしまいました。ヒロインは珍しく空気を呼んで、大体仁王くんがサボってるのを分かってますが、こういうのは元々自分の仕事だとがんばって片づけを終わらせます。そしてここでお約束、貧血を起こすのです。
一方の仁王くん。
「ふああぁぁ〜…っ。あ!いかんいかん、もうこんな時間か」
めっちゃ寝てたようです…そこに柳生が通りかかってヒロインがどこにもいないという事を聞きます。ここで、知らないフリしてこのまま帰ってしまうと本当に鬼ですが、まんがの仁王くんなら平気でそういう事してしまいそうですが、それだと乙女ゲーにならないので倉庫まで戻ってきてくれました。そこで倒れてるヒロインを発見するのです。保健室まで連れて行ってくれました。
「…礼は言うな。俺が謝らんといかん方じゃろ。あとでいい。ほら、行くぞ。恥ずかしかったら目を閉じとけ」
これはお姫様抱っこですね!目を開けたら、保健室で困った顔の仁王くんが目の前に居ました。貧血と熱中症になりかけだったらしいです。ヒロインはご迷惑かけました、と謝ります。
「謝るな。悪いのは俺の方なんじゃし。あー…だから、用事があるって言ってサボって悪かった。ちょっと休憩するつもりが、いつの間にか寝ちまってな。その間、お前さんが一人で働かせて、その結果がこれぜよ。ほんとに悪かった。反省してる」
ほんとだよ!寝てる間があるなら空調を入れるよう本部にひとこと言ってくれよ!とか思ってもヒロインはそんな事言いません。なんとなくサボったのかとは思ってたし、体調の事を考えずに倉庫にいたのは不注意ですから、と仁王くんの事を責めません。
「俺の事怒ってないのか?サボったんじゃけど」
当然怒ってない、ああいう作業嫌いじゃないですと答えました。
「はぁぁ…なんというかなぁ…なーんか久々に人に完敗した気分じゃ」
「???」
「ま、ともかく、ちゃんと手伝わなくて悪かった。じゃけど、お前さんもこれからは気を付けてくれ。人が倒れているところを見るのは心臓に悪い」
「あ、はい。気をつけます」
「…面白いな、檜山は。この学園祭、退屈じゃと思っとったけどなかなか楽しめそうじゃ」
仁王くんがヒロインに興味を持ちました。そして、家まで送ってくれて好感度があがりました。
8月24日
和太鼓の打ち合わせで、あっくんが凄い勢いで問題児になっているのを目撃して和太鼓の話題をゲットしました。
次、仁王くんに話しかけます。
「仁王先輩」
「ん?運営委員だったか」
「はい。あの、今何をしていたんですか?」
「さぁて…なんだろうな」
…昨日のイベントが無かったことにされているのかと思いました。まだ好感度が足りないので名前も覚えてもらってないしつれない態度です。本について話題を振ってみました。
「仁王先輩はどんな本を読んだりするんですか?」
「秘密にしとうかの」
「どうしてですか?」
「秘密が多い方が魅力的じゃろ。じゃな」
何も教えてくれません。
次、真田に「たるんどる」と言われた後再び仁王くんの元に行き、今度は話題にのってくれるであろう和太鼓を持ち出しました。
「先輩は太鼓叩けるんですか?」
「叩くだけならお前さんでも出来るじゃろ」
…やっぱヒロイン嫌われてんじゃないの、と思えて仕方ありませんか何とか会話を繋ぎます。
「聞き苦しくない程度には上手くなりたいもんぜよ」
「先輩なら大丈夫ですよ」
「ほぅ、俺を信用するんか?このペテン師仁王を」
自分で言うな!と突っ込みたいところですが、ヒロインは「はい」と頷きます。すると好感度激増!仁王くんは信用されたかったようです。そしてこの後!
