トランクス・アフターストリー〜もう一つのその後 第2話 : こまった時の・・・(1) |
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「え、ドラゴンボールが蘇るとはどういう事でしょうか?」 オレは武天老師様の思いがけない一言に少しとまどっていた。 「ふむ、単刀直入に言えば、この時代にもナメック星人の誰かに地球に来てもらい、新しい神になってもらうのじゃ。そして、過去の世界のようにドラゴンボールを復活してもらう・・・。」 武天老師様の言葉がとぎれないうちに、オレは言葉を続けてしまった。この一言で武天老師様さまの言わんとする事が分かったからである。 「そ、そうか。この時代のどこかにもナメック星人の生き残りはいるはずですよね。」 しかし、次の瞬間、盛り上がったオレの興奮はいっきに冷めてしまった・・・。一瞬希望の光が見えたのであるが、オレたちの喜びは続かない事が分かったからである。 「武天老師様・・・、やはりダメですよ・・・。過去の世界では悟空さんは瞬間移動ができるのです。そして、新たに神に迎え入れたナメック星人のデンデさんは、悟空さんが瞬間移動で連れてきたのですよ・・・。オレは悟空さんに瞬間移動は習っていないのです・・・。」 こんな事であれば、悟空さんに瞬間移動を習っておけばよかった・・・。いや、悟空さんはセルとの闘いで、地球を守る為に犠牲になったのである。瞬間移動を習いたくとも習う時間がなかった・・・。 「イヤイヤ、トランクス。現在の科学力なら新しいナメック星に行ける宇宙船が作れるはずじゃ。なんといっても世界最高の科学者が一番身近におるんじゃからな・・・。」 オレの想像のさらに一歩先を武天老師様は考えていたのだ。武天老師様が不適に笑う。 「母さんですね!」 すぐにピンときた。 たしかにタイムマシンすら完成させた母さんなら、短時間で宇宙船を作る事ができるはずだ。 「あの・・・」 ここで話しに入ったのが海ガメさんだ。ずっとオレと武天老師様の話を聞いていたらしい。 「なんじゃ海ガメ。」 「いや・・・余計な事かもしれませんが・・・。」 「だからなんじゃ?はよ言うてみ〜。」 「ナメック星の位置は分かるのでしょうか?」 「あ・・・」 そうだ、宇宙を航行する技術があっても、ナメック星の所在が分からなければ、いく事ができない・・・。 「ト、トランクス。過去の世界で悟空はどうやってナメック星の位置を知ることができたんじゃな?」 「あ・・・、ダメです。確か、悟空さんは界王様にナメック星の座標を聞いたらしいです・・・。この世界でも界王様はおられると思いますが、どうやって会うか分からないですね・・・。」 「そうか・・・、仕方ないのう・・・。」 オレも武天老師様も落胆した・・・。あと少しでなんとかなりそうなのに、どこかでつっかえてしまう・・・。 「え〜い、トランクス。あきらめてはいかん!空に向かって界王様にうったえてみよう。答えてくださるかもしれんからな。あきらめるのはそれからじゃ!!」 「分かりました!やるだけやってみましょう!!」 オレと武天老師様はいちもくさんにカメハウスから飛び出し、空に向かって叫び続けた・・・。 |
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「はぁ、はぁ、ダメじゃ・・・、返事がいっこうにない・・・。」 のどをからした武天老師様がひざをついた・・・。同じく一緒に叫んでくれた海ガメさんも、疲れ果て海水を飲んでいる・・・。 「やはりダメですね・・・。」 落胆するオレたちは、その時界王様がこの事をご覧になっておられた事実を知り得る事はなかった。 界王:「すまん・・・界王が一部の者をひいきするわけにはいかんのじゃ・・・。ゆるせ・・・。」 少し、休んでからオレたちはあきらめ、カメハウスにもどった。 「しかし、困りましたね・・・。あとはナメック星の座標だけが分かれば全てうまくいくのですが。」 あと何か少しの発想でうまくいきそうであるが、決定的な何かが思いつかない・・・。やはりダメなのか・・・。 腕を組んでうつむく武天老師様がつぶやく。 「こまった・・・こまった・・・。 「・・・・・・。」 「・・・・・・。」 「こまった時の・・・。」 武天老師様は立ち上がり、大声でさけんだ。 「困った時の占いババじゃ!!」 「え、占いですか?」 武天老師様を疑う訳ではないのであるが、行き詰まった最後が占いとは、正直オレはダメと思った。 「いやいや、トランクス。占いといってもバカにははできんのじゃ。姉ちゃんの占いは100パーセント当たるのじゃ!」 「え!100パーセントですか!!」 オレ達は最後の希望を求めて、武天老師様のお姉さんにあたるという占いババ様の所へ向かう事となった。 第2話(1)おわり (2)へ続く・・・ 「その後のドラゴンボールシアター」目次ページへ |