美少女怪盗クローバー
clover1 『現れた美少女怪盗クローバー』

「……昨夜未明、予告通り翼多博物館に美少女怪盗クローバーが現れ、中世騎士の兜が盗まれました。また、当局の調べによると今回盗まれた兜他数点に関して盗品疑惑がかかっており……」

「ふーん、また美少女怪盗クローバーか。最近よく話題になるね」
「そうデスねぇ…」

 今日は四葉と兄チャマで買い物に行ってきマシタ♪ 帰りに2人で食べたアイスクリームはとっても美味しかったデス♪
 そして今は買い物から帰ってきて、四葉のお家で一休み。兄チャマと一緒に午後のニュースを見てマシタ。その時最近話題の美少女怪盗クローバーのニュースが流れたんですけど、四葉、ハートがお口から飛び出すほどびっくりしマシタ! だって、これは他の誰にも兄チャマにもナイショなんですけど、四葉が美少女怪盗クローバーなんだから!

「ん? どうした、四葉? 顔色が悪いようだけど……」
「な、何でもないデス! 四葉は美少女怪盗クローバーなんかじゃないデスよ!」
「はははっ! そりゃそうだろう。四葉は名探偵なんだろ? 探偵が怪盗なんてするわけないもんな♪」
「そそそ、そうデス! もちろんデス!」

 はー、ビックリしたデス。兄チャマも結構鋭いですねー。さっすが四葉の兄チャマ♪ って浮かれてる場合じゃないデス。コレばっかりは、兄チャマにも秘密なんデス。だって、正体がばれると……きゃー! 恐くて言えないデスー。ゴメンなさい、兄チャマ……。

「それじゃまたね、四葉」
「はいデス! バイバイ、兄チャマ♪」

 あーあ、兄チャマ帰っちゃったデスー。お別れの時はやっぱり寂しいナ。と、思っているとポストボックスにお手紙が入ってマシタ。誰からかなぁ? と思って見ると四葉のクローバーの封印が見えマシタ。

「指令デス!」

 この四葉のクローバーこそが美少女怪盗クローバーへの指令の証。今日は割と普通の方法で来マシタねぇ。
 早速持ち帰ってペーパーナイフで封を開けました。

指令

美少女怪盗クローバーへ
今回のターゲットは星見美術館の『サーカスのある風景』を盗んで欲しい。
届け先は白並木4−2−8だ。
頼んだぞ。


「イエス、マスター!」

 四葉が指令を読み終えると指令書は光と共に消えてしまいました。と同時に、今回の盗みの理由を知るのデス。いつもながら不思議な光デスねぇ。
 さてと、それじゃ下見と、予告状を出しに行ってくるデス♪

予告状♪

星見美術館さま
明日の夜10時、『サーカスのある風景』を頂きに参りマス。
覚悟してクダサイ!

美少女怪盗クローバー


 さてと、予告状も出したし問題の絵をチェキしに行くデス!
 フムフム、これが『サーカスのある風景』デスかぁ。ライオンさんとか楽しそうですねぇ。でも、四葉の目にはとても偽者には見えないデス。って、本物も見たことないんデスけどね……♪
 これで明日の段取りは大体決まりマシタね。それじゃ、そろそろ帰るとする……

「おーい! 四葉!」
「あ、兄チャマ!? ど、どうしてこんな所にいるデスか?」
「いや、なんかね、この美術館に美少女怪盗クローバーの予告状が届いたって言うんだよ」
「!!?? どうして、兄チャマがそんなこと知っているのデスか!?」
「あー、僕の友達に親が刑事の人がいてね、非番なのに呼ばれたらしいんだよ。それが美少女怪盗クローバーの予告状が原因らしいんだ、ってその友達が教えてくれたんだ」
「……でもでも、それと兄チャマとなんの関係が!」
「あ、ほら、僕さあミステリー同好会に入ってるだろ? さっきの友達もメンバーなんだけどさ。なんか、四葉の影響でミステリー読んでみたらこれが思いのほかはまっちゃって。それで、美少女怪盗クローバーなんて聞いたらいてもたってもいられなくなっちゃった、ってわけ。」

 ……まずいデス……。まさか兄チャマがこんなにミステリーに興味を持っていたとはチェキ不足デシタ。でも、予告は明日だし大丈夫……。

「それで、さっき聞いたんだけど予告の日は明日なんだって。だから明日は必ず美少女怪盗クローバーを見てやるさ」

 あ、兄チャマ〜……。

次回予告状♪

『サーカスのある風景』は必ず、この美少女怪盗クローバーが盗みマス!
えっ? あなたは誰デスか? 名探偵スペード!?

次回、clover2も必ず、この美少女怪盗クローバーが盗みマス!

美少女怪盗クローバー

 

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