【2人の子守唄】

 キラキラ、キラキラ……。
 昨日の夜は、お月様がとてもキレイで……。

 だから、亞里亞のお歌が姉やに届きますようにって、ラーラーラー♪ って、お月様に向かって歌っていました。
 そうしたら、じいやがビューって飛んできて、「夜中に歌うものではありませんよ!」って、サンカクお目目で亞里亞のことをしかるの……くすん……。
 だって、亞里亞、姉やに会いたかったの……。
 今日読んだご本では、森の妖精さんがキラキラの満月の夜に、ララララー♪ って歌ったり、くるくるーって踊ったりすると、森の動物さんたちが、いっぱいいっぱい出てくるの。
 森の妖精さんは、森の動物さんが大好き♪
 だから、亞里亞もお歌を歌うの♪ くるくる踊るのは……亞里亞、あんまり得意じゃないから、お歌だけだけど……。
 そうすれば、亞里亞の大好きな姉やが来てくれるから……。

 そうしたらじいやが、「亞里亞さまがいい子にしていれば、きっと姉やさまも来て下さいますよ」って。わぁ、姉や来るの♪
 姉やが来るって思ったら……亞里亞はとっても嬉しくなって、「はーい♪」って……今日はもう、いい子にして眠ることにしました。
 ベッドに入って、目をつぶる前に……じいやが窓を閉めるのを見てたら、流れ星がヒューッって、見えたの♪
 だから、亞里亞、急いでお願いしました。

「姉や……早く、亞里亞のところに来てください♪

 だから、今日、姉やが来るのはわかっていたんですよ♪

 今日は、朝からいいお天気で……姉やが来たらすぐ分かるようにって、お庭で座っていたんです。じいやが大きなパラソルと白い椅子を出してくれたから、亞里亞はそこに座って、姉やが来るのを待っていました。
 今日は、姉やにお歌を聞かせたかったから……お歌を歌って、待っていたの。
 亞里亞、お歌のレッスンはあんまり好きじゃないけど……姉やにお歌を聞かせるのは好き♪

 ラーラーラー……♪

 そうしたら、「キレイだね」って……あ! 姉や♪
 姉やがやって来て、亞里亞の頭をなでてくれたの♪ 姉やの手で、頭をなでられると胸の奥がキュッってなって……とっても嬉しくなっちゃうんです♪
 亞里亞のお願い、通じました♪

 でもね、姉やのお歌の方がキレイなの♪ 姉やのお歌、亞里亞だいすき♪
 あのね、姉やのお歌を初めて聞いたとき、亞里亞、ゼンゼン初めてじゃなかったの……。
 姉やのお歌、どこかで聞いたことあるって思ったんだけど……でも、よく分からないの……。
 よく分からなかったけど……とっても懐かしくって……亞里亞、すぐにフワフワしてきちゃうの♪

 だから……姉やの服をクイッって引っ張って、「次は姉やの番ですよ♪」って♪

 姉やは、ちょっぴり恥ずかしそうにしてたけど……すぐににっこり笑って、お歌を歌ってくれました♪
 姉やのお歌は、やっぱりとってもキレイで……亞里亞も、すぐにフワフワになってしまいます……。
 それから……お目目もだんだん閉じてきて……。
 そのまま……姉やの服をギュッってつかんだまま……亞里亞は眠ってしまいました……。

 きっと、姉やのお歌は……ずっとずーっと遠い東の国から、フランスの亞里亞のところまで届いていたんだと思うの♪
 いつも、亞里亞にアイをくれる姉や♪ ……やっぱり亞里亞は、姉やのことが世界で一番大好きです……♪

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