トランクス・アフターストリー〜もう一つのその後
第4話 : 策謀のナメック星-(2)

今、ここにいるオレはさっきまでのオレではなかった。戦闘態勢にはいったオレにもはや容赦という2文字はない。
オレは誰よりも用心深く慎重なのだ。あの最強の悟空さんは敵に対して必要以上に殺生はしなかったという。しかし、オレはちがう!

育った環境なのか、オレが未熟なのか分からないが、目の前の障害は全力でとりはらう。生ぬるい慈悲は、のちのち、自分のまわりの大切なものを奪ってしまう事を知っているからだ。

「はっー!!!」

こちらを格下とあなどるプイプイに重たい一撃をはなった。その瞬間プイプイの顔がゆがむ・・・。
意識が切れそうなプイプイに休むことなくオレは攻撃を続けた。
宙に舞うプイプイ、その刹那、すでにオレはそのプイプイの上空に身構えていた。

『バシッ!!』

オレは思いっきり宇宙船の床にたたきつけたのである。

「ふう・・・」

ため息をつくオレの下にはもはや動くことさえない敵がよこたわっていた。

「こ、ここまで強いのか・・・サイヤ人は・・・」

無口なキビトさんが固唾(かたず)をのんでいた。その横には同じく驚きをかくせない界王神さまがいる。

『ギギギ・・・』
宇宙船の床のトビラのようなものが開く。

「さあ、下のフロアにいきましょう!」

ほほえんで言うオレはもう先ほどの戦闘中ののオレとは別人であった。

「あ、はい。そ、そうですね。トランクスさん。いきましょう。」
少し苦笑いの界王神様が、とまどいながらそういった。

下のフロアは真っ暗であった。

「止まって下さい。トランクスさん、キビト。」
神妙な声で界王神様がいった・・・。

「何かいます。」

闇の奥にうごめく巨大な戦闘力を感じた。

「シャー、フシュー」

うめき声のようなものが聞こえる・・・・。

「ゴホホホ・・・どいつから食ってやろうかな・・・」

闇の奥をじっと見つめる界王神がつぶやいた・・・。

「あ、あれはもしかして、ヤ・・・ヤコン・・・魔獣ヤコンでは!!!」

次の瞬間オレの腹部をかすめる斬撃!かろうじてかわしたオレに界王神様は言った。

「みんなで闘いましょう!!」

あせりのせいか、甲高い裏声になる界王神様にオレは共闘を拒否する言葉をはなつ。

「いえ、こいつもオレ一人でやらせて下さい。」

「何をバカな事をいっているのだ!お前一人で魔獣ヤコンに勝てる訳がないであろう!」
普段はおとなしい、キビトさんが怒鳴る!キビトさんも魔獣ヤコンのつよさをひしひしと感じているのであろう。

しかし、オレは見栄をはって一人で闘うといっているのではない。勝算があるのだ。いや、この魔獣に勝てなくて、暗黒魔界の王を倒し、脅威の魔人ブウの復活の阻止ができると思えなかったのだ。

『シャシャシャ』

オレは紙一重で攻撃をかわす。

「・・・・!え・・・!?」
攻撃があたらない事にとまどいを隠せないヤコン。そのヤコンの額にオレは蹴りをはなった。

『バシ!!』

「暗闇でもこちらがよく見えるようだな・・・、しかし、お前は見ることに頼りすぎる。だからオレに攻撃はあたらないのだ!オレにはお前の動きがよく分かる・・・ちょっとした空気に流れとかでだ・・・。」

過去でオレは父さんと修行した時に気配で相手を捕らえる訓練をしたのだ。もっとも悟飯さんにもその事を教えてもらっていたが小さい頃のオレは、そんなことよりパワーを欲していたのだ。過去の父さんとの修行はここでも生きる。」

『ありがとう父さん・・・』

最後の別れの時にオレにピースをしてくれた姿が目に浮かぶ・・・。

「さて、ヤコン!いっきに終わらせてもらうぞ!」

超サイヤ人に変身したオレは圧倒的であった。渾身のエネルギー波をうち。ヤコンを撃退した。

面くらう界王神様とキビトが我にかえった瞬間クチをそろえてこういった。

「トランクスさん、衝撃をあたえすぎると、魔人ブウが復活してしまいます!気をつけてください!!」

「す、すいません・・・」

『ギイイイ・・・』

床のトビラが開いた・・・

そこには、およそ宇宙船とは思えない風景がひろがっていた・・・。

額のあせをぬぐった界王神は、いっそう神妙な顔でつぶやく・・・。

「ここはナメック星ですね・・・」

ついに来た。ナメック星だ・・・。

喜びもつかの間・・・各地で気のみだれを感じる。

「バビディたちが、ナメック星人をおそっています!このままではエネルギーが集まり魔人が復活してしまいます!!さぁ、いきましょう!ただし、トランクスさん。ダーブラが相手の時は、1対1は決して許しませんからこころしてください!」

界王神様はオレにクギをさしたのだが、さすがに、ダーブラだけは1対1で闘かおうとは思えなかった・・・。オレにはよくわかる。1対3でもあやうい・・・。再び恐怖がオレを襲う。冷や汗をぬぐいつつオレは界王神様に返事をした。

「わ、分かりました・・・。」

オレはナメック星の青色の大地と緑色の空を見上げ、ため息をついた・・・。

第4話(2)完  

次回、第5話 裂ける大地 へ続く(仮題)

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