【二人の風景】

「はい、お姉様♪」

 あ、びっくりさせちゃったかな? ごめんなさい、お姉様。フフ♪
 ちょっとこの本屋の前を通りかかったら、必死に手を伸ばして困っているお姉様の姿が見えたから放って置けなくって、ね。勿論、困っていなくたって、お姉様を無視することなんて僕にはできないけどさ♪
 ところでお姉様、その本は……料理の本? へぇ、お姉様が料理ねぇ……。花嫁修業の第一歩、ってところかな。

 うーん、トーストとコーヒーも悪くはないんだけど、朝はやっぱり炊き立てのご飯とお味噌汁だと思うんだ、僕は。
 そして、台所からは包丁がまな板を叩く軽快な音が聞こえてきて、エプロン姿のお姉様が鼻歌まじりで料理してるのが見えるんだ。フフフフ♪
 手料理ってさ、作った人が込めた気持ちが感じられるから、僕は好きなんだ。

 そういえば、お姉様は僕の好みって知ってたっけ?
 ……さっすがお姉様♪ そりゃあ今は離れ離れで暮らしていても、僕達は姉弟なんだもの、知っていて当然、かな?

 それならさ、いつだって問題ないね♪ 僕はいつだって、お姉様の花婿になる準備はできているから。
 お姉様の隣で、お姉様と一緒に祝福を受けるんだ……絶対に。大好き……だよ……お姉様……。

 ……あ、あれ? お姉様! 待ってよ! 僕も一緒に帰るからさ!
 そうだ! せっかくだから、どこかに寄って行こうよ、お姉様♪ ね♪

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