「おっと、忘れちゃいかんぜよ。お前さん携帯電話持っとるじゃろ。なら、番号教えてもらえんか?連絡することも色々あるじゃろうしの」
きたぁぁ!これでデートへの伏線はバッチリです。
夕方、話しかけに行くともう好感度が上がってるので仁王くんの対応が違いました。
「あ、仁王先輩」
「お、お疲れさん」
「お疲れ様です。仁王先輩」
「忙しそうやの。お前はいつも走り回っとるように見えるぞ」
「…落ち着きがないと言いたそうですね」
「はは。気にしちゃいかんぜよ。で?俺に用じゃろ?」
格段に優しくなってますよ!ここでおしゃれの話題をしてみました。
「こういう言い方をすると失礼かもしれませんが、先輩って中学生に見えないですね」
おい!いきなり何を言うんだ。
「まぁよく言われるな。テニス部の連中はだいたいそうじゃろ」
「はい。切原くんと丸井先輩はわりと歳相応に見えますけど柳生先輩、桑原先輩、柳先輩はすごく大人っぽいです」
「プラス五歳くらいかの」
大学生って事でしょうか。…一人抜けてるよ!
仁王くんはヒロインは歳相応か下に見られると言います。
「う…いいんです、ちゃんと自覚してますもん」
「ま、それくらいの方がいい。老けて見えて得するわけでもないしな。で、あえて名前を言わなかった副部長は、いくつに見えるんじゃ?」
「え、えーと…最初見た時は顧問の先生だと思ってて…」
酷すぎます!しかしそれが真田のアイデンティティ。
帰り、仁王くんに会いました。
「あ、仁王先輩。今帰りですか?」
「さて、どうかの」
質問にちゃんと答えない仁王くん。
「え?違うんですか?」
「いやいや、帰ることろで合っとるよ」
どないやねん、とプレイヤーは突っ込みますがヒロインは一緒に帰りませんかと誘います。
「残念。今日は用事がある。また今度な」
ちょっと仲良い感じだからってすぐには一緒に帰らないぜ、というところでしょうか。本当に甘くないゲームです。
8月25日
朝イチで仁王くんに話しかけ、初めて恋の話題を投入します。
「先輩は詐欺師って呼ばれていますよね。やっぱり付き合う女の子も騙したりするんですか?」
お前…もっと言葉を選べ!仁王くんは困った顔になりました。
「それを肯定すると人間として最低に思われるのう」
でも最低な仁王くんもいいと思うんです(すごい個人的な意見)。
ヒロインはフォローします。
「いえ、そういう意味じゃなくて。えっと…」
「冗談でって事か?」
「はい」
「多少はするやろうな。泣き顔が可愛い子もおるし」
さり気無くドS宣言。
「…なんだか、先輩を見る目が変わりそうです…」
「こらこら、逃げなさんな。イジメて泣かすんじゃなくて嬉涙もあるじゃろに」
「あ、そうですよね。好きな子をただ泣かせたいって何か変な人みたいですもんね」
でも変な人の仁王くんもいいとおも(ry
「そういう誤解されそうなこと、付き合いたい人に知られちゃダメですよ!」
「ああ、肝に銘じとこう。…もう遅いが」
仁王くんはもうヒロインにロックオン!
ヒロインはこの言葉に関してはノーリアクションで会話は終了しました。
お昼もにじり寄って話しかけます。会話を選んでないのにヒロインが質問があると言い出しました。
「おう、何でも聞いてくれ。ただし、スリーサイズは秘密じゃ」
「い、いえ。スリーサイズは別に…」
仁王くんのノリについていけないヒロイン。
「で、何が聞きたいんかのう?」
「先輩は出身地どこなですか?何だかあちこちの方言が混じってる気がして」
昔原作で一度「だべ」とか言ってました、けど聞かなかった事にしたプレイヤー。同様に「ダニ」も聞かなかったことにします。
「それは教えられん。出身地がバレたら終わりやからの」
「終わり?」
「ああ、気にせんでエエ。単なる独り言じゃきに」
内緒のままでした。
真田に話しかけて「今日は暑いですね」と世間話で言っただけなのに
「これくらいの暑さで運営委員が文句を言ってどうする。たるんどるぞ」
と怒られたりしつつ夕方になりました。また仁王くんに話しかけます。ゲームの話題をしてみました。
「テニス部はみなさんで遊びに行ったりするんですか?」
「副部長の頭が固いんでな。あんまりない。部長がいた頃はわりとあったか」
「そうなんですか。どこに行ったりしたんですか?」
「真田の家に押しかけたりな。あそこは広いんでな。みんなでトランプとかしとったよ」
勝ち抜きだと最後まで残るのは仁王くん、柳、幸村だそうです。ここでヒロインがあの人の事を口に出しました。
「柳先輩は分かりますけど、幸村先輩って勝負事に強いんですか?」
「あいつはあらゆる事に強い。あいつには勝てる気がせんよ」
ゆっきーは最強最恐。
8月26日
太鼓の練習風景を見学し、仁王くんとあっくんが噛み付き合ってるのを目撃。この後話しかけて普通に学園祭について話をします。すっかり仲良く出来てる事に感激。もう「…で?」と言われることはありません。…たぶん。
ブン太に話しかけたら未だに「アンタ誰だっけ。あーそういや、いたな」と言われ普通に無視されますけど。
弦一郎に話しかけると「たるんどる!」の後に電話番号を教えてくれと言われてしまいました。断ろうかと思いましたが、そうするととても悲しそうな顔をするので仕方なく教えてあげました。
お昼、仁王くんに話しかけるとヒロインが突然「あれ?仁王先輩…じゃないですよね?」と言い出します。プレイヤーには分かりませんが、そう言われてみればセリフが棒読みのような気がします。どう見ても違う気がする、というヒロインに仁王くんのカッコで仁王くんの声でこう言われました。
「フッ…やっぱりあなたの目はごまかせませんね」
そして柳生のカッコで柳生の声になりました。…声どうしてんだよ。声帯模写?試合で入れ替わった事があると教えてくれました。
「上手く化ければ、普段顔を合わせていない限り、なかなか気付かんもんよ」
「というか、そういう発想自体なかなかしませんしね」
ヒロインの言ってる事はちくっとした感じなんですが、仁王くんは得意げでした。
「だまされた方は試合どころではなくなったからの」
「しかし、それは自業自得というものでしょう」
え、なんかどっちも酷い。紳士、腹黒いよ!
この後、仁王くんに話しかけると隣に居た真田の好感度がぐぐぐっと下がりました。嫉妬する弦一郎。構わず仁王くんに変装の話題を振って、紳士に成りすました時は普通に柳生の度入り眼鏡をしていたとかそんな話を聞きました。
帰り、仁王くんが門の前にいたので一緒に帰ろうと誘いますがこの日も断られます!こんなに一緒に帰ってくれない人は初めです。やはり甘くない。
8月27日
仁王くんがダーツをしている所に出くわしました。見ててもいいということなので見学させてもらいます。ヒロインは仁王くんをすごいですね!とヨイショします。
「おう、なかなか決まっちょるじゃろ」
「はい、カッコイイですね」
「そ、そうか?よっ」
ここで仁王くん失敗。集中力が乱れたそうです。お邪魔でしたか?と謝るヒロイン。
「ああ、いやいや。お前さんのせいじゃないきに。気にすんな」
「そ、そうですか?」
「あー…いや、一部お前さんのせいかもしれんが…」
「え?」
「責任は俺の方じゃな。…俺もまだまだ修行が足りん」
詐欺師の調子を狂わせてやったヒロインですが、そこは天然設定ですので分からない事になってます。
真田の好感度がまあまあ上がっていたので恋の話題を振ってやりました。
「先輩の好みのタイプってどんな人ですか?」
「そんなものはない」
「タイプがないんですか?それじゃ、どんな女の子でもいいですね」
「む…誰もそんな事は言っていない。そんな事に興味がないだけだ」
むっつりな感じがぷんぷんします。
「そうですか。彼女が欲しい人もいれば、そうじゃない人もいますものね」
「あ、ああ」
「そうすると先輩は…今のところ、テニス一筋ですか?」
「そ、そうだな」
すごい踏み込むヒロインに真田もどもり気味になってます。
「し、質問は終わりだ」
慌てて遮られ、行ってしまいました。しかし好感度は上がる。
次、仁王くんに話しかけるとまた受け答えが変わっていました。
「よー檜山―。お前は真面目じゃのう。感心感心」
「もう、頭撫でないで下さい」
出たっ!仁王くんはこういうゲームではいつも頭を撫でてきて「もう、仁王先輩」とか言われるキャラなのです。
「気にするなって。休憩がてら俺と話でもしていかんか」
宿題の話を振ってみました。数学得意ですか?と尋ねます。すると「いや、苦手じゃけど」としれっと嘘をつく仁王くん。…というか各キャラの得意科目とか身長とかを覚えてしまっているプレイヤーは結構な気持ち悪さです。
「そうですか…少し教えてもらえたらと思ったんですけど、苦手でしたら…」
「待った。さっきの発言は無しじゃ。教えちゃるよ」
「苦手じゃないって事ですか?」
「まぁそういう事だな。得意も苦手も教えたくないもんでな。じゃから、つい言ってしもうた」
「私に言っちゃってますけど」
「お前さんは別によか」
20.5巻で公表してるからいいんです。
次、また話しかけてテニスの話題を振ってみました。入れ替わりネタです。柳生先輩の真似は大変でした?と尋ねました。
「そうでもない。むしろアイツの方が苦労しとったな」
「柳生先輩、真面目だから…きっと大変だったろうな」
「何か含みのある言い方やの」
「そ、それはそうと…入れ替わったりする事を柳生先輩がよくOKしてくれましたね」
「ああ。まぁOKせずにはいられんようにしたからな」
何をしたの!
しかし「こればっかりは教えられん」って事でネタは教えていただけませんでした。
この日、初めて仁王くんから一緒に帰ろうと声がかかりました。今まで二回も拒絶したくせに!と思いながら「はい、是非」を連打してしまうプレイヤー。
すると途中で来ました!
「お前さんは、付きおうとるヤツとかおらんのか」
「え?やだ、いないですよ。仁王先輩こそ、彼女さんがいたりして」
いい感じに様子見です。そして仁王君の返事は…
「ん、おるよ?」
あれー。
「ええ!?ダメじゃないですか!誤解されたらどうするんですか!」
「こらこら、慌てなさんな。いると言っても、これから出来る予定じゃし」
「そうなんですか。よかった…でもすごい自信ですね。出来る予定だ、なんて」
「んー、まぁこれからが勝負じゃし脈がないわけじゃないしのう」
ヒロインの事を言ってるなら、脈がないどころかこっちから近づいて落とす気マンマンですよ。しかしわざとらしく言います。
「そうですか、頑張ってくださいね!」
「おー、お前さんも応援してくれるし頑張ってみようかの。じゃあまず第一段階として名前で呼ばせてもらおうかの」
「は?」
は?じゃねーよ、分かってんだろオメー、って感じですがヒロインは天然だから仕方無いのです。
「別にかまわんじゃろ?ああ、俺の事は今まで通りでかまわん。じゃあそういうことで頼むな、ひかる」
こうして名前で呼んでもらえる事になりました。
夜、仁王くんから電話がかかってきて「明日ヒマか?」と尋ねられました。もちろんヒマだと答えます。
「じゃあちょっと付き合ってくれんか。コンサートのチケットもらってな。一人じゃ行きにくいし。それに模擬店の景品のことで相談もしたいし」
デートだ!
8月28日
駅前で待ち合わせです。
「ひかるっ!」
仁王くん走って登場、待ち合わせ時間丁度だから遅れてないと不思議に思うヒロイン。
「なぁお前さん。さっき軽薄そうな男に話しかけられてたじゃろ」
ヒロインは道を聞かれてコーヒーの美味しい喫茶店を教えてあげてた、と答えます。
「よおくわからんから案内してくれって言われたんじゃろ?」
「はい。でも私、人を待ってますのでって言って断ったんです。ちょうど走ってくる仁王先輩が見えましたし」
「相手の男にも見えたかのぅ?」
「はい、たぶん。そしたらすぐに行っちゃいましたし」
「そうか、間に合って何より…はぁ〜…」
「どうしたんですか、先輩」
あくまでも天然路線を貫くヒロイン。
「いや…相手に気付かれなきゃ意味ないとしみじみ思っとっただけ。ほんと、天然にはストレート以外きかんのじゃな」
ゲームのヒロインにはストレートでもあんまり聞きませんよ、「え?」とか「??」とか「はぁ」って答えますから。
今日のコンサートのチケットは仁王くんのお姉さんがくれたそうです。
「姉貴が行く予定だったんじゃけど彼氏と別れたとか何とかで行く気が失せたって言ってな。俺に押し付けてきたんじゃ。姉貴としちゃ捨てる気にもならんらしくてな。しかも譲ってやるんだから土産買って来いって釘さされた」
「ふふ…仁王先輩お姉さんには頭上がらないんですね」
「ああ。姉貴には勝てんよ」
そしてコンサートが終わるとぐったり疲れてる二人。
「バンドの演奏よりも、黄色い声しか耳に残っとらん。なんだったんじゃ、あの女どもは…」
熱狂的ファンはテンションが上がるからそんなもんなのです。しかし二人には理解出来ない世界だった模様。疲れたからゆっくりゴハンでも食べながら話そうという事になりました。
「…なぁひかる。あのバンドメンバー、かっこいいと思うか?」
「う〜ん…かっこいいとは思うんですけど…」
「そうか。あ、もしかしてひかるはアイドルとかそういうのに興味がない方か?」
「あ、はい。友達に珍しいって言われます」
ここで、仁王くんが「その友達に、テニス部の試合か練習見に来た事があるか聞いて欲しい」と頼まれます。そこで新聞部の友達にメールで尋ねるヒロイン。そう言えば、と友達に運営委員が羨ましいと言われた話をします。
「どうして?雑用ばっかりで忙しいのに」
「運営委員長が氷帝テニス部部長の跡部さんだから、だそうです。あの人、すごく有名なんですね」
「まぁ、目立ちたがり屋で派手なヤツだからな」
なんて跡部さまの事を話していると友達から返信がきました。友達は『観に行ったに決まっている』と感想を教えてくれました。
氷帝テニス部の練習中はいつもフェンスの向こうに女の子の集団がいて、黄色い声援を送っているそうです。ファンクラブもある。
青学は部長と天才不二、ルーキーのリョーマ君がGood!ほかには六角の佐伯さんがお勧め…とか友達が色々教えてくれました。立海のレギュラーの写真撮ってきて、ともメールには書いてありました。
「その情報のお陰で、模擬店の景品、取っておきのを思いついた」
…まさか。盗撮はダメですよ。
しかし終日良い感じで仲良く過ごせました。
8月29日
ビンゴの景品会議がありましたが、通常通りで仁王くんはダーツセットを出しました。
次、テニスコートにいる仁王くんをじろじろ見ます。
「ん?おお、お前さんか、どうした?俺に会いたくなったんか?」
ぎゃーーー!!そんな事サラッと言ってまんまとその気にさせるつもりなんですか!
「い、いえ。そうじゃなくて…練習中だからお邪魔しちゃいけないと思って」
「ああ、まだ大丈夫。柳生が来とらんからのう」
比呂士と練習するようです。ヒロインはテニスコートにいる仁王くんを初めて見たと思います。
「ん?どうした?俺の姿に見とれとるんか?」
そうだよ!!!!
とも言えませんので「ち、違います。テニスコートにいる先輩、初めて見るなと思って…」と答えました。
「はは。テニス部所属でそういうことを言われるとは思わんかった」
「私、テニス部の練習とか観た事が無いので…」
「一度応援にでも来てくれ。結構楽しいと思うからな」
いつ練習してるんですか!行きますよ!!と興奮して答えそうになりました。(そんな選択肢は無い)
この後、仁王くんがテニスについて熱く語ってくれます。熱中出来る事があるのはいいでですね、今は運営委員の仕事に熱中してますけど、終わったら気が抜けちゃいそうです、とヒロインは答えます。
「ふーん。…じゃあ俺に熱中してみるってのはどう?」
喜んで!!!!!!
むしろもう熱中してますよ!!!!
っていう答えも当然ありません。ヒロインは答えます。
「え?」
もう天然設定はいいよ!分かるだろう!お察しください!!!!
「結構はまると思うんじゃけど」
「も、もう。からかわないで下さい。…せっかく感心してたのに」
「感心?」
「…先輩が、テニスの好きなところ話してくれて、すごいなって思って…でもからかったから台無しですよ」
台無しまで言うヒロイン。
「はは、そりゃつれないのぅ」
そしてそろそろ委員会があるから、とヒロインは言います。
「そうか。寂しいが仕方ないか」
普段は冷たい感じだけど実は寂しがりや設定仁王くんって凄くすごおくいいと思うんです!
…プレイヤーは勝手に興奮しまくってますけど感想を続けます。
ヒロインは去って行きました。
「…はぁ。もういいぞ、柳生」
盗み聞きしてた柳生。待たせて悪かったの、という仁王くんのお言葉にも
「いえ。…それよりも逃げられましたね」
とか答えてしまいます。お前…
「…なぁ、どうやったらいいと思う」
仁王くんは困った顔で比呂士に助言を求めました。萌える!!!!
「彼女、その方面は鈍そうですからね。正攻法がいいんじゃないですか?」
「それ苦手なんじゃけど」
「そういうことを言ってる場合ではないと思いますよ。時間もありませんし」
比呂士のアドバイスをありがたく受け取る仁王くんでした。
次、話しかけて恋の話題を振ります。
「先輩の好みのタイプって複雑そうですね」
「俺の好みは想像できんか?」
「はい、全く分からないです」
「教えて欲しいか?」
「はい」
「そんな好奇心に満ちた目で見つめられると…ますます教えたくなくなるのぅ」
…もう、仁王くんを見る目がハートになりそうです。しかし、ヒロインは「…そう言うと思いました」となかなかの反応です。
「フッ…そう簡単に教えてもらえるとは思っとらんじゃろ?」
「それは思ってましたけど…どうやったら教えてくれるかわからなくて」
「お前さんはもっと駆け引き上手にならんとな。努力しんしゃい」
でも駆け引き上手だと乙女ゲーの主役は張れないのです。こういうのは鈍感天然ヒロインの独壇場です。
「う〜…はい、努力します」
「いい子じゃ。…今のままでも天然の良さがあるが…」
ほらな。
この後、駆け引きを覚えたらかなわんじゃろう、なお良しじゃとか言われても「?は、はい」とか答えるいつも通りのヒロインなのでした。
仁王くんと壁打ちしたり、弦一郎にユッキーの話を聞いたりしていると夕方です。最後にもう一度仁王くんに話かけに行きました。本の話題を振ります。推理小説を読むかと尋ねました。
「ものによるな。犯人が最初からわかっとるのとわからんのがあるだろ。最後までわからんのがいいな」
「推理のやりがいがあるからですか?」
「んー、それもあるが、人を騙している描写が多く読めるからの」
「まさか、参考にしてるとか?」
「フッ…さぁ?」
適当にあしらわれた感がありますが、今日も一緒に帰ろうと誘われて好感度はうなぎ登りです。
8月30日
話しかけるまでもなく、向こうから朝の挨拶をしてくれ、向こうから「よっ、ひかる」と声をかけてくれます。どうしたんですか?と尋ねました。
「ちょっとこっち来て、あそこを見てくれんか」
「何ですか?…何もないですけど」
「うん、何もないな」
もー、先輩またからかって、とかそんな顔しなさんな、とかいうやりとりがあった後時間があるか聞かれます。当然YES!YES!と答えると…
「そうか。ならヒマつぶしに俺と愛の語らいでもせんか?」
具体的にどういう語らいか教えてもらえませんかねッッ!!
とプレイヤーは思いましたがヒロインは「…先輩、また冗談ばっかり」と答えます。
「いやいやいや、本気じゃけど?」
お前の本気を俺に見せてみろぉぉぉぉ!!!
とも思いますがヒロインは仁王くんを諌めます。
「もう…先輩、好きな人がいるんでしょ?あんまり私をからかってばかりだと誤解されちゃいますよ」
「・・・・・・・・・・」
仁王くんが切ない顔になってしまいました。どうかしましたか?と尋ねるヒロイン。
「ああ、なんでもない。上手くいかんもんじゃと思ってな。はは、いやまぁ自業自得じゃ
な」
仁王くん、なんつーか…全然ダメじゃん!落ち込んでる彼にヒロインも心配します。
「…ひかる、今、頭撫でてもいいか?」
「え、あの…はい…」
「ありがとな。いつもの事ながらお前の頭は撫で心地がいいのぅ」
もう仁王くんが何をしたいのか分かりません!
お昼はスマッシュ練習、夕方にも話しかけて学園祭の話をして一緒に帰りました。
夜だって電話がかかってきます。映画に誘われました。
(なんだか…デートみたい…やだな、変に意識しちゃう)
デートだよ!
もう仁王くんのハートは完全にヒロインの物ですよ、好感度MAXだし。
なのにまだ8月30日。長いよ。
8月31日
仁王くんと映画に行き、終わった後喫茶店でお喋りです。ヒロインの趣味に合わせてくれる仁王くんに、どうしてですか?と尋ねます。
「んー、まぁ気にするな。今日はお前さんの好きなとこに付き合うつもりじゃから」
「え、あの…でも、そんな。なんだかデート、みたいです…」
「デートのつもりじゃけど」
「ええっ!」
驚くヒロインに驚きます。
「…真っ赤な顔して、可愛いなぁ、ひかる」
・・・・・うわぁぁぁ、恥ずかしいー、なんか…なんか…ゴロゴロ
仁王くんの嘘っぽい笑顔の絵ずらを見るとどうも半笑いになってしまいます。
一緒に小物屋さんに行って「じゃあこれ、買ってやる」とCG付きで言われたりして「じゃあわたしも先輩に…」とか髪をくくるゴムを買ってあげて「ちゃんとしたのでないと傷んじゃいますよ、先輩の髪綺麗なんですから」とか言ったりなんかしちゃったりして、ヒロインと仁王くんはかなりいい感じです。甘酸っぱい中学生デートに、薄汚いプレイヤーはうまく反応できません。
「今日はありがとうございました。なんだかずっと私に付き合っていただいて」
「俺がそうしたかっただけ。俺も楽しかったから問題なしじゃ。これ、ありがとな。大事に使わせてもらう」
「私こそ、ありがとうございます。大事にしますね」
「ああ。俺と思って大事にしてくれ」
「も、もう」
「ひかる…あのな……いや、また今度にする」
…もう、なんか、なんか。これ、本名でやって平気な人がいたら凄いと思います。ひかるちゃんの名前でも反応が色々大変です。
こうしてデートは終わりました。なのにヒロインは家で(楽しかったな…でも…どうなんだろう…あの人の気持ち…)とか思ってます。
プレイヤーはもう楽勝だな、とか思ってるのに。
9月1日
いつも通り、トラブルが発生してあんこを自分で作りました。
9月2日
仁王くん隠し撮りフラグです。話しかけた時、ヒロインが「…今、何か背中に隠しませんでしたか?」と尋ねます。
「いいや、何も隠しとらんぜよ」
「そうですか?何だかデジタルカメラっぽい物がちらっと見えたんですが…」
「気のせいじゃろ」
なんで隠さなきゃならん?ととぼける仁王くんにヒロインは「そうですよね、何かを隠し撮りしていたんならともかく」と答えます。彼の答えは「…プリッ」でした。
午後からはいつも通り水泳大会、そしていつも通り仁王くんが優勝してジャッカルが鰯水を飲まされました。
9月3日
朝から模擬店をふらつき、仁王くんが太鼓をたたくのを見て(CGでは仁王くんの顔なんて小さすぎて見えません)、一緒に学園祭を見てまわります。
忍足にたこ焼きをもらいました。あと、ゴージャスカフェを見て仁王くんは「これが喫茶店か?センスを疑うぜよ」と吐き捨てます。
「ペテン師にそう言ってもらえるなら褒め言葉として受けとっとくぜ」
出た、跡部サマ。でも仁王くんは何だか挑戦的でした。入るのか?と訊かれても「すまんが、お前さんらの売り上げに貢献する気はないんでな。遠慮させてもらう」とノーサンキュー。跡部サマも勝手にしろって事でした。
アトラクションでは和太鼓が優勝し、また一緒に学園祭を見て回りました。大石のいる綿菓子屋さんに行きます。柳生の時も一緒ですが、青学側は「ヤだな」っていう顔をします。しかも、大石をからかうだけからかって綿菓子は買いませんでした。
全国の話になったのでヒロインが言いました。
「全国か…私、応援に行ってもいいですか?」
この学園祭は9月なのに、まだ全国大会が開催されてない事になってるんでしょうか。そして、行ったところで仁王くんは仁王くんじゃなくなってます。
9月4日
模擬店が何事もなく終わりました。スマッシュDEビンゴが優勝ですよ。もう「すま」と打って変換するとスマッシュDEビンゴと出るように辞書登録してしまいました。
…あれ?仁王くんの盗撮フラグは?なんか間違えてるのかもしれません。まあいいや…
皆が社交ダンスをしている時にキャンプファイヤーから離れ、仁王くんと二人きりになりました。
「…あー、なんか緊張してきた。ペテン師の名が泣くのぅ。とりあえず後ろ向いてくれんか」
「何でですか?」
つべこべ言わずに黙って後ろを向くんだよっ!プレイヤーは前を向いています。
すると…次の瞬間仁王くんが後ろからヒロインをハグしてるCGが!!!
「せ、先輩…!」
「…暴れなさんな。なにもせんから」
「じ、充分してます!!」
「そうか?これでも我慢しとるんじゃけど」
…もう我慢しなくていいよ!!!
しかしヒロインが言ってのけた事と言えば「我慢って何を…?」でした。
「それは置いといて…このままちょっと俺の話、聞いてくれ」
「でも、あの、話があるなら、顔を見ながら聞きたいです」
「それはダメ。俺、人の目を見ると上手く本音が言えん。特にお前さんの目を見ると、カッコつけようとするから、見えない方がいい。ひかる、こっちを向くのも禁止な。情けない顔、見せとうないから」
↑これをタイピングするのにどれだけ文字を打ち間違えて時間がかかったかwヒロインよりプレイヤーが動揺しております。
「それにしても、お前さんの身体は抱き心地がいいのぅ。いい匂いもするし」
・・・・・・あー、もう色々こっち(画面の外)でのリアクションが…
「も、もうっ。そんなこと言ってからかうなら離してください!」
「離さんよ。何があっても。絶対に離さん。お前が…俺の事好きって言うまで。俺がお前のことを想っとるくらい、俺のこと、好きになって欲しい。冗談に…聞こえるじゃろうな」
(先輩の身体、奮えてる…)
えっ、ちょっと何その"本気の時は気弱な仁王くん"設定。ベネ!!!
とにかく冗談でなくて本気であるとヒロインは感じます。ヒロインも告白を返しました。
「そういえば、好きって言ったら離してくれるんですよね」
「やっぱりダメ。今すごく情けない顔しちょるから。あー、情けないじゃなくてニヤケてるかな」
最後まで離してもらえないまま「なあひかる。本当に好いとうよ」で終わり!
ED
仁王くんとダーツをしてるようです。うまいと褒めてもらっています。
「あの、雅治先輩…そろそろ離して欲しいんですけど」
「んー、でもお前が一人で投げると、俺の部屋、穴だらけになるし」
部屋に行って…!もう既にアレ…?!
「ダーツ投げ、もうやらないです」
「遠慮しなさんな。せっかく俺が手取り足取り教えてるんじゃし」
「だからっ!もう教えてくれなくてもいいですってば」
「教えて欲しいって言い出したのはそっちなのに、わがままじゃのぅ」
「う〜…」
「拗ねなさんなって。その顔も可愛いがの」
…あまーい!
何なんですか、これ。仁王くんは実はクールでなくて構いたがりみたいな設定なんですかッ!
「もう…自分の心臓の音がうるさくて何も聞こえないです…」
「俺がくっついてるからか?」
「それ以外の理由が無いです…」
「ほんと、可愛いなひかるは。…ま、安心しんしゃい。俺も同じじゃし」
ちょっ…仁王自重しろ。
「ほんとに?」
「ほんとに。何なら聴いてみるか?」
「あ、ちょっと速いかな。でも私ほどじゃないです」
何やってんだよ!!!
「そうか?そんなことないと思うが」
「そうですか?…あ、ほんとだ。ちょっと速くなってきた。どうして急に」
「そりゃあ、お前が俺の胸に耳をくっつけてるからな。好きな子にぴったり抱きつかれて喜ばん男はおらんよ」
こう言いながらも画面上の仁王くんはダーツを構えてました。刺されそう。
「!」
「あー離れるなって。ぴったり抱きつかんでもいいからしばらくこのままでいさせてくれ」
このまま抱き合ってその先に進んでしまったらPS2のゲームでは表現出来ないので、画面はホワイトアウトしました。