アイマス1時間SS (7/16:テーマは「玉子焼き」)

【玉子焼き戦争】

 あ、プロデューサーさん。ちょっと待ってください。
 ……じゃーん!
 今日は、いつも栄養の偏っているプロデューサーさんのためにお弁当を作ってきました!
 私だって、お菓子ばっかり作ってるわけじゃないんですよ?
 ほら、この前、事務所でみんなとと玉子焼きの話になったじゃないですか。甘いのがいい、いや甘くないのがいい、って。
 その時、プロデューサーさんが「ほんのり甘いくらいがいい」って言ってたの、私、ちゃんと覚えてるんですよ?
 だから、そのほんのり甘い玉子焼きにチャレンジしてみたんです!
 お菓子作りもいいけれど、これからは普通の料理にも少しずつチャレンジしていこうかなあ、って思ってたところなので、まずは玉子焼きくらいがちょうどいいかなって。
 そうそう、それです。
 ちょっと焦げ目が付きすぎちゃいましたけど、味は保証します。ばっちりです!
 ……どうです? プロデューサーさん。
 ……あ、あれ? どうしたんですか? 黙っちゃって。おいしくなかったですか?
 え? しょっぱい?
 うそっ!
 ちょっとくださいね……むぐ……むっ。
 うぅ……本当にしょっぱいですね。
 なんで? どうして?
 ……まさか、砂糖と塩を間違えた?
 いやいや、いくら私だって砂糖と塩を間違えるなんて。いくら似てるって言っても、間違えるほど似てるわけじゃないし。
 でも、現に玉子焼きはしょっぱいし……。
 うう……すいません、プロデューサーさん。私、やっぱりどう考えても砂糖と塩を間違えて入れてますよね。
 味見は、しませんでした。
 プロデューサーさんのために作ったものだから、プロデューサーさんに全部食べてほしくて……。
 せっかく、プロデューサーさんのために張り切って作ったのに、何もこんなところでドジをしなくても……。
 ああっ、プロデューサーさん。その玉子焼きは失敗作ですから食べないでください……え? 春香らしくておいしい?
 私らしい、ってどういうことですか。
 ええ、そうですよ。甘いのとしょっぱいのを間違っちゃった、ドジっこ玉子焼きですよーだ。
 そんな、いまさら慰められたって、私、そう簡単に立ち直ったりしませんよ?

「次も期待してるから」

 そんなこと言われたって……次? ですか?
 あ、はい!
 次こそは絶対に、ほんのり甘い玉子焼きを作って来ます!
 ちゃんと味見もしますね。
 だから、次も必ず食べてくださいね。プロデューサーさん。

